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2017/11/13 08:53税制改革にらむNY株式

「週後半に軟化」


先週のニューヨーク株式相場は高く始まりました。しかし、9日木曜日に売られました。


上院共和党の税制改革案が背景。投資家が期待している法人税の大幅減税を2019年まで先送りするとの案に、失望感が広がりました。


ダウは先週116ポイント安、0.50%下げました。S&P500は0.21%安、ナスダックは0.20%下げて1週間の取引を終えました。


ダウとS&P500は、8週続いた週間ベースの上昇が途絶えました。4年ぶりの長さ。S&P500は9日の取引で一時1.1%下げましたが、その日の終値は0.4%安でした。バロンズによると、S&P500が0.5%超下げない取引日は連続47日に達しました。これは1965年以来の長さだそうです。下値の堅さを示しています。


「シスコシステムズとベストバイ」


今週のニューヨーク株式マーケットでは、家電量販店のベストバイとIT機器のシスコシステムズの四半期決算が注目されています。TJマックスとターゲットの小売大手も決算発表を予定しています。年末商戦の見通しが焦点です。


経済指標では、14日の生産者物価指数、15日の消費者物価指数と小売売上高が材料になりそうです。15日発表のニューヨーク連銀景気指数と16日のフィラデルフィア地区連銀の景気指数も投資家心理に影響する可能性があります。


「税制改革と中間選挙」


トランプ政権の最重要政策である税制改革について、与党・共和党の上院と下院の案が出そろいました。ホワイトハウスが示した14ページの素案をたたき台にしたものですが、法人税減税の適用時期、個人所得税の最高税率と所得区分、控除範囲などで大きな隔たりがあることがわかりました。


違いが大きく、多岐に渡るため、トランプ大統領と共和党幹部が目標にしている年内の成立は疑問視され始めました。来年11月に中間選挙を控えているため、共和党は遅くとも来年3月までに成立させたい考えですが、難航は必至です。


来年の中間選挙では、上院の議席の3分の1と下院の全議席が改選されます。現在は共和党が上下両院で過半数を占めていますが、中間選挙で体制を維持できるかが焦点になります。


先週火曜日の選挙では、バージニア州とニュージャージー州の知事選で民主党が勝利、ニューヨーク市長選などでも民主党が共和党の候補を破りました。民主党の圧勝、共和党が大敗しました。


共和党にさらに打撃が。トランプ大統領に反発した共和党の複数の上院議員が来年の中間選挙に出馬しない意向を示したほか、下院でも再選を目指さない共和党議員が相次いでいます。セクハラ疑惑が浮上した共和党議員もいます。このままでは、少なくとも下院では共和党が過半数を割る可能性が高いとみられています。


税制改革をまとめれば、共和党は優勢になるのか。そう単純な話でもない。減税で財政赤字が大幅に拡大することが確実になれば批判が広がることが確実。企業や富裕層だけが恩恵を受ける改革も反発を招く。調整が長引きすぎてもまずい。共和党の議員は難しい選択を迫られています。


税制改革をめぐる議会、特に共和党の動きが、当面のニューヨーク株式マーケットを動かすことになりそうです。


 [November 13, 2017 NY 074] 
 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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