株価指数デイリー・レポート

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2017/09/08 15:44来週は日米英の経済指標に注目!

(レビュー)

8日の日経平均は反落。ECB理事会(後述)後のユーロ高・米ドル安の影響や、ハリケーン「イルマ」が米フロリダに上陸した場合の被害への懸念などを背景に米10年債利回りが低下したことで、米ドル/円が2016年11月以来となる108円割れとなり、日経平均を押し下げました。また、9日に北朝鮮の建国記念日を控えていることも日経平均の重石となり、日経平均は前日終値比-121.70円の19274.82円で取引を終えました。

(今後の見通し)

今週の日経平均は、北朝鮮問題に絡む地政学リスクや米政局の不透明感を背景に、弱い地合いが続きました。北朝鮮では、9日に建国記念日が控えています。一部の報道機関は7日、韓国の首相が9日に北朝鮮がミサイルを発射する可能性があると発言したと伝えました。

国連安保理は北朝鮮情勢の緊迫を受け、4日から新たな制裁に関する審議を進めています。追加制裁では、現在の制裁と比べてより北朝鮮に打撃となりうる石油の禁輸などが焦点となりそうです。ヘイリー米国連大使は新たな制裁決議案を11日までに採決したいとの方針を示しています。北朝鮮問題に絡む地政学リスクは、来週も市場の重石となるかもしれません。

トランプ大統領は6日、1.継続予算、2.デットシーリング(債務上限)の引き上げ、3.ハリケーン「ハービー」の被害に対する救済のための支出に関して、議会と合意しました。米上院は7日、1-3を組み合わせた法案を可決しました(「ハービー」の被害に対する救済金は、接近する大型ハリケーン「イルマ」に備えて74億ドルから152億ドルに倍増)。ただし、継続予算とデットシーリングは12月8日までの期限付きでの合意となりました。そのため、期限が近づくにつれて上記の問題が再度クローズアップされる可能性はあります。米政局の不透明感が、米株の下押し要因となる場面が今後も見られるかもしれません。

ECBは7日、金融政策の据え置きを決定しました。ドラギ総裁は会見で、インフレ見通しに関して「ユーロ高を理由に2018年の見通しを引き下げた」と説明。為替相場が金融政策運営をめぐる「不透明要因」になっているとのコンセンサスが理事会内で概ね得られていると述べ、ユーロ高をけん制しました。一方で、今後の金融政策見通しに関して「決定の多くは大方10月になされる」とし、次回会合(10月26日)でQE(量的緩和)縮小の開始を決定する可能性を示しました。

ECBは同日、2018年のインフレ率見通しを従来の1.4%から1.3%へ下方修正する一方、2017年の成長率見通しは2.2%と、従来の1.9%から上方修正しました。ECBは、ユーロ高などを背景にインフレ率見通しに懸念を示す一方、ユーロ圏経済には強い確信を持っているのかもしれません。ユーロ圏経済が堅調であれば、独DAX®の支援材料となりえます。ただし、DAXは足元でユーロ/米ドルと高い逆相関の関係を示しています。ユーロ高基調が続けば、DAXの下押し要因となるかもしれません。(※相関関係は13週間の週次データで算出した値を参考)

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来週は日米英などの経済指標に注目です。日本では、11日に7月の機械受注が発表されます。6月の機械受注(船舶・電力を除く民需)は前年比-5.2%と、2カ月連続で鈍化しました。設備投資の先行指標とされる機械受注での鈍化が続けば、日経平均の上値を抑える要因となるかもしれません。

英国では、12日にCPI(消費者物価指数)、13日に雇用統計(失業率や平均賃金)が発表されます。また14日にBOE(英中銀)のMPC(金融政策委員会)が開催されます。7月のCPIは前年比+2.6%と、5月の同2.9%を下回り6月から横ばいでした。4‐6月の失業率(ILO基準)は4.4%と、1975年以来の低水準でした。ただし、賃金の伸びは前年比+2.1%にとどまっており、実質所得はマイナスの状況が続いています。それは英経済の下押し要因となり得ます。BOEは、上昇傾向にあるインフレ率と鈍化の兆しが見える経済との間で難しいかじ取りを迫られそうです。

米国では、14日に8月のCPI、15日に9月のNY連銀製造業景況指数や8月の小売売上高、ミシガン大消費者信頼感指数などが発表されます。8月のNY連銀製造業景況指数は2015年4月以来の高水準を記録しました。引き続き景気の底堅さが示されるのか注目です。

食料とエネルギーを除く7月のCPIコアは前年比+1.7%と、6月の同+1.6%から上昇しましたが、8月は再び同+1.6%へ低下すると市場は見ています。米10年債利回りは7日、インフレ率の鈍化や政局の不透明感などを背景に2016年11月10日以来となる2.034%まで低下しました。経済や政局に不透明感がある中での金利低下は、株価の支援材料とはならないかもしれません。

(アナリスト 根岸慎太郎)

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