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2017/08/29 16:59英経済鈍化や、為替との相関性低下がFTSE100の下落要因に!?

<本稿は8月25日時点で執筆。最新のマーケット情報はお取引画面内から時事通信社のニュースをご覧ください>

ブレグジットに伴う英経済への影響

ブレクジットに伴う英経済への影響は徐々に表れつつあるのかもしれません。コンサルティング会社オリバー・ワイマンが8月に公表した報告書では、英国がEU単一市場への自由なアクセス権を失った場合、英金融業界で最大4万人の雇用が失われると試算しています。実際に、いくつかの主要な金融機関は英国以外のEU域内国に新たな拠点を設ける計画を明らかにしています。

BOE(英中銀)が8月9日に公表した報告書では、失業率が低水準に低下する中でも、英企業が計画している賃上げ率が2-3%と小幅にとどまる見通しが示されました。また、先行きの不透明感が企業の投資計画の重石になっているとされました。

英企業の設備投資は2016年第1四半期以降、前年比で4四半期連続のマイナスでした。2017年第1四半期はやや反発しましたが、8月24日に発表された第2四半期は前年比0%と、第一四半期の+0.7%から低下しました。ブレグジットなどに伴う先行き不透明感は、英企業活動の重石となっていると考えられます。

 
(前年比%)

 

英経済には鈍化の兆候も

7月に発表された英第2四半期GDPは前年比+1.7%と、第1四半期の同+2.0%から鈍化しました。8月に発表された英雇用統計では、4-6月の失業率(ILO基準)は4.4%と、1975年以来の低水準でした。一方で、平均賃金は前年比+2%前後での推移が続いています。賃金の伸びは依然としてインフレ率を下回っており、インフレ分を考慮した実質所得はマイナスの状況が続いています。

Gfk(独市場調査会社)が発表している英消費者信頼感指数は実質賃金の低下とともに悪化しています。実質賃金のマイナスは個人消費の下押し要因となりえるため、今後の英景気の重石となりそうです。

 

英FTSE100と英ポンド/米ドルの相関性は低下

英FTSE100は2016年6月のブレグジット決定以降も堅調に推移してきました。堅調な個人消費に支えられた英経済や、英ポンド安による輸出企業の収益増加への期待などがFTSE100の上昇要因と考えられます。

FTSE100と英ポンド/米ドルの相関性に目を向けると、相関性の強さを表す決定係数R²(*)は2017年1月に0.85と高い相関性を示していました。その時は英ポンドが下落するとFTSE100が上昇する逆相関となっており、英ポンド安がFTSE100の上昇要因との見方は整合的です。しかし、決定係数R²は8月25日時点で0.01とFTSE100と英ポンド/米ドルの相関性は失われています。英ポンドの下落がFTSE100の支援材料となり得ず、英経済に鈍化の兆候がみられるなかでは、FTSE100が下落する可能性に注意する必要があるかもしれません。
(*)決定係数R²は相関関係Rを二乗するため、符合は常にプラス

 

(アナリスト 根岸慎太郎)

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