株価指数デイリー・レポート

株価指数の市況や分析・展望を配信。

2017/07/14 17:42PERからみた割高・割安

(レビュー)

14日の日経平均は小幅に続伸。前日終値比+19.05円の20118.86円で取引を終えました。昨日、NYダウが2営業日連続で最高値を更新するなど、米株が上昇したことや為替市場で米ドル/円が上昇したことが日経平均の支援材料となりました。

一方で、昨日決算を発表したファーストリテイリングは、6-8月期が営業赤字の見通しとなったことなどが嫌気され大幅安。下げ幅は前日終値比4%を超え、ファーストリテイリングだけで日経平均を約63円押し下げました。

(今後の見通し)

13日、イエレンFRB議長は12日の下院に続き、上院(銀行委員会)で証言しました。イエレン議長は、足元で鈍化傾向にあるインフレ率に関して、「基調的なインフレトレンドが2%を大きく下回っていると結論付けるには時期尚早だ」と述べました。12日の下院では、「FOMCは向こう数カ月、物価動向を注視していく」と述べており、物価動向が今後のFRBの金融政策に大きく影響しそうです。

本日、日本時間21時30分に6月の米CPI(消費者物価指数)が発表されます。食品とエネルギーを除くコアは5月に前年比+1.7%とFRBの目標である+2%を下回っています。市場は6月も前年比+1.7%と5月から横ばいと予想しています。

6月の小売売上高(日本時間21:30)にも注目です。ガソリンの売り上げ減少などを背景に5月は前月比-0.3%でした。市場は、6月は前月比+0.1%とやや反発すると予想しています。

市場予想通り、CPIでインフレ圧力の高まりが示されなければ、FRBの利上げペースは緩やかになるとの見方は変わらないかもしれません。その場合、流動性相場が続くとの見方から米株にとってプラスとなりそうです。その中で、小売売上高などで米景気の堅調が示されれば、目先、米株にとってプラスとなりそうです。

(テーマ分析)

6月27日に、イエレンFRB議長、フィッシャーFRB副議長、ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁らFRB当局者は、そろって米資産価格について言及しました。イエレン議長は、「PER(株価収益率)といった一部の伝統的尺度を使えば(資産価格は)幾分高い」と指摘するなど、当局者の言及は資産価格への警戒感を示唆するものでした。


2011年以降のPERからみた割安・割高
実際に、NYダウの当期予想PER(株価収益率)は7月13日時点で17.87倍と2011年以降(約7年間)の予想PERの平均である14.61倍を上回っています。予想PERを参考にすれば、NYダウは割高が懸念されます。

独DAX®や英FTSE100に関しても割高が懸念されます。DAX®の足元の予想PERは13.93倍で、2011年以降の平均12.28倍と比較するとやや割高です。FTSE100の予想PER15.20倍も2011年以降の平均13.36倍を上回っており、割高が懸念されます。

日経平均に目を向けてみると、予想PERは17.46倍とNYダウと同水準です。しかし、2011年以降の平均は17.11倍であることから、ほぼ中立と判断することはできそうです。

一方で日経平均を除く3つの株価指数の予想PERは右肩上がりです。2014年以降はそれぞれ一定の水準を下回らない場面が続いており、各株価指数の予想PERの適正水準が(上の水準へ)シフトしていると考えることもできそうです。

その理由としては、2014年10月の日銀の量的緩和強化(=黒田バズーカ2)など、中央銀行の金融政策の変化が考えられそうです。ちなみに、ECBは2015年1月に量的緩和(QE)を開始しています。

2014年以降のPERからみた割高・割安
そこで、2014年以降のそれぞれの予想PERの平均をみるとNYダウは16.02倍(14.61倍)、日経平均は17.86倍(17.11倍)、DAX®は13.38倍(12.28倍)、FTSE100は15.29倍(13.36倍)となります。2014年以降の予想PERの平均を参考にすると、NYダウが割高で、DAX®はやや割高ある点は変わりません。一方で、日経平均はほぼ中立からやや割安へ、FTSE100は割高から中立へと変わります。

※()内は2011年以降の予想PERの平均値

FTSE100の予想PERが大きく変化したのは、2016年半ばの18倍近い水準から15倍を下回る水準まで予想PERが低下した影響が大きそうです。予想PERが低下した背景には、ブレグジットにより英ポンドが大きく下落したことで、輸出企業を中心に企業収益見通しが改善したからと考えられます。

以上を参考にすれば、割高のNYダウとやや割高のDAX®は調整する可能性はありそうです。特に、NYダウは他の株価指数と比較して割高が懸念されます。このような背景が上述のFRB当局者の資産価格への言及に繋がたものと考えられます。

仮に2014年以降の予想PERの平均を適正水準と仮定した場合、予想EPS(1株当たり利益)を用いれば、NYダウの理論価格は(1206.39×16.02=)19326.37ドルとなり、現行水準から約10%近いマイナスが理論価格と導き出せます。株価への割高懸念から株価が調整する場合、NYダウが2万ドルを割り込む可能性も視野に入れておく必要はあるかもしれません。

金融政策などの相場環境の変化を考えれば、予想PERの適正水準が一定である必要はないかもしれません。ただ、1つの尺度として参考になると思われます。

(アナリスト 根岸慎太郎)


※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

※当レポートは現物株を対象としています。

バックナンバー

「株価指数デイリー・レポート」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

株価指数CFDをご検討の方へ マネースクエアはあなたの資産運用のパートナーとして、革新的なアイデアを提供し続けます。
各種取引ツール M2J株価指数CFDでご利用いただく取引ツールについてご案内します。 各種トレードツール
ページトップへ