週刊2分でわかるNYダウ

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2017/12/04 09:48NYダウ、年内2万5000はあるか

「大幅高」


先週のニューヨーク株式相場は大きく変動しました。週前半は、予想以上に強かった小売各社のブラックフライデーの結果を好感しました。上院での税制改革法案の進展もあり、ダウは先週木曜日30日までの4日間で700ポイント超上げました。


1日金曜日。投資家が動揺しました。モラー特別検察官はマイケル・フリン前大統領補佐官を訴追。フリン氏は検察側に全面協力する意向を示しました。ダウは一時350ポイント超下げました。


しかし、上院のマコネル共和党院内総務が、税制改革法案の可決に必要な票を確保したと発言したことで心理が改善、急速に買い戻されました。ダウは結局、40ポイント安で取引を終えました。


週間ベースでは、ダウは673ポイント高(2.86%上昇)でした。去年12月以来で最大の上げ幅。S&P500は1.53%高でした。ただ、ナスダックは0.60%下げました。


今年のブル(強気)相場をけん引したのは、FANGに代表されるIT関連のテクノロジー株でした。ナスダックが先週軟調だったのは、テクノロジー企業の業績への懸念ではなく、セクター(業種)のローテーションが進んだことが原因と受け止められました。


「政治と雇用統計」


今週のニューヨーク株式マーケットでは、政治が引き続き材料になりそうです。


上院が2日未明、税制改革法案を可決しました。独自案を先月可決した下院と共同委員会を開き、法案すり合わせを今週開始します。いずれ統一案を上下両院が再び採決することになりますが、違いが多く、調整が難航する可能性もあります。


議会では並行して、予算が審議されます。8日に暫定予算と債務上限が期限を迎え、政府機関の一部が閉鎖されるリスクがあります。ライアン下院議長は、つなぎ予算を採決する方向で動いていますが、予算の焦点である移民問題でトランプ大統領が強硬な態度を示していて、民主党が予想以上に強く反発するかもしれません。ワシントンの動きが株価を左右しそうです。


8日金曜日に発表される11月の雇用統計も株価に影響しそうです。年初から10月までに約170万人の雇用が増えました。失業率は過去17年で最低の4.1%に低下。しかし、賃金の伸びは依然として弱い。11月の雇用統計では、賃金の伸びが注目される見通しです。


7日のAT&Tとタイムワーナーの合併をめぐる予備審議も注目されています。アメリカ司法省がタイムワーナーの買収を計画しているAT&Tを訴えました。連邦地裁の予備審議は、通信とメディアの融合の行方、今後の通信会社やコンテンツ・プロバイダー会社の戦略に大きく影響することが予想されます。


「ダウ25000への道」


アルタイラ・キャピタル・パートナーズのテクニカル・アナリストのアカンポーラ氏は、年末のダウが2万4986と予想しています。年末までに2万5000を超える可能性があるとCNBCにコメントしました。


一方、アメリカで最有力のビジネススクールであるウォートン・スクールのシーゲル教授は、税制改革法案が成立すれば、企業の利益が8%増加し、ダウを2万5000に押し上げるとみています。CNBCに出演したシーゲル教授は、2018年の株式相場については、政局の不透明感とインフレ率上昇への懸念で不安定になると予想しました。


税制改革への期待感がニューヨーク株式相場を大きく押し上げました。しかし、株価をさらに押し上げる材料が来年は乏しいとの見方が少なくありません。シーゲル教授は、2018年の株価上昇は5〜10%程度にとどまるとみています。CNBCによると、シーゲル教授は過去1年間の株価をほぼ正確に予想しています。


[December 04, 2017 NY 076] 
 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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