週刊2分でわかるNYダウ

NYダウ平均株価の情報をタイムリーに、より分かりやすくお伝えするレポート

2017/10/09 08:42記録更新中、まだ続く?

「最高値」


堅調に推移するニューヨーク株式相場。先週も主要指数が最高値を更新しました。


ダウは4週続伸、週間ベースで368ポイント上昇、もしくは1.65%高でした。6日金曜日は0.01%下げましたが、最高値水準であることに変わりはありません。S&P500は先週1週間で1.19%高、ナスダックは1.45%上昇しました。


ISMがまとめた製造業景況指数が予想以上に上昇、2004年以来の高水準をつけたことが好感されました。耐久財新規受注も堅調。9月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数がマイナスになりました。しかしそれはハリケーンの影響とされ、失業率の改善と賃金の伸びの強さの方に注目が集まりました。相場の勢いと共に、ファンダメンタルズの強さを示す展開でした。


去年11月のアメリカの大統領選前にはじまったニューヨーク株式相場のブル相場。5%を超す調整がない上昇基調は記録的な長さになっています。


バロンズによると、1999年のブル相場はテクノロジー株がけん引し、2007年の上昇基調をけん引したのは石油株でした。今の相場の主役はFANGです。フェイスブック、アマゾン、ネットフリックス、そしてグーグルの親会社のアルファベット。さらに、バイオ関連株と銀行株も目立って上昇しています。明るい業績見通し、トランプ政権の税制改革への期待感が株価を下支えしています。


「決算シーズン」


9日月曜日は、コロンブス・デーのため、米国債の取引はありません。ニューヨーク株式マーケットは通常通りですが、歴史的には小動きです。


10日以降は、大手企業の四半期決算やアナリストミーティングが材料になりそうです。


火曜日は小売最大手のウォルマートがアナリストミーティングを予定しています。翌水曜日はスーパー大手のクローガーとハードディスクのウエスタン・デジタルがアナリストとの会合を開きます。


今週後半は、大手銀行が相次いで決算を発表します。木曜日はシティグループとJPモルガンチェース、金曜日はバンク・オブ・アメリカとウェルズファーゴが四半期決算を発表する予定です。


経済指標では、13日の消費者物価指数、小売売上高、ミシガン大学の消費者信頼感指数がいずれも相場に影響する可能性があります。


「独財務相の警告」


ドイツの財務相を8年勤め、財政規律を重んじることで知られるショイブレ氏が、近く下院議長に就任します。退任を前に、フィナンシャルタイムズのインタビューに応じ、世界的な経済危機が再び起きる可能性があると警告しました。


ショイブレ氏はインタビューの中で、中央銀行の金融緩和措置により債務増加とカネ余りが顕著だと指摘しました。バブルを形成しているとしています。特に、ユーロ圏の金融が不安定になるリスクがあると警告しました。


一方、アメリカのトランプ大統領は先週木曜日、軍幹部との会合の際、「たぶん、嵐の前の静けさだ」と述べました。意味深い発言に注目が集まりました。
北朝鮮への攻撃を意味したものなのか、それともイランへの攻撃か。もしくはISIS、南シナ海の中国の拠点への攻撃を意味したものか。多くの憶測が飛び交いました。


記者の質問に対し、トランプ大統領は「そのうち分かる」と答えました。


バロンズは、ホワイトハウス担当の記者はそう思わないが、トランプ大統領が世界の債券と株式を大きく動かすかもしれないと伝えました。


記録更新を続ける株式相場。恐怖指数であるVIXが歴史的な低水準で推移、株式相場はまだ上昇が続くとみられていると解説しました。その上で、いずれブル相場が終わる可能性があるとしています。決算発表時に公表する企業の業績見通しが予想以上に弱く、トランプ政権の税制改革は今年も来年も成立しないとの見方があると伝えました。


「嵐の前の静けさ」「そのうちわかる」。最高値で推移するニューヨーク株式相場が突然荒れる――確かにそうなれば、トランプ大統領の発言が理解できます。ただ、軍幹部との会合での発言だけに、トランプ大統領の真意は別にあるような気がします。


[October 09, 2017 NY 069] 
 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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