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2017/12/18 09:02強いNY株、米税制改革成立後はどうか

「税制改革への期待」


11月16日に下院が税制改革法案を可決して以降、ニューヨーク株式相場は期待感で上昇基調が続きました。共和党のルビオ上院議員が先週、税制改革法案に反対する意向を示したことで一時弱含みましたが、修正を受け賛成に転じたことで一段高になりました。


ダウは先週、322ポイント(1.33%)上昇しました。S&P500は0.92%高、ナスダックは1.41%上げました。3つの主要指数は、いずれも過去最高値で1週間の取引を終えました。


バロンズは、ニューヨーク株式マーケットは、税制改革がほぼ成立したかのような展開だったと解説しました。UBSのストラテジストは、税制改革がS&P500の収益を7〜9%押し上げると試算しました。その試算をベースにすると、株価は税制改革をまだ40%しか織り込んでいないことになる、ということです。


「クリスマス」


今週、特に週後半はクリスマスの連休を控え、商いが細ることが予想されます。


共和党は先週末、税制改革の統一法案を公表しました。今週はじめは、それを消化する展開が予想されます。18日月曜日に発表されるユーロ圏の消費者物価指数が、大手銀行株に影響しそうです。


19日火曜日以降は、企業決算が主な材料。火曜日はフェデックスやマイクロンが決算を発表。水曜日は、ジェネラル・ミルズやベッドバス&ビヨンド、木曜日はナイキやアクセンチュアが四半期決算の発表を予定しています。


クリスマス連休直前の22日金曜日については、極端な薄商いになる可能性があります。元ファンドマネジャーで、CNBCのコメンテーターのクレイマー氏は、「非公式なお休みの日」として投資を控えた方がいいとコメントしました。


「今週中に成立か」


共和党の税制改革の最終案では、法人税率が現行の35%から21%へ引き下げられました。アメリカの企業が海外に留保している利益のうち、現金に対しては15.5%課税、現金以外は8%課税される案。


個人所得税の区分については7段階を維持。住宅ローン利子控除は上限が100万米ドルから75万米ドルに引き下げられます。医療保険制度改革法(オバマケア)については、加入義務の廃止が盛り込まれました。


全体的に、企業、富裕層に有利な税制案と言えそうです。中間層や低所得者層への効果は見方が分かれます。


共和党のマッカーシー下院院内総務は、19日火曜日に税制改革法案を採決する計画であることを明らかにしました。財政赤字が今後10年で大幅に拡大するとの懸念もあります。


共和党上院も早ければ19日に採決したい考え。ただ、重鎮のマケイン上院議員が悪性脳腫瘍で治療中。マケイン氏は投票に参加したい意向で、その動向が上院の採決時期を左右する可能性があります。いずれにせよ、税制改革法が年内に成立する可能性が高いとみられます。トランプ大統領が「勝利宣言」しそうです。


税制改革成立後の株価はどうなるのか。「Buy the rumors, sell the news(噂で買って、ニュースで売る)」の反応はあるか。


ベア・トラップス・レポートのファウンダーは、8月以降、投資家が税制改革への期待、噂で買いを進めてきたので、年明け1月の相場が荒れそうだとCNBCにコメントしました。


一方、パイパー・ジャフレーのテクニカル・アナリストは、2018年の株式相場に強気で、下がっても押し目買いが入り株価を下支えすると予想しました。


ウォール街のアナリストは、税制改革が企業業績に与える効果の分析を本格化しています。いずれ個別銘柄の投資判断に反映されることになります。
 
[December 18, 2017 NY 078] 
 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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