週刊2分でわかるNYダウ

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2016/07/04 16:08ウォール街の関心はアメリカへ

「3%高」

ニューヨーク株式相場は、先週28日火曜日から1日金曜日までの4日間で、EU離脱を決めたイギリスの国民投票後の下げのほとんどを消しました。

ダウは、先週一週間で549ドル、率にして約3%上昇しました。S&P500は3%高、ナスダックは3.3%上昇しました。国民投票直後の2日間は「株を売りまくる」というムードでしたが、「状況を見守る」ムードに変わりました。上昇基調に変わったというより、様子見に戻ったという感じです。

国民投票後に変化したことがあります。イングランド銀行のカーニー総裁が非常にハト派的な発言をして、早ければ7月中にも利下げすることを示唆しました。ECBも追加緩和するとみられています。そして、エコノミストの多くが、アメリカのFRBの年内利上げがなくなったと考えています。中央銀行が緩和方向に傾いたことが株式の買い戻しにつながりました。

「第3四半期相場入り」

先週金曜日、第3四半期(7−9月)に入りました。ただ、1日金曜日はアメリカの独立記念日が絡む3連休を控えていたため、売買高が極めて低調でした。方向性が出ませんでした。

連休明けの5日火曜日から第3四半期相場が本格的にスタートします。最大の注目は8日発表のアメリカの6月の雇用統計。5月分の統計では、重視される非農業部門の雇用者数の増加数が3万8000人にとどまりました。例外的に弱かったとみられていて、6月は18万人増程度に戻ると予想されています。

FRBのイエレン議長らFRB幹部の最近の発言などから、雇用統計が予想通り堅調な内容になっても利上げ観測が広がることはなさそうです。CNBCは、トレーダーはアメリカの雇用市場が弱くなっていないかどうかを確認したがっていると伝えました。再び弱い内容になれば、景気懸念で相場が軟調になる可能性があります。

来週はこのほか、6日公表のFOMC議事要旨、通常より1日遅れて発表される7日のADP全米雇用報告にウォール街が注目しています。また、ニューヨーク連銀のダドリー総裁が5日午後に講演を予定していて、株式市場で材料になる可能性があります。

イギリスの国民投票後に辞意を表明したキャメロン首相の後任選びが混沌としています。ただ、選出は9月はじめになり、第3四半期の終盤にBrexit問題で再び相場が変動することも予想されます。

CNBCは、今週から当面、投資家の関心がBrexit問題からアメリカ国内に移りそうだと伝えました。

「党大会」

アメリカの共和党の党大会が7月18日からオハイオ州クリーブランドで開催されます。正副大統領候補が選出されます。大統領候補に指名されることが確実視されているドナルド・トランプ氏の支持率がこのところ低下しています。誰を副大統領に指名するかが、支持率回復の重要な鍵とみられています。

1週間遅れて民主党大会が7月25日からフィラデルフィアで開かれます。ヒラリー・クリントン前国務長官が大統領候補に正式指名されることが確実です。こちらも副大統領指名が注目。また、候補者選びで善戦したバーニー・サンダース氏の動向もクリントン氏の支持率に影響する可能性があります。

LPLフィナンシャルのストラテジストは、党大会後にトランプ氏が支持を回復した場合、株式相場がネガティブになるだろうとCNBCにコメントしました。株式市場が「クリントン大統領」を織り込んでいるとの見方。2人の大統領候補の支持率がきっ抗した状態になれば、ボラティリティが高まる可能性があります。

今年11月8日の大統領選の日には、連邦議会の上院の3分の1、下院全議席の選挙も同時に実施されます。Barron’sは、4日付けの最新号の巻頭記事の中で、共和党が議会のコントロールを失うかもしれないと伝えました。共和党が上院で過半数を失う可能性があり、下院では過半数は確保するが、大幅に議席を減らす可能性があるとしています。

オバマ大統領は民主党、議会は共和党というのが今の構図。その構図が変われば、アメリカの貿易、外交などの政策の方向が修正されることが予想されます。大統領選と合わせ、議会選挙の行方をウォール街が注視しています。

[July 04, 2016 NY 005]

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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