サラリーマンK太が行く日経225証拠金取引チャレンジ日記

投資経験のない50代サラリーマン"K太"が日経225証拠金取引に挑戦!

2018/06/14 08:28ROE②【第112回】

前回はROEの話をしましたよね。ちゃんと復習をしてくれましたか。
株主資本利益率のことでしたよね。
はい。株主資本利益率または自己資本利益率のことです。では、これは何を意味する指標でしたか。
たしか、自己資本を効率的に使って利益を出しているのか否かを判断します。日本は前期に初めてROEを10%台に乗せたのですが、欧米では10数%と日本よりも高い数字になっている、と記憶しています。
その通りです。しっかり覚えてくれていましたね。では、今日ははじめに欧米のROEの数字から見ていくことにしましょう。
お願いします。
僕がファンドマネージャーをしていた1990年代にROE革命というものが起こり、投資する際にROEの数字を意識するようになりました。当時の日本のROEは数%と本当に低かったです。
ちょっと待ってください。そもそもの質問なのですが、ROEというのは当期利益を自己資本で割って求めますよね。個々の会社であれば、当期利益や自己資本は決算書などを見ればわかるし、計算も簡単に出来ると思うのですが、国自体ないしはNYダウやFT100といったROEはどうやって求めるのですか。
良い質問ですね。わかると『へえー』という感じでROEの理解がより深まると思いますよ。
本当ですか。楽しみです。
まず、ROEの式を思い出してください。ROEは当期利益を自己資本(株主資本)で割った数字に100をかけて算出しましたよね。
それはわかります。
そこでROEを求める式の分子の当期利益と分母の株主資本を発行済み株式数でそれぞれ割ります。するとROEの式は(当期利益÷発行済み株式数)÷(株主資本÷発行済み株式数)になります。
ちょっと待ってください。なぜ発行済み株式数で割るのですか。
結論から先に言うと、分子も分母も同じ数値の発行済み株式数で割ると違う指標が現れるからです。
えっ、どういうことですか。
まず、中学時代の数学で習ったと思いますが、分子も分母も同じ数字で割れば、結果は同じ数値になりますよね。例えば、A÷BのA/Bをそれぞれ10で割っても答えは同じになります。A/10をB/10で割っても、答えはA/Bということです。
いやぁ、数学はあまり得意ではなかったので忘れていましたが、たしかにそうなりますね。
そこで、当期利益を発行済み株式数で割ると何になるのでしょうか。
あっ、それは勉強しました。一株当たり利益(=EPS)です。ちょっと待ってください。そうすると自己資本、つまり株主資本を発行済み株式数で割ると一株当り純資産(=BPS)になりますね。
K太さん、冴えていますね。その通りです。よく覚えていましたね。
はい、一株当たり利益はPERを算出する時に使うし、一株当たり純資産もPBRを算出する時に使うデータです。これらの指標は大変勉強になりましたので覚えていますよ。
感心です。さて、PERは株価÷EPS(株価/EPS)、PBRは株価÷BPS(株価/BPS)で求めましたよね。そしてROEは(EPS/BPS)となります。つまり、ROE(EPS/BPS)にPER(株価/EPS)を掛けると株価/BPSになります。

挿絵

ちょ、ちょっと待ってください。ROEにPERを掛けるとPBRになるのですか。
そういうことです。PBRをPERで割るとROEが算出されるのです。
えっ、これらの3つの指標は密接につながっているのですね。
そうなのです。ですから、マーケットのPERとPBRがわかるとROEを計算することができるのです。
へえー!びっくりだな。そういうことだったのですね。以前、日経225やNYダウのPERやPBRを考えましたが、これらがわかれば日経225はもちろんNYダウやFT100などのROEも算出することができるのですね。
はい。ちなみに、NYダウのPBRは3.92倍、PERの実績数値は18.58倍ですので、計算をするとROEは21.1%となります。
やはり、NYダウのROEは高いのですね。ということは、NYダウに採用されている企業は効率よく経営されているということですね。
DAXのPBRは1.73倍、PERは14.23倍ですのでROEは12.93%、FT100のPBRは1.87倍、PERは13.88倍ですのでROEは13.56%となります。
やっぱりヨーロッパのROEは日本よりも高いのですね。改めて、日本の10%乗せは、あくまでもスタートラインなのであって、満足をしていてはいけませんね。
では、先ほどのROE×PER=PBRの式を基にもう少し考えてみましょう。PBRが低いということは何を意味していましたか。
はい、PBRが低いのは割安に放置されている可能性があるということでした。ただ、1倍を割り込むのは会社の解散価値を割り込むことを意味しますので、基本的には経営的に気を付けないといけないということでしたよね。
この式から行くと、PBRが低いということは、ROEかPERが低いかその両方が低い時にPBRが低くなりますよね。
数式上、そうなりますね。
ですので、PBRが低くて『割安株』と考えられる時でも、ROEが低いと収益性も低いことになるので、注意をしなくてはならないことを意味します。逆に、PBRが低いのはROEが高くてPERが低い場合にあるとすれば、割安に放置されている可能性があるということにもなります。

挿絵

面白いですね。このROEとPERとPBRのうち2つの数値がわかれば、3つの数値がわかることになり、企業はもちろんその国の企業の収益性等が分析できるのですね。今の数値だとNYダウに魅力を感じます。しかし、投資の世界ではいろいろな指標を組合せて考えたりするのですね。
K太さん。出来たら、こうした指標を組み合わせて変化させながら使いこなせるようになってもらいたいですね。こういうのがスラスラと組み合わせて考えられるようになると、投資のチャンスも広がると思いますよ。
ちょっと、数式が出てきて難しかったですが、頑張って復習します。

挿絵

筆者プロフィール

プロフィール写真
川口 一晃 1960年北海道生まれ
1986年に銀行系証券会社(現・三菱UFJ証券)入社、その後、銀行系投資顧問会社(現・三菱UFJ投信)、国内投信会社(三洋投信)にて11年間ファンドマネージャーを務める。1996年にブルームバーグL.P、2000年外資系証券会社を経て、2004年にオフィスKAZ代表取締役に就任。
高知大学非常勤講師、日本FP協会社会教育委員会委員などを歴任。 テレビ・ラジオなどメディアでも活躍。投資教育の分野でも活躍。2009年投資教育を主体の劇団「コレモナニカノ円」を主宰。

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