週刊2分でわかるNYダウ

NYダウ平均株価の情報をタイムリーに、より分かりやすくお伝えするレポート

2016/10/17 15:07強気な見方優勢も調整予想多い

「アルコア16%安」

ニューヨーク株式相場は10月に入り2週連続で下落しました。上下に振れながら、週間ベースで値を下げました。

ダウは先週102ドル、もしくは0.6%下げました。終値は1万8138ドルでした。週の前半、ダウの構成銘柄であるアルミ大手のアルコアが発表した決算が予想を下回り、業績見通しを下方修正しました。アルコアの株価は16%安と急落、投資家心理が悪化しました。

S&P500は1%下落し、2132ポイントで1週間を終えました。テクノロジー銘柄の比率が高いナスダックは1.5%安の5214ポイントでした。

企業業績への懸念が最も影響しました。S&P500に採用されている企業の業績は6四半期連続で低迷しています。第3四半期の決算、そして10月からの第4四半期の業績への期待が萎みつつあります

ドル高も懸念材料。ドル指数が高水準で推移しています。海外での売上高が大きい企業への業績への影響が不安視されています。さらに、中国の貿易統計で輸出が10%落ち込み、中国リスクへの懸念が再燃しました。

「決算とFRB副議長」

今週のニューヨーク株式市場の最大の関心は企業決算です。月曜日はバンク・オブ・アメリカやIBM、火曜日はゴールドマン・サックスやインテル、水曜日はアメリカン・エキスプレスやモルガン・スタンレー、木曜日はベライゾンやマイクロソフト、そして金曜日はマクドナルド、GEやハネウェルが決算を発表します。

米東部時間の月曜日正午にニューヨークのエコノミック・クラブで予定されているFRBのフィシャー副議長の講演も注目されています。フィシャー氏は、早期利上げを主張するタカ派とされています。元ファンドマネジャーで、CNBCの人気コメンテーターのジム・クレイマー氏は、フィシャー副議長の発言が株価を押し下げる可能性があると警告しています。

19日水曜日夜には、ラスベガスのネバダ大学でアメリカ大統領選の有力候補による最後のテレビ討論会が実施されます。「トランプ氏にわいせつ行為を受けた」と主張する女性が先週だけで8人現れました。過去の出来事であり事実かどうかを証明するのは不可能とされています。しかし、共和党候補のドナルド・トランプ氏への打撃は大きく、信頼回復は無理ではないかとみられます。

民主党候補のヒラリー・クリントン氏も過去に削除した都合の悪いメールが連日公開されています。万全とは言えませんが、優勢な状況は変わらない可能性が高いです。NBCとThe Wall Street Journalの最新の世論調査では、クリントン氏の支持率が11ポイント上回っています

討論会後にクリントン氏が一段と優勢になれば、マーケット全体に安心感が広がると予想されます。同時に、バイオ関連銘柄や医薬品株の一部、さらには金融大手が売られる可能性があります。クリントン氏の発言に注目が集まっています。

「ブルとベア」

歴史的に10月後半に株価が大きく崩れた例が多く、HSBCのストラテジストが先週、「クラッシュが近い」と警告しました。シティグループのストラテジストもブラック・マンデーがあった1987年と状況が類似していると顧客に警鐘を鳴らしました。

反面、ブル(強気)な見方もあります。Barron’sの最新号の巻頭記事は、大手の資産運用者の多くが、来年にかけてダウが上昇すると予想しているというものでした。調査で、来年の半ばにかけて非常に強い相場が続くと予想したマネー・マネジャーが45%いたとしています。春の調査時は38%でした。

強気派の平均予想は、ダウが来年6月までに1万9184ドル、12月は1万9687ドルまで上昇するという結果でした。反面、弱気派のダウ平均予想は、来年6月が1万7114ドル、来年12月は1万7168ドル。全体の平均は9%上昇でした。

ちなみにマネー・マネジャーの来年半ばのニューヨーク原油相場の平均予想は52ドル08セント。現在の水準よりわずかに上の水準をみています。金相場予想は1342ドルでした。現在の水準と比べ約7%高い水準です。

調査で興味深かったのは、「10%以上のコレクション(調整もしくは下落)があると思うか」の質問に対し、90%のマネー・マネジャーが「ある可能性が高い」もしくは「ありそうだ」と答えました。
 
[October 17, 2016 NY 020] 

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

バックナンバー

  • 2018/08/20 09:57ブル相場いつまで「S&P500、最高値迫る」トルコ通貨危機の影響が懸念されましたが、先週のニューヨーク株式相場は堅調でした。ダウは356ポイント、率にして1.41%上昇しました…
  • 2018/08/13 10:09トルコ通貨危機、どう影響するか「アジア通貨危機との違い」トルコの通貨リラは10日の欧米マーケットで急落。トルコに多額の融資をしているヨーロッパの大手銀行株は軒並み売られました。株安がニューヨ…
  • 2018/08/06 09:40貿易戦争と中国ビジネス「1兆ドル企業」ホワイトハウスが中国からの輸入品に25%の関税を賦課することを検討しています。当初発表の10%から25%へ引き上げた形。先週は中国での売上高が大…
  • 2018/07/30 09:37IT株と上昇相場「フェイスブック」先週のニューヨーク株式マーケットは、3つの主要な株式指数が異なる動きを示しました。アメリカの各産業を代表する30社で構成されるダウは、週間ベー…
  • 2018/07/23 09:46こう着相場、貿易戦争と決算「動かない相場」ニューヨーク株式相場がこう着しています。米中、米EUの貿易をめぐる摩擦に対する懸念。アメリカの主要企業の強い決算が綱引きをする展開と指摘されてい…

「週刊2分でわかるNYダウ」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

株価指数CFDをご検討の方へ マネースクエアはあなたの資産運用のパートナーとして、革新的なアイデアを提供し続けます。
各種取引ツール M2J株価指数CFDでご利用いただく取引ツールについてご案内します。 各種トレードツール
ページトップへ