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2017/08/28 11:32トランプオン&オフと気になる統計

「3週間ぶり上昇」

ニューヨーク株式マーケットがトランプ大統領の発言や行動に揺れる展開が続いています。

先週前半はアリゾナ州での「政府閉鎖」を示唆する発言で売られました。10月初めにもXデーが訪れるとされるアメリカ政府の債務上限の引き上げ問題への関心が集まりました。

週後半は、トランプ大統領が身内の共和党幹部を攻撃。ホワイトハウスのコーン国家経済会議委員長とムニューシン財務長官の発言もあり、税制改革への期待が材料になりました。

ワイオンミング州ジャクソンホールでのFRBのイエレン議長の講演が注目を集めましたが、金融政策への言及がなく、株価への影響は限定的でした。

ダウは週間ベースで139ドル(0.64%)上昇しました。3週間ぶりの上昇。S&P500は0.72%高、ナスダックは0.79%上昇しました。

バロンズは、リスクオンとリスクオフが相場の方向を決めたが、今のマーケットでは、「トランプオン」と「トランプオフ」が相場に影響すると解説しました。先週はそれを象徴する相場展開でした。

「雇用統計」

今週はアメリカの経済指標が相場に影響しそうです。特に9月1日の雇用統計が注目されています。強い内容であれば、12月利上げ観測が強まり、マーケット全体に影響する可能性があります。

今週はまた、8月29日の消費者信頼感指数、30日の第2四半期GDP改定値、31日のPCEコアデフレータも材料になる可能性があります。

自動車メーカー各社が9月1日、8月の新車販売台数を発表します。販売の低迷が続いています。最新の統計が自動車関連銘柄に影響することが予想されます。

マーケットは引き続き、トランプ大統領の動向に注目しています。

トランプ大統領は先週末、法廷侮辱罪で有罪判決を受けたアリゾナ州のアルパイオ元保安官に恩赦を与えました。元保安官は不法移民に対する強硬な取り締まりが批判されています。大統領の恩赦に、人権団体のほか、共和党のライアン下院議長らも反発しました。

先週末にはまた、ホワイトハウスで国家安全保障を担当していたゴルカ副補佐官が辞任しました。ホワイトハウスの混乱が依然として続いていることを示しました。

「10週連続で出超」

ニューヨーク株式相場は依然として過去最高水準付近で推移していますが、気になる統計があります。

CNBCによりますと、ニューヨーク株式市場から過去10週間で300億米ドル(約3兆2700億円)の資金が流出したとのレポートをBofAメリルリンチがまとめました。

株式ファンドの資金流出が続いています。10週連続の流出超。これほど資金流出が続くのは2004年以来のことです。一方で、日本とヨーロッパの株式市場は流入超になっています。

何を意味するのか。ニューヨーク株式相場が「高すぎる」と一部で指摘される中、投資家が警戒感を強めていると言えそうです。

ただ、資金流出が株式マーケットの急落の兆しとはみられていません。 ウォラックベス・キャピタルのストラテジストはCNBCに対し、「アメリカ株式ファンドへの資金流入が弱いが、依然としてロング(買い)ポジションが優勢だ」と述べました。BofAメリルリンチは、「ブル&ベア指数」が大規模な売りを示唆していないとコメントしました。ただ、富裕層の個人客は株式投資に慎重になっているとしています。

今週金曜日から9月。歴史的に株式相場が不安定になる時期です。4日のレーバーデー後に議会が再開。トランプ大統領は税制改革の必要性を訴えるため全米を行脚する計画です。ただ、アメリカはいま、トランプ大統領の人種差別、偏見をめぐる話題で持ちきりです。一方、モラー特別検察官のロシア疑惑をめぐる捜査が新たな展開を迎える可能性があります。9月もトランプオンとトランプオフが相場の方向を決めそうです。
 

 [August 28, 2017 NY 064] 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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