週刊2分でわかるNYダウ

NYダウ平均株価の情報をタイムリーに、より分かりやすくお伝えするレポート

2019/04/15 09:23最速の世界株高、いつまで続く

「動意薄も高値に迫る」

現代演劇に大きな影響を与えたベケットの戯曲『en attendant Godot(ゴドーを待ちながら)』。先週のニューヨーク株式マーケットのダウ指数の動きは戯曲のようだったとバロンズが伝えました。ほとんど何も起こらなかった。

S&P500は先週0.51%上昇し、最高値に迫りました。ナスダックは0.57%高でした。しかし、ダウは12ポイント、率にして0.05%下げました。

米中の貿易協議が順調に進んでいるとのポジティブなニュース。EU製品に関税を発動する可能性を示唆したトランプ大統領のツイートはネガティブなニュースでした。株価を動かすニュースがあったにもかかわらず、ダウはほぼ横ばいで1週間の取引を終えました。

「個人とプロの投資家が損をしないように動いている」「何かを待っているが、何を待っているかわからない」とウェルズファーゴのストラテジストがバロンズにコメントしました。「株価が上昇したが、次にどう展開するか自信が持てない」との見方をバロンズが伝えました。

「決算シーズン」

今週のニューヨーク株式マーケットでは、本格化する決算発表が最大の材料です。

月曜日はゴールドマンサックス、シティグループなどが四半期決算の発表を予定しています。注目は火曜日。IBM、ジョンソン&ジョンソン、ネットフリックス、鉄道大手CSX、航空大手ユナイテッド・コンチネンタルが決算を発表します。水曜日はペプシコ、モルガンスタンレー、アルコアなど。そして木曜日はアメリカンエキスプレス、ブラックストーン、スナップチャットなどが決算発表を予定しています。

19日金曜日はイースターにからむ「グッドフライデー」。連邦祝日ではありませんが、ニューヨーク株式マーケットは休場です。

月曜日発表のニューヨーク連銀の製造業景気指数、木曜日に発表される小売売上高とフィラデルフィア連銀の製造業景気指数が株価に影響する可能性があります。アメリカ経済のファンダメンタルズへの関心は引き続き高い。17日にはFRBが地区連銀経済報告(ベージュブック)を公表します。

「世界同時株高」

ウォールストリートジャーナルは週末、世界経済の成長が鈍化するとの見通しが相次いでいるにもかかわらず、世界の株価指数が過去何十年かで最速のペースで上昇していると報じました。世界の中央銀行が相当期間に渡り政策金利を据え置く方針を示唆していることが背景だと解説しました。

ファンドマネージャーらが指標にしているアメリカの株価指数S&P500は年初から15%上昇しました。ヨーロッパ17カ国の上位600社で構成されるSTOXX600も15%高。新興国の株式相場は14%上昇。上海の総合株価指数は年初から28%上がりました。

いまのペースで株価上昇が続けば、2019年の世界の株価の上昇率が過去最大になるとバンク・オブ・アメリカが分析しています。ただ、世界経済のいまのペースでの減速が続いた場合は株価が下振れすると一部の投資家が慎重だとウォールストリートジャーナルが伝えました。

世界経済に大きな影響を与える米中貿易協議、決算発表時に示されるアメリカの主要企業の業績予想とCEOらの見通しに株価が一段と敏感になる可能性があります。

 [April 14, 2019 NY 147]  

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【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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