週刊2分でわかるNYダウ

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2018/04/09 09:04トランプ・リスクに揺れる

「米中貿易摩擦と雇用統計」


ニューヨーク株式相場は先週木曜日まで3日続伸しました。しかし、木曜の取引終了後のニュースで心理は急変しました。


「トランプ大統領が1000億米ドル(約10兆7000億円)相当の中国製品に対し追加関税を検討するようスタッフに要請した」と報じられました。トランプ大統領は「中国は不正をただすどころか、アメリカの農家や製造業者に損害を与えることを選択した」と述べました。


米中貿易摩擦が「貿易戦争」に発展するとの恐怖が広がりました。ニューヨーク株式マーケットの6日の取引でダウは572ポイント下落。弱い雇用統計も株安に寄与しました。FRBのパウエル議長は「緩やかな利上げ」の考えを示しましたが、投資家の心理が好転することはありませんでした。


ダウは先週1週間で170ポイント(0.71%)下げました。1月につけた終値の高値から10.1%下げた計算です。S&P500は週間ベースで1.38%安、ナスダックは2.10%下げました。3つの主要な株価指数は、過去4週間のうち3週で下げたことになります。


「貿易問題と決算」


今週のニューヨーク株式マーケットは、引き続き通商問題が相場に影響しそうです。


貿易をめぐっては2つの重大イベントがあります。まずは北米自由貿易協定(NAFTA)の見直し交渉。トランプ大統領は、メキシコのペニャニエト大統領とカナダのトルドー首相と週末にペルーで会談する予定。注目です。


10日火曜日には、中国の習近平国家主席の演説が予定されています。アメリカとの貿易摩擦に触れるかどうか。中国政府は、アメリカの制裁関税に対抗していく考えを明確にしています。


決算も、今週のニューヨーク株式相場に影響しそうです。シティグループ、JPモルガンチェース、ウェルズファーゴ、PNCファイナンシャル・サービス・グループ、ブラックロックなど金融大手が今週後半に四半期決算の発表を予定しています。


バロンズは、企業業績への期待値が高く、決算が十分に強くなければ、株価に影響するとのアナリストの見方を紹介しました。


経済指標では、10日の生産者物価指数、11日の消費者物価指数が注目。11日にはFOMCの議事録が公表されます。ボストン地区連銀のローゼングレン総裁とセントルイス地区連銀のブラード総裁が13日に講演を予定しています。


「シリア内戦」


シリア内戦で週末に大きな動きがありました。アサド政権が8日、ダマスカス近郊のグータ地区を攻撃、少なくとも42人が死亡、多数の負傷者が出ています。前日の攻撃と合わせ死者数が100人以上に達したとの報道もあります。負傷者の症状から化学兵器が使用されたとされています。


トランプ大統領は相次いでツイッターに投稿。「愚かな化学兵器による攻撃で女性や子どもを含む多数が死亡した」と指摘、シリアのアサド大統領を「動物」と呼び、非難しました。「大きな代償を払ってもらう」と強調。アサド政権を支援するロシアの責任問題にも言及しました。


週末のアメリカの主要メディアは、シリアのアサド政権が化学兵器を使用した疑いが濃厚だとトップ級で伝えました。トランプ大統領の厳しい反応も詳しく報道。


ロシアとの緊張が一段と高まることも予想されます。地政学リスクがニューヨーク株式相場に影響することも予想されます。


[April 09, 2018 NY 095] 
 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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