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2017/10/13 16:22日経平均は上値の重い展開か。NYダウの動向にも注意が必要

(レビュー)

13日の日経平均は、企業決算で増益が示されるとの期待から前日終値比+200.46円上昇し、1996年11月27日以来となる21155.18円で取引を終えました。12日発表されたファーストリテイリングの好調な決算内容を受けて、同社株は前日終値比+1920円の大幅高。ファーストリテイリングだけで日経平均を71.24円押し上げました。

(今後の見通し)

12日から米第3四半期の企業決算が本格化しました。来週は17日のゴールドマン・サックスをはじめ、NYダウ採用銘柄30社中9社が決算発表を予定しています。決算発表の結果を受けた各銘柄の値動きがNYダウ全体に影響しそうです。

日経リサーチが実施した衆院選公示直後の世論調査では、自民党の優勢が示されました。また、共同通信は自民・公明両党で300議席超をうかがうと報道。その他、朝日新聞、読売新聞も自民党の優勢を伝えました。野党候補の一本化は289の小選挙区のうち61にとどまりました。新党「希望の党」が野党再編の軸になるとの見方もありましたが、民進党が「希望の党合流組」と「立憲民主党」に分裂したことで、「自民・公明」、「希望・維新」、「立憲民主・共産・社民」の3極で争う構図となったことが与党の追い風となっているようです。

日経リサーチの情勢調査によると、自民党の選挙区での議席獲得が「有力」または「優勢」となったのは204議席。先行を許している接戦区を逆転すれば248まで議席を伸ばす可能性があるようです(現287)。与党が善戦すれば、アベノミクス相場による株高・円安が巻き戻されるとの懸念が後退し、日経平均にとってプラスとなりそうです。

ただ、内閣支持率は37%と、不支持率48%を大きく下回りました。小選挙区では投票先を決めていないと答えた人が約2割に達し、野党には無党派層の開拓余地が残っているとみることもできそうです。22日の投開票日に向けて無党派層の動向を注視する必要はありそうです。

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日経平均は上値の重い展開か

外国人投資家が日本株の買い越しに転じていることや「衆院選=日本株買い」のアノマリー、さらに来週から本格化する企業決算での増益期待を背景に、日経平均は解散日28日の終値20363.11から13日の終値21155.18円まで3.9%上昇しました。ただ、1970年以降14回の選挙の値動きを参考にすると、日経平均の上値は重くなる可能性がありそうです。

過去14回の平均では、解散日から投開票日の間に付けたピークは+2.6%でした。直近ではアベノミクス相場となった2012年は3.0%、消費増税の延期が問われた2014年は3.3%がピークでした。アベノミクスが掲げられた2012年と、消費にプラスとなりうる消費増税の延期が問われた2014年の選挙に比べ、今回の選挙における経済政策は育児教育の無償化など社会保障関連が中心です。そのため、選挙が市場の期待に働きかける力はやや弱いと考えられ、日経平均が選挙のアノマリーを背景に2012年や2014年を大幅に上回り、一段と上昇するのは難しいかもしれません。また、後述する米株の動向を受けて日経平均が弱含む展開も考えられます。

NYダウ下落の可能性は?

NYダウは米税制改革への期待を背景に今週も堅調に推移し、12日には一時22884.82ドルまで上昇しました。9月の雇用統計ではハリケーンの影響もあり、NFP(非農業部門雇用者)はマイナスに転じましたが、失業率は2001年2月以来となる4.2%まで低下。鈍い上昇が続いていた賃金にも加速の兆しが見られました。また、本格化した第3四半期の企業決算では増収が示されると見込まれており、底堅いファンダメンタルズがNYダウのサポート要因となりそうです。

一方で、株価の割安・割高を判断するPER(株価収益率)などみれば、依然としてNYダウは割高です。今後の米税制改革や金融政策などの行方次第では、割高なNYダウに調整が入る可能性はありそうです。

米上院では来週、税制改革の前段階として予算決議を採決する予定です。単独の税制改革法案よりも、予算プロセスに税制改革案を組み込むほうが可決は容易になります。ただ、上院が予算決議を可決できないか、既に可決されている下院の予算決議との一本化に失敗すれば、税制改革の審議は一段と難航することになりそうです。


また、既に公表されている税制改革案の財源は依然として不透明です。民主党だけでなく、共和党内の財政保守派から反対があれば、税制改革がとん挫、あるいは当初の案より小規模になる可能性もありそうです。その場合、税制改革への期待が一部剥落し、NYダウには下押し圧力が加わるかもしれません。

金融政策や次期FRB議長人事もNYダウに影響する可能性があります。CMEグループのFedWatch Toolによれば、市場が予想するFRBが年内に利上げを行う確率は13日時点で88%です。年内に残り1回の利上げが実施されると仮定した場合、2018年9月までに次の利上げが行われる確率は68.8%まで上昇しています。

11日に公表されたFOMC議事録(9月19-20日開催分)では、多くの参加者が年内あと1回の利上げが適切との見解を示す一方、数人が低インフレ率への懸念を示し、今後のインフレ指標を注視するとされました。本日13日に発表される9月のCPI(消費者物価指数)は前年比+2.3%と、8月の同+1.9%からインフレが加速すると予想されています。FRBが重視するエネルギーと食料を除くコアも同+1.8%と、8月の同+1.7%からインフレが加速する見込みです。本日のCPIや今後のインフレ指標でインフレ圧力の強まりが確認されれば、利上げ観測の高まりを背景に米金利に上昇圧力が加わりそうです。

また、FRB議長人事のゆくえも相場材料となる可能性があります。米政治専門サイトのポリティコは、次期FRB議長の人事に関して、ムニューシン財務長官がパウエルFRB理事を強く推薦していると報じました。ポリティコは次期議長候補に関して、イエレンFRB議長、パウエル理事、コーンNEC(国家経済会議)委員長、ウォーシュ元FRB理事の4人に絞られたとしています。

一方で、トランプ大統領は11日、次期議長候補の1人であるスタンフォード大のテーラー教授と面談したと報じられました。イエレン議長の任期が来年2月に迫る中、今後の金融政策の方向性に大きな影響を与える次期議長の人事に関する新たな情報が相場材料となる可能性もありそうです。

インフレが加速した場合や、次期FRB議長人事でタカ派的な人物が有力との見方が強まれば、米金利が上昇する可能性があります(現時点ではウォーシュ元FRB理事やテーラー教授がタカ派的とみられている)。その場合、低金利下でのゴルディロックス(適温)相場が崩れるとの懸念から、NYダウの下落要因となる可能性はありそうです。

(アナリスト 根岸慎太郎)

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

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