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2018/01/29 08:53弱いドルと株式相場

「最高値」


ニューヨーク株式相場の勢いが止まりません。


アメリカを代表する企業であるインテルやキャタピラーの四半期決算が予想を上回りました。トランプ大統領が主導した大型減税により楽観的な業績見通しを示す企業が相次いでいることが株価押し上げ要因になっています。スイスで先週開かれた世界経済フォーラム(ダボス会議)では、アメリカ第一主義のもと、トランプ政権が1.7兆ドル規模の大型インフラ投資を計画していると噂されました。


ダウは先週1週間で544ポイント(2.09%)上昇しました。S&P500は2.23%高、ナスダックは2.31%上昇しました。いずれも過去最高値を更新しました。


先週発表されたアメリカの第4四半期のGDPは予想に届きませんでした。貯蓄率が低下していることもわかりました。賃金の伸びが引き続き鈍いなか、個人消費がけん引する経済成長には限界があると指摘されました。株式相場が強すぎる、景気サイクルの末期的な兆候が出ているとの懸念も一部であります。


「決算と一般教書演説」


今週のニューヨーク株式相場は材料が豊富です。


まず、31日のFRB会合(FOMC)。イエレン議長にとって最後となる会合で、FRBは金融政策を据え置くと予想されています。声明で、3月利上げのヒントを示すかが焦点です。


経済指標も注目。29日のPCEコアデフレーターの予想レンジは前年比1.5〜 1.7%。レンジの上限、あるいはそれ以上の物価上昇が進んだ場合、株式相場がネガティブに反応する可能性があります。FRBの利上げペースが早まるとの観測が広がるとみられるからです。


2日の雇用統計については、非農業部門の雇用者が17万6000人増えるというのがコンセンサスで、予想レンジは15万人〜20万5000人と幅があります。失業率は4.1%、賃金は前年比で2.6%増えると予想されています。


今週最大の注目はIT各社の決算です。31日にフェイスブックとマイクロソフト、1日にグーグルの親会社のアルファベット、アマゾン、アップルが四半期決算の発表を予定しています。


もう一つ。30日夜のトランプ大統領の一般教書演説が株式相場を動かす可能性があります。去年2月のトランプ大統領の演説直後、ニューヨーク株式相場は1.4%上昇しました。税制改革への期待感が大きかった。今年の一般教書演説の焦点は、貿易問題、移民政策、インフラ投資の3つです。


貿易問題については北米自由貿易協定(NAFTA)にどう言及するか。民主党が反対しているほか、共和党内でも意見が分かれる移民政策でドリーマー(幼少期に非合法で入国した80万人)への対応が注目されます。インフラ投資については既に期待が高まっています。


ロイターは、トランプ大統領が慎重に言葉を選ばないと、株式相場が崩れる可能性があると解説しました。


「1987年繰り返すか」


バロンズの最新号は、弱い米ドルが株式のブル(強気)相場を終わらせる可能性があるとのコラムを掲載しました。


レーガン政権下の1985年9月、プラザ合意により米ドル安が加速しました。1987年のルーブル合意で通貨安定を目指しましたが、米ドル安が止まりませんでした。米ドル/円相場は158円から121円に下落しました。


1987年1月はS&P500が13.2%上昇しましたが、10月19日に株価が暴落、結局2%高で1年を終えました。2018年は、年初から先週末までに7.5%上昇しました。税制改革を受けたレパトリ(本国への資金還流)が米ドル相場を押し上げるかもしれないが、いずれ財政赤字、経常収支の赤字額が膨らみ、米ドル安になる可能性があるとしています。米ドル相場が1987年のようになるか。米ドル相場が株式相場にどう影響するか。注目です。


[January 29, 2018 NY 085] 
 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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