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2019/04/01 10:56悪材料でも株価堅調、この先は

「S&P、1998年来の上昇率」

2019年第1四半期(1-3月)が終わりました。ニューヨーク株式相場は年初こそ不安定でしたが、強いパフォーマンスを示しました。

ダウは先週426ポイント、率にして1.67%上昇。S&P500は週間ベースで1.20%高、ナスダックは1.13%上げました。いずれも堅調でした。

四半期ベースでは記録的。ダウは11.2%高、2013年以来の上昇率でした。幅広い銘柄、業種の株価指数であるS&P500は13.1%と、1998年以来の高い上昇率を記録しました。

先週発表された個人所得と個人支出はいずれも弱かった。FRBが重視している個人消費支出物価指数は前年同月比で1.8%。予想に届かず、FRB目標の2%を下回りました。主要企業の多くが減益を予想するなど、株式マーケットを取り巻く環境は悪化傾向。それにもかかわらず、2019年の株式相場は過去20年で最も強いスタートを切りました。

経済の先行きを楽観しているようにみえる株式マーケットと対象的に、債券トレーダーはアメリカ経済がリセッション(景気後退)入りする可能性があると予想しています。長期金利の指標である米10年国債の利回りが米3ヵ月物財務省証券(Tビル)利回りを下回る長短逆転、いわゆる「逆イールド」が発生しました。「景気低迷」のサインとされ、経験的には約1年後に景気後退しています。

債券マーケットと同様に、金先物相場も景気低迷を示唆しています。伝統的に景気悪化時に買われる傾向がある金は先週、大幅に上昇しました。

どちらが正しいのか。今の段階で判断するのは困難。国内外の政治、金融政策、企業業績次第と言えそうです。

「米中と雇用統計」

先週のニューヨーク株式マーケットを支えた要因の一つに米中貿易協議への進展期待があります。ライトハイザーUSTR代表とムニューシン財務長官が訪中し、閣僚級協議がおよそ1カ月ぶりに再開しました。今週後半、中国の劉鶴副首相がワシントンを訪問します。

米中双方から「建設的な話し合い」「進んだ」などとするポジティブな声明が出されています。一方で、知的財産権や協定の履行のやり方をめぐる複数の対立点が残っているとされています。米中貿易協議をめぐる米中政府からの発言、声明が今週の株式相場に影響することが予想されます。

アメリカ経済の行方を探る上で、今週発表される製造業および非製造業関連の一連のデータ、金曜日の雇用統計が材料になる可能性があります。特に、2月の雇用統計が非常に弱かったことで、雇用増のトレンドが継続しているか注視されています。

「FRBの金融政策」

米中協議と並び今週の株式相場に影響しそうなのがFRBの金融政策をめぐる観測です。FRBが3月会合で経済見通しを下方修正、年内の利上げを見送ることを示唆しました。投資家の間では、FRBが利下げに転じると見方が強まり、株式相場を押し上げる要因の一つになっています。

今週水曜日はミネアポリス連銀のカシュカリ総裁、木曜日にはクリーブランド連銀のメスター総裁。そして、水曜日と金曜日はアトランタ連銀のボスティク総裁が講演、もしくは発言する機会があります。米国債利回りに影響、それを受けて株式相場が動く可能性があります。

CNBCが四半期ごとに実施しているウォール街の有力アナリストを対象にした最新の調査では、依然として強気な見方が優勢であることがわかりました。

アナリスト17人のS&P500の2019年末予想の中央値と平均値はいずれも2950でした。先週末の終値より100ポイント超高い水準。最も強気だったのはドイツ銀行のアナリストで3250。最も弱気はモルガンスタンレーとバークレイズのアナリストで2750でした。

 [March 31, 2019 NY 145]   

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【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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