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2017/08/21 09:06トランプ大統領の秘密兵器

「政治不安に揺れる」

ニューヨーク株式相場がトランプ大統領に揺れています。

8月7日の週は、先制攻撃も辞さないとするトランプ大統領の北朝鮮に対する強硬発言で下げました。そして、先週は人種問題に絡む発言。与党の共和党、有力企業、軍幹部でトランプ大統領と距離を置く動きが加速したほか、反トランプのデモが全米各地に拡大しました。

18日のニューヨーク株式マーケットでは、極右のバノン首席戦略官が解任されたことを受けて一時値を戻しました。しかし、ホワイトハウスの混乱が続くとの懸念が根強く、取引終了後間際に再び売られました。

ダウは先週1週間で183ドル(0.84%)下げました。S&P500は0.65%安、ナスダックは0.64%下げて1週間の取引を終えました。

先週はスペインのバルセロナで多数の死傷者を出したテロ事件が発生、FRBの金融政策の不透明感も増しました。トランプ大統領だけが株安の原因とは言えませんが、下げのほとんどの部分はそうだと指摘されています。

株価が下落基調に転じたのか。バロンズは、まだそう言えないと解説しました。クリントン元大統領がスキャンダルで罷免されそうになったとき、野党が議会を制したオバマ前政権の最後の6年間もそうであったように、株価の上昇基調が続く可能性があるとの見方があるとしています。アメリカが景気後退に陥る、もしくは地政学リスクが強まることがなければとの条件付きですが。

「ジャクソンホール」

決算発表が一服し、今週は薄めです。水曜日のロウズ、木曜日のティファニーの四半期決算がやや注目されています。また、サムスンの新型ギャラクシーノートの発表にも関心が集まっています。前回のモデルは大量リコールされ、部品各社などの業績にも影響しました。

今週はまた、ワイオミング州ジャクソンホールで24日から開かれるカンザスシティ地区連銀主催のシンポジウムに注目です。詳細日程は24日に公表されますが、FRBのイエレン議長が25日に講演するとみられます。

CNBCは、ジャクソンホールで、FRBがハト派姿勢を示せば、安心感で株価が安定する可能性があると伝えました。ただ、株式マーケットが弱含んでいることは事実で、マーケットは引き続きワシントンの状況を注視しているとしています。

「秘密兵器」

ウォール街のトランプ大統領に対する信任が揺らぐ中、バロンズは秘密兵器があると伝えました。ホワイトハウスの混乱の中、規制緩和の議論が水面下で進んでいるとしています。

トランプ大統領は先に、無駄なルールや規制がないかを検証することを各政府機関に命じる大統領令に署名しました。金融だけではなく、幅広い業種で規制が緩和される可能性があります。バロンズは、規制緩和への期待をウォール街が捨てきれていないと解説しました。

ニューヨーク株式相場を支えているのはアメリカ経済の成長と言われています。今月までに経済成長の期間が1854年以来で3番目の長さになりました。2019年6月まで成長が続けば、史上最長になります。

ニューヨーク・タイムズは、バノン首席戦略官がホワイトハウスを離れたことで、鉄鋼や自動車などをめぐる中国との貿易問題、移民政策、アフガニスタンでの戦争などの幅広い政策の行方が不透明になったと伝えました、トランプ政権が王道の政策に向かうかどうかはまだわからないとしています。一方、ワシントン・ポストは、下院の野党・民主党はトランプ大統領に不満だが、弾劾決議を提出するのはまだ早いと考えていると報じました。

アメリカ経済が拡大を続け、株式相場を支えるかどうかは、トランプ政権の税制改革、インフラ投資、規制緩和などにかかっていると言えそうです。


 [August 21, 2017 NY 063]

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【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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