週刊2分でわかるNYダウ

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2018/03/12 08:5110年目に入ったNYブル相場

「雇用統計に強い反応」


先週のニューヨーク株式相場は高値引けしました。特に9日金曜日の上げが目立ちました。


9日に発表されたアメリカの2月の雇用統計は、ウォール街にとって好ましい結果でした。雇用が予想を大幅に上回って増えた一方、賃金の伸びは鈍化しました。強弱感が入り混じり、マクロ経済的には決して好ましいとは言えません。しかし、インフレ上昇が加速し、FRBが利上げペースを速めることを警戒していた投資家には願ってもない雇用統計でした。


バロンズによると、1998年以降の強い雇用統計後の株式相場では、株価は高く始まるものの、当日の終盤までに上げ幅をほとんど消すというのが典型的なパターンでした。しかし、先週は違いました。取引終了にかけて上げ幅を拡大、その日の高値で取引を終えました。


ダウは先週、3.25%上昇。S&P500は3.54%上げました。テクノロジー株を多く含み、公共株や生活必需品株が含まれないナスダックは4.17%上昇。過去最高値を更新しました。


ナスダックは2月に12%超上昇しました。大型株の指数であるダウ、金融株の寄与度が高いS&P500は最高値に届いていません。ナスダックを追うかどうかが今後の注目です。


S&P500は最高値で年末を迎えるとウエルズ・ファーゴのストラテジストは予想しています。ただ、右肩上がりではなく、激しい変動を経て最高値に達するとみています。


2009年3月9日。S&P500は676ポイントで取引を終えました。金融危機後の安値。これ以降、ブル(強気)相場が9年続き、S&P500は4倍になりました。金曜日の株価の勢いは、10年目に入ったブル相場に上昇余地があることを示唆したとの見方があります。


「インフレに注目」


雇用統計を受けインフレ警戒感が後退しました。しかし、今週も引き続きインフレ関連指標は注目を集めそうです。


13日に2月の消費者物価指数、翌14日に生産者物価指数が発表されます。弱ければ、FRBが利上げピッチを速めることがなさそうとの安堵感が広がり、ポジティブに反応する可能性があります。反対に、予想以上に強ければ警戒感から株価がネガティブに反応するとみられます。合わせて14日発表の2月の小売売上高も材料になりそうです。


決算発表は薄め。最も注目を集めそうなのが金曜日に発表される高級宝飾品のティファニー。2017年の年末商戦は堅調でしたが、2018年の業績見通しが株価に影響しそうです。


先週は、ホワイトハウスの国家経済会議のゲーリー・コーン委員長の辞任で株価が一時軟化しました。鉄鋼とアルミニウムの輸入関税賦課からカナダとメキシコがひとまず除外されたことで安堵感が広がりました。ただ、通商製造業政策局のナバロ局長やロス商務長官ら保護貿易派の影響力が強まっています。


今週は、EUや中国が「トランプ関税」に対する報復措置に一段と傾く可能性があります。そうなれば、トランプ大統領は保護貿易色をさらに強めるかもしれません。トランプ大統領と主要な貿易相手国の対応が株価に影響する可能性があります。


「警告も」


1990年代後半から2000年代初めのドットコムブームでテクノロジー企業に世界最大の投資をしたスロイ・ダール&ホルストの投資最高責任者が、株価の調整がいつ起こってもおかしくないと警告しています。


ファンドマネジャーのポール・ミーク氏はCNBCのインタビューに対し、FANGs(フェイスブック、アマゾン、ネットフリックス、グーグルの親会社のアルファベット)のバリュエーションは高くなりすぎたとコメント。10〜20%程度の調整の可能生があると予想しました。


[March 12, 2018 NY 091] 
 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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