週刊2分でわかるNYダウ

NYダウ平均株価の情報をタイムリーに、より分かりやすくお伝えするレポート

2018/05/07 09:45ワイルドな1週間、不安定相場続く

「米中摩擦と決算」


日本がゴールデンウィークだった先週、ニューヨーク株式相場は大きく揺れました。大幅安と大幅高を繰り返しました。


ムニューシン財務長官、ロス商務長官、ライトハイザー通商代表、そして、国家経済会議のクドロー委員長らが先週北京を訪れ、中国政府と貿易問題をめぐり交渉しました。トランプ政権の訪中団が、対米貿易黒字を2020年までに半減することなどを求めましたが、中国側は応じなかったようです。


交渉を継続することで合意しましたが、事実上物別れに終わりました。トランプ大統領は、5日に訪中団をホワイトハウスに招き、今後の方針を話し合いました。トランプ大統領のツイッターへの投稿やホワイトハウスの発表は、貿易摩擦問題が長期化、貿易戦争へ発展する可能性を示唆しています。


米中の貿易摩擦はニューヨーク株式相場の重石になっています。3日の取引でダウは一時400ポイント近く下げました。ただその後は下げをほぼ消し、4日金曜日は大幅に上げました。


企業決算、米国債利回りとFRBの利上げペースをめぐる思惑や観測などを背景に、ニューヨーク株式相場は乱高下しました。注目された4月の雇用統計は、雇用者数が市場予想を下回ったものの、失業率は3.9%に低下しました。賃金の伸びの鈍さが材料視されました。


ダウは先週1週間で48ポイント(0.20%)下げました。S&P500は0.24%安。テクノロジー株は堅調で、ナスダックは1.26%高で1週間の取引を終えました。アップルの決算が予想ほど悪くなかったことが好感されました。


「中東情勢と貿易摩擦」


決算はピークを過ぎました。四半期決算を発表した企業の90%がアナリストの予想を上回りました。


今週は、中東情勢と中国との貿易摩擦が株価を動かすとみられます。


中東では2つの緊張があります。シリア内戦をめぐる米ロの対立が1つ。もう1つはイランとサウジアラビアの対立です。イラン核合意をめぐり、アメリカのトランプ政権が12日までに合意を破棄するか決断する見込みです。中東情勢の緊張で原油価格が上昇すれば、株式相場に影響する可能性があります。


中国との貿易摩擦をめぐっては、トランプ政権が強硬な政策を発表する可能性があります。11月の中間選挙をにらみ、トランプ大統領がどう動くか。ウォール街が注視しています。


米国債利回りも引き続き株価に影響しそうです。先週は米10年債利回りが3%を下回って推移しましたが、今週はどう動くか。


スティフェルのストラテジストはバロンズに対し、9月末までに米10年債利回りが低下する一方で、米ドルは上昇すると予想。株価は現在の水準から5%程度下がるだろうとコメントしました。株式相場の大幅な変動は当面続くとみています。


「バフェット氏無しのバークシャー・ハサウェイ」


「投資の神様」と呼ばれるウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハサウェイが5日、ネブラスカ州オマハで定例株主総会を開催。世界各国から4万人の株主が出席しました。中国本土からの株主が目立ったそうです。


株主総会では、相変わらずバフェット氏の発言やパフォーマンスが話題になりましたが、今回は特にバフェット氏の後継問題も一段と脚光を浴びました。


1月に昇格したグレッグ・アベル副会長とアジット・ジェイン副会長。60あるバークシャー・ハサウェイのグループ企業は、いずれも会長のバフェット氏ではなく、いずれかの副会長の傘下に入りました。ウォールストリートジャーナルは、「バフェット氏が自分無しのバークシャー・ハサウェイの姿を描いた」と伝えました。


先週は、バークシャー・ハサウェイがアップルの第3位の株主になったことも話題になりました。今後、2人の副会長が主導してテクノロジー企業への投資をどうするか。投資額が大きいだけに、ウォール街の注目が集まっています。


[May 07, 2018 NY 099] 
 

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

バックナンバー

  • 2018/10/15 09:31急落後はどう動くか。モメンタム株は戻るか「週間下落率4%」ニューヨーク株式相場が先週、大きく動きました。主要な株価指数であるダウが10日の取引で800ポイント超下落。世界同時株安の発端となりました。翌…
  • 2018/10/09 10:39米国債利回りにらむ相場「ダウ上昇も上値重い」週明け8日のニューヨーク株式マーケットは、コロンブスデーで薄商いの中、売りが先行しました。中国経済の減速懸念から人民元と上海株式相場が下落…
  • 2018/10/01 09:59ウォール街が予想する米中間選挙「対中関税とFRB」ニューヨーク株式マーケットでは先週、貿易問題と金融政策が2大テーマでした。トランプ政権は24日に中国からの輸入品目2000億米ドル相当に10…
  • 2018/09/25 10:12貿易問題と司法副長官めぐる不透明感「中国関連株が軟調」週明け24日のニューヨーク株式相場は下落しました。下げの背景は2つ。米中貿易戦争への懸念。そして、ローゼンスタイン司法副長官の解任騒動が株価…
  • 2018/09/18 10:34米中貿易戦争が重い「ナスダックの下げ大きい」ニューヨーク株式相場は今週、安く始まりました。トランプ大統領が中国に対する制裁を近く発表することを示唆したことが影響しました。「中国の…

「週刊2分でわかるNYダウ」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

株価指数CFDをご検討の方へ マネースクエアはあなたの資産運用のパートナーとして、革新的なアイデアを提供し続けます。
各種取引ツール M2J株価指数CFDでご利用いただく取引ツールについてご案内します。 各種トレードツール
ページトップへ