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2017/09/25 08:29動かない相場、税制改革を注視

「狭いレンジ」


先週の株式マーケットは実につまらなかった。バロンズはこう伝えました。株式相場が狭いレンジで推移、ほとんど動かなかったからです。ファンドマネージャーらがベンチマークにしているS&P500の先週の高値と安値の幅はわずか12.3ポイント、もしくは0.49%でした。


先週の最大の注目イベントは、FRBの金融政策を決める会合でした。予想通りバランスシートの縮小開始を決めました。FRB内エコノミストの見通しとイエレン議長の記者会見はややタカ派的なトーンで、12月利上げを示唆しました。これはやや予想外で、米ドル相場を押し上げました。ただ、株式相場への影響は限定的でした。


ダウは先週1週間で81ポイント高、もしくは0.36%高でした。S&P500は0.08%上昇しました。iPhone8の販売が低調で、Apple Watch3の通信に問題があると指摘されたアップルが5日続落。その影響で、ナスダックは22ポイント安、もしくは0.33%下げました。


アメリカのトランプ大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長による「言葉の戦争」が激化しましたが、アメリカ経済への影響は限定的との見方で、ニューヨーク株式相場への影響はほとんどありませんでした。それよりも、医療保険改革法(オバマケア)の見直し案をめぐる議会の動きが保険株などに影響しました。


「税制改革」


ワシントンでは、10月からの新会計年度を翌週に控え、オバマケアをめぐる議会の動きが活発化します。先週は、共和党の有力な上院議員の反対で、共和党の見直し案が採決に至りませんでした。


議会ではまた、税制改革をめぐる議論が本格的に動き出します。ライアン下院議長が25日にも下院共和党の案を発表する見通しです。ホワイトハウスが税制改革案を2度にわたり示していますが、いずれも詳細に欠けるものでした。ライアン議長がどこまで詳細な案を示すかが注目されています。ウォール街の期待度が高く、株価に大きく影響することも予想されます。


北米自由貿易協定(NAFTA)の見直しに関するアメリカ、カナダ、メキシコによる3回目の協議が23日、カナダのオタワで始まりました。27日水曜日まで続きます。


過去2回のNAFTA協議では目立った進展がありませんでした。特に、自動車の製造などをめぐり意見が分かれました。3回目の協議で、5年間限定の新協定をアメリカ政府が提案するとみられています。協議の行方が、ニューヨークの株価に影響しそうです。


今週はまた、FRBのイエレン議長やニューヨーク連銀のダドリー総裁ら多数のFRB幹部が講演を予定しています。


海外では、ドイツの選挙を受けた連立の動き、ブレグジットをめぐるイギリスとEUの4回目の協議が25日から始まります。朝鮮半島情勢と合わせ、海外要因にも注目が集まっています。


企業決算では、26日のナイキの四半期決算に注目です。また、下げが止まらないアップルの株価動向がマーケット全体に影響する可能性があります。


「北朝鮮問題」


朝鮮半島情勢がニューヨーク株式相場へ与える影響は、これまでのところ限定的です。しかし、北朝鮮が核兵器の実験を実施した場合、あるいはアメリカと軍事衝突に発展した場合は、ネガティブに大きく反応する可能性があります。


ワシントンポストとABCニュースの最新の世論調査では、北朝鮮がアメリカや同盟国を攻撃した場合、67%がアメリカの軍事行動を支持することがわかりました。一方で、アメリカによる北朝鮮に対する先制攻撃に対しては69%が反対しました。


世論調査ではまた、北朝鮮問題の扱いについて、トランプ大統領より軍の幹部を信頼していることが明らかになりました。トランプ大統領を信頼していると答えた人が37%にとどまったのに対し、アメリカ軍の幹部の判断を信頼している人が72%もいました。北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長を信頼している人はわずか8%でした。
 
[September 25, 2017 NY 068] 

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Market Editors
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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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