週刊2分でわかるNYダウ

NYダウ平均株価の情報をタイムリーに、より分かりやすくお伝えするレポート

2018/05/21 10:29ラッセル2000最高値、どう読む

「決算終わる」


ニューヨーク株式マーケットでは、四半期決算の発表がほぼ終わり、投資家の関心は、政治、経済のファンダメンタルズ、そして金利の動向に移りました。


最近の経済指標はまちまち。経済見通しを大きく修正させるデータはありません。政治をめぐっては、国内政治より外交や通商問題が注目されていますが、先週は北朝鮮問題、中東情勢、そして中国との貿易をめぐる協議で新たな展開に欠けました。


株式マーケットが注目したのは金利。長期金利の指標である米10年債利回りが一時3.12%まで上昇しました。前の週は3%を割っていましたが、上昇基調が鮮明になりました。先週は3.07%近辺で1週間の取引を終えました。


米10年債利回りの上昇が影響し、ダウは先週116ポイント(0.47%)下げました。S&P500は0.54%安、ナスダックは0.66%下げました。一週間の株価変動率は約1.5%。全体的に静かな1週間でした。


トランプ大統領がイラン核合意からの離脱を決めた影響で、原油相場が大幅に上昇しました。これを受け石油大手などエネルギー株が堅調でした。反面、コスト増、インフレ懸念が影響して消費関連株が軟調でした。


「引き続き利回りを注視」


今週のニューヨーク株式マーケットは、引き続き米10年債利回りに敏感な展開が予想されます。経済指標の発表は薄め。メモリアルデーが絡む3連休を控え、週後半は売買が低調になる可能性があります。


金利上昇が材料になる中、FRBのパウエル議長はスウェーデンのイベントに出席、発言する機会があります。ニューヨーク連銀のダドリー総裁やフィラデルフィア地区連銀のハーカー総裁ら複数のFRB幹部も講演などを予定しています。23日には、FRBが前回の会合(FOMC)の議事録を公表、注目です。


利回り、あるいは金利の上昇は、株価にネガティブに影響する傾向があります。2月の株価急落の背景は、米10年債利回りが3%に近づいたことでした。先週、利回りは3%台に乗せましたが、これまでのところ株価への影響は限定的です。


利回りの上昇ペースが緩やかで、3.5%までの上昇であれば株価への影響は少ないとの見方が複数あります。一方で、上昇ペースが急激な場合、たとえば4.0%に迫る場合は、株価急落につながるとの指摘も少なくありません。


「ラッセル2000」


先週のニューヨーク株式マーケットでは、ダウをはじめ3つの主要株価指数がいずれも下落しました。しかし、小型株の指数であるラッセル2000は上昇、最高値で1週間の取引を終えました。


今年2月8日の安値から69の取引日がありましたが、ダウ、S&P500、ナスダックは最高値を更新していません。


バロンズによると、ラッセル2000の最高値更新について、大型株の上昇の影響がようやく小型株に及んだという強気な見方が一部あります。リスク選好が広がった兆しとの楽観的な見方です。


小型株は金利の動向に敏感だとされています。米10年債利回りが3%台で推移する中で最高値を更新したラッセル2000。金利動向と合わせ、ウォール街は今週の動向を注目しています。


 [May 21, 2018 NY 101] 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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