週刊2分でわかるNYダウ

NYダウ平均株価の情報をタイムリーに、より分かりやすくお伝えするレポート

2016/09/12 15:31動き出した米株、さらに変動も

「Brexit以来」

ニューヨーク株式相場が大きく動きました。ほとんどの投資家が望まない方向に。

先週9日金曜日のニューヨーク株式相場は急落しました。下落率は、Brexit(イギリスのEU離脱)を決めた英国民投票後に金融市場が混乱して以来の大きさ。8月は「夏枯れ」と言われるほど膠着相場が続き、売買高が低迷しました。9日は商いを伴って急落しました。

ダウは400ドル近く下落、下落率は2.13%に達しました。ファンドマネジャーの指標となっているS&P500は2.45%下落、約2カ月ぶりの安値をつけました。iPhone7のアナリスト評価が低かったアップルの下げも影響してナスダックは2.54%安と急落しました。3つの主要株価指数は、週間ベースでそれぞれ2%超下げました。

ボストン地区連銀のローゼングレン総裁の演説がきっかけでした。ローゼングレン総裁は、FRBが利上げ時期を逃すリスクがあり、早期に利上げすべきだとの見方を示しました。弱めの経済指標の発表が相次ぐ中、早期利上げを示唆する発言に敏感に反応しました。

「注目はブレイナード理事」

今週の最大の注目は、12日に予定されている3人のFRB幹部の講演です。アトランタ地区連銀のロックハート総裁、ミネアポリス地区連銀のカシュカリ総裁、そして、ブレイナードFRB理事が講演します。特に、イエレン議長に近いとされるハト派のブレイナードFRB理事の発言に注目が集まっています。

13日以降は、FOMCまで1週間を切るため、発言が控えられる「ブラックアウト期間」に入ります。このため、経済指標への注目度が増す見込みです。

15日発表の小売売上高、鉱工業生産、ニューヨーク連銀とフィラデルフィア地区連銀の景気指標、それに新規失業保険申請件数が材料になると予想されます。16日の消費者物価指数とミシガン大学消費者信頼感指数も材料視されています。

目立った決算発表はなく、FRBの金融政策をめぐる観測、思惑、それを受けた米国債利回りの動向がニューヨーク株式相場に大きく影響すると指摘されています。ヨーロッパの株式相場は、ニューヨーク相場を睨んだ展開になると予想されます。

「9月は株安の月」とされていること、ダウとS&P500がいずれも50日移動平均を下回ったことで、9月利上げ観測が広がれば、一段安になる可能性があるとの見方があります。

アメリカの大統領選の行方が不透明なことも、荒い相場展開が続くとの見方の背景にあります。UBSのストラテジストは、「7年半続くブル(強気)相場が終わるとは思わないが、今後2、3カ月はボラティリティが高くなりそうだ」とCNBCにコメントしました。

「9月にサプライズ?」

Barron’sの最新号に「September Surprise?(9月にサプライズ?)」と題するコラムが掲載されました。「9月利上げはない」との見方が優勢な中、「利上げがある」との見方を紹介しました。

今月2日に発表されたアメリカの8月の雇用統計は重視される非農業部門の雇用者数が15万1000人にとどまりました。ジーンズ・トレーディングのストラテジストは、FRBのイエレン議長とニューヨーク連銀のダドリー総裁の発言などから「10万人増、もしくは20万人増に満たなくても労働市場の堅調さが確認できれば利上げが可能だ」と主張しました。

ストラテジストは、年初の不安定相場、6月のイギリスの国民投票によりFRBが利上げのタイミングを逃してきたが、「9月の会合で利上げを見送るとは考えられない」と述べています。

 [September 12, 2016 NY 015] 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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