週刊2分でわかるNYダウ

NYダウ平均株価の情報をタイムリーに、より分かりやすくお伝えするレポート

2016/06/20 15:00木曜日まで神経質、分かれ目の終盤取引

「トレンド出ず」

ニューヨーク株式市場は先週、EU離脱の是非を問うイギリスの国民投票を控え緊張が高まった1週間でした。リスク資産とされる株式、リスク回避局面では売られる傾向があります。先週は、その典型でした。

ニューヨーク株式市場に上場している各セクターの代表的な企業30社で構成されるダウは、木曜日を除き下げました。週間ベースで1.07%下落。質への逃避で米国債に買いが集まり利回りの低下傾向が顕著ですが、銀行の業績を圧迫するとの見方で金融株が幅広く売られました。銀行株の寄与度が大きいS&P500は1.19%下落しました。テクノロジー株の比率が高いナスダックは、算出法から時価総額の大きいアップルが大幅に下落したことが影響、1.92%安と大幅に下落しました。

ヨーロッパの株式相場も週間ベースでは下落しました。しかし17日金曜日は高く取引を終えました。ロンドンのFTSE100、フランクフルトのDAX、そしてパリのCAC40がそれぞれ上昇しました。週の締めくくりの動きが欧米で異なり、トレンドが出ませんでした。

「英国民投票、FRB議長、そして原油」

今週の欧米の株式市場では、23日木曜日のイギリスの国民投票が最大の材料です。前半は思惑が影響するとみられますが、積極的な取引が控えられそうです。ヘネシー・ファンズのポートフォリオ・マネジャーは、「月曜から目標のイギリスの投票まで目立った経済データ発表がなく、誰も動かないだろう」とThe Wall Street Journalにコメントしました。

終盤の24日金曜日は投票結果が相場全体に大きく影響しそうです。世論調査では、離脱支持がやや優勢になっていますが、きっ抗していて、予断を許しません。離脱が決まった場合、リスク回避で全面安になると指摘されています。離脱に向けた交渉は今後2年間続けられる方向で、不透明な状況が長期化するとの懸念で急落予想も少なくありません。

来週のニューヨーク株式市場では、FRBのイエレン議長の21日と22日の議会証言も材料になる可能性があります。今後の利上げについてどう発言するかが注目点です。

アメリカの経済指標では、一連の住宅関連統計、5月の耐久財受注(24日)、そして5月の製造業受注(24日)が材料になる可能性があります。先週はやや強めの住宅関連指標が発表され、不動産関連株が堅調でした。

元ファンドマネジャーでCNBCの人気コメンテーターのジム・クレマー氏は、来週の株式相場について、イギリスの国民投票とイエレン議長の証言に加え、原油価格の動向が相場に影響するだろうとコメントしました。リスク回避で下落基調になっている原油価格が節目の45ドルを割った場合、株式相場が崩れるだろうとしています。

「外国株が割安」

イギリスの国民投票でEU離脱が決まった場合、世界の株式市場が全面安の展開になるとの見方が優勢です。それでは、残留が決まった場合はどうか。安堵感から世界的に株高になると予想されています。

週末にウォール街関係者が必ず読むとされるBarron’sの20日付最新号は、残留の場合、アメリカ以外の株式が恩恵を受けそうだと伝えました。アメリカのS&P500は年初から1.7%上昇、PER(株価収益率)は17.7倍。これに対し、FTSE100は年初から4.7%安、PERは16.1倍と低めです。また、ドイツのDAXは11.1%安、PERが12.1%でさらに割安だとしています。

日本株はさらに下がっていて、数字で比較すると非常に割安に見えます。残留が決まった場合に安全資産として買われてきた円が売られる可能性が高く、日経平均が最も大きく振れるかもしれません。

[June 20, 2016 NY 003]

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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