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2016/08/29 15:34動き出したNY株、変動の9月

「Brexit以降で最悪」

ニューヨーク株式市場では先週、FRBのイエレン議長の演説を金曜日に控え、早期利上げをめぐる思惑が錯綜しました。注目された演説でイエレン議長が年内利上げの可能性が高いことを示唆したことで、下げに転じました。

アメリカを代表する優良銘柄30の指数であるダウは53ドルもしくは0.3%下落しました。週間ベースでは0.8%下げました。そして、S&P500の1週間の下落率は0.8%、ナスダックは0.4%でした。ダウとS&Pは2週連続の下落。下落率は、Brexit(イギリスのEU離脱)を決めた国民投票の翌日6月24日以来の大きさでした。およそ1カ月に渡る膠着した相場が、ようやく動き出しました。

セクター別では、電力など公共株の下げが目立ちました。公共株は、低金利が長期間続くとの観測を背景に年初から高く推移していました。公共セクターは26日金曜日だけで2.1%下げました。株式市場の投資家が、早期利上げがあるとの見方に変わったことを示した形です。

「雇用統計に注目」

アメリカでは、9月第1月曜日のレーバーデー(日本の勤労感謝の日に相当)までを「夏」と呼びます。今週は「夏の最終週」となります。

イエレン議長、フィッシャー副議長、そしてニューヨーク連銀のダドリー総裁らFRB幹部が、年内利上げの可能性を示唆しました。イエレン議長は利上げ時期に言及しませんでしたが、後者2人は早ければ9月にも利上げの可能性があることを示唆しました。ただ、アトランタ地区連銀のロックハート総裁とセントルイス地区連銀のブラード総裁はいずれも、年内2回の利上げはないとの見方をThe Wall Street Journalの週末のインタービューで示しました。まだFRB内の見解が分かれています

こうした中で今週の2日金曜日に発表されるアメリカの8月の雇用統計に注目が集まっています。重視される非農業部門の雇用者数が16万〜18万人増えるというのが予想です。20万人を上回れば9月利上げの見方が一段と広がり、米国債利回りが上昇、米ドル高、株価が下落すると予想されます。

今週はまた、ボストン、シカゴ、クリーブランド、リッチモンドの地区連銀総裁がそれぞれ演説を予定していて相場に影響しそうです。

セールスフォースとブロードコムが今週決算ですが、それら以外は注目される発表はありません。

「9月相場」

Barron”s の最新号の巻頭記事は「高配当株ベスト10」でした。単純に配当が高いだけではなく、株価や業績見通しを比較した上で、JPモルガン・チェース、ベライゾン、ターゲット、メットライフなどに投資妙味があると伝えました。

Barron’sはまた、2007−2008年の金融危機後、FRBのバーナンキ議長(当時)のジャクソンホールでの演説で量的緩和を示唆したことで株価が大幅に上がったことなどを紹介しました。それ以来、ジャクソンホールでの夏の経済シンポジウムがサーカスのようにマーケットの「見せ物」になっているとしています。

今年のジャクソンホールが終わり、9月20−21日に開かれるFOMCへの注目が一段強まりました。Barron’sは、FOMCの直ぐ後の9月26日に、大統領候補による1回目のテレビ討論会があると指摘。それまでに、選挙戦で様々なことがありそうだと解説しました。

Barron’sはまた、歴史的に9月は株式相場が大きく変動する傾向があるとしています。1873年、大恐慌の1929年(10月ですがその前に株価が崩れました)、1978年、1979年、1989年、LTCMが破綻した1998年、そして2008年のリーマン・ショックがいずれも9月に起きていると伝えました。
 
 [August 29, 2016 NY 013] 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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