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2017/11/24 16:08欧米の政局に引き続き注目。中国株急落の背景は!?

(レビュー)

24日の日経平均は3営業日続伸し、前日終値比+27.70円の22550.85円で取引を終えました。前日の中国株下落の流れを受けて、前場の日経平均は軟調な展開となりました。日経平均は後場に下げ幅を縮小し、前日終値比プラスへ転じました。安倍首相が首相官邸で、米イェール大学名誉教授の浜田内閣官房参与と本田駐スイス大使と会談したと伝わると、次期日銀総裁人事への思惑から日経平均は下げ幅を縮小しました。市場では、本田駐スイス大使は金融緩和に積極的な人物とみられています。

(今後の見通し)

今週の日経平均は、約22200円から22700円の間での推移となりました。主要企業の決算発表がほぼ一巡し、買い材料に乏しいことから上値の重い展開となりました。また、米国やドイツの政治不安なども日経平均の上値を抑える要因となりました。独政局に新たな動きがみられ、また、米上院で税制改革法案の審議が来週に予定されていることから、引き続き欧米の政局に注目です。

ドイツでは、三党連立の交渉が失敗に終わりました。メルケル独首相は今後、新たな選挙に踏み切る可能性があります。独政治の不透明感が高まれば、DAX®の重石となる可能性があります。

ただ、9月の総選挙前までCDU/CSU(キリスト教民主/社会同盟)と大連立を組んでいたSPD(社会民主党)がメルケル首相に協力する可能性が浮上しています。SPDが閣外協力などの形で少数与党政権をサポートする方向に舵を切れば、再選挙という政治の不透明要因が払拭され、DAX®への下押し圧力は後退しそうです。

米上院は下院と内容の異なる税制改革法案を発表しました。既に同法案に反対的な立場を表明する共和党議員もいることから、上院での審議は難航する可能性があります。

焦点の1つとなるのが上院案に盛り込まれたオバマケアの一部(個人の医療保険加入義務)の撤廃です。共和党がこれまで試みたオバマケアの撤廃は、マカウスキ議員ら3人の共和党の上院議員の反対によって実現しませんでした。

マカウスキ議員はこれまで、税制改革法案に医療保険を盛り込むことは望ましくないと述べていましたが、21日にオバマケアの一部撤廃を容認する意向を明らかにしました。上院案への支持を表明したわけではありませんが、税制改革に進展がみられる可能性もありそうです。来週に予定されている米上院での税制改革法案の審議に引き続き注目です。


中国株下落の背景

中国の株式市場では23日、主要な株価指数である上海総合指数が前日終値比-2.29%と、大幅に下落しました。上海と深圳(シンセン)の有力企業300銘柄で構成するCSI300指数も同-2.93%と、2016年6月以来の大幅な下落率を記録しました。

中国株の動向を巡っては、特段の材料がなかったことから前日の下げはポジション調整による一時的な動きではないかとの見方がある一方、中国債券市場の動向が株価に影響を与えたとの見方もあります。中国当局が不動産価格の高騰を受けて市中銀行への貸出金利を引き上げていることや、デレバレッジ(債務削減)方針を示し、企業への監督強化など引き締め姿勢をみせている影響もあり、中国の10年債利回りは23日、2014年10月以来となる4%台まで上昇しました。
 
ロイターの集計によれば、PBOC(中国人民銀行)は、先週8100憶元(約1200憶米ドル)の公開市場操作を実施しました。今週も1500憶元の資金を供給しています。市場では、PBOCの資金供給は流動性のひっ迫を緩和することや、国債利回りの上昇(債券価格の下落)を落ち着かせることが目的との見方があります。ただ、2016年の約1兆7000憶元のネットの資金供給に比べ、2017年はこれまでのところネットで4950憶元の資金供給にとどまっています(11月24日時点)。昨年と比べて引き締め的なスタンスとみることができそうです。

今後、PBOCの政策次第では中国の10年債利回りが一段と上昇し、中国株に下押し圧力が加わる場面もありそうです。その場合、日経平均にも下押し圧力が加わる可能性があります。また、リスク回避の観点から円高となれば、日経平均への影響が大きくなるかもしれません。今すぐに引き締め的な政策の影響が表れるとの見方は少ないようですが、PBOCの金融政策のかじ取りやその影響を受けた中国金利や中国株の動向は、リスク要因として頭の片隅に置いておく必要があるかもしれません。

(アナリスト 根岸慎太郎)

※本文中に記載する内容は主に現物株をベースとしています。

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