週刊2分でわかるNYダウ

NYダウ平均株価の情報をタイムリーに、より分かりやすくお伝えするレポート

2017/07/31 09:03夏後半から秋、調整近いとの見方も

「産業株とIT株」

先週のニューヨーク株式相場はまちまちでした。

最大の材料は企業決算。指数を構成する30銘柄のうち、ボーイングとキャタピラーが強い決算を発表、ダウを押し上げました。ダウは週間ベースで1.16%上昇しました。

一方、アマゾンは赤字決算でした。大型買収が影響しました。株価は0.6%下げました。IT関連株の代名詞ともいえるFAAMGのうち、グーグルの親会社であるアルファベットも3.6%下げました。ただ、フェイスブックは4.9%上昇、明暗を分けました。ナスダックは週間ベースで0.20%下落しました。

個別に変動がありましたが、マーケット全体では小動き。幅広い業種、銘柄で構成されるS&P500は0.02%安と、ほぼ横ばいでした。恐怖指数と呼ばれるVIXは、歴史的な低水準で推移しました。

「雇用統計とアップル」

今週は材料が豊富です。株式マーケットは、特に2つのイベントに注目しています。マーケット全体を揺さぶる可能性があると。

8月4日金曜日。アメリカ労働省が7月の雇用統計を発表します。FRBの今後の金融政策を占う上で重要なデータだと指摘されています。FRBは9月にもバランスシートの縮小を決める方向ですが、追加利上げに慎重です。雇用統計では、インフレ率の動向を占う上で賃金の伸びに注目が集まっています。

もう一つは1日に予定されているアップルの四半期決算。IT関連株だけではなく、マーケット全体の心理に影響する可能性があると指摘されています。

5%を超す調整がないまま、ブル(強気)相場が続いています。バロンズは、調整が近いとの見方があると伝えました。多くのチャートが「高すぎる」ことを示唆していて、調整がいつあってもおかしくないとの声が増えはじめています。夏の終わりから秋にかけて、株価が大きく崩れることが過去に何度もあったことも影響して、警戒感が強まっています。

「政治と対ロ関係」

トランプ大統領は28日、プリーバス大統領首席補佐官を更迭し、後任に国土安全保障省のケリー長官を起用すると発表しました。首席補佐官は、議会や各省庁との調整にあたるホワイトハウスの要職。

医療保険制度改革法(オバマケア)の見直しなど、主な政策課題の立法化にめどが立たない事態を受け、トランプ大統領がプリーバス氏への信用を失ったとみられています。

ケリー氏は軍人出身。政治経験がありません。ただ、評価は高く、混乱するホワイトハウスを立て直せるか注目です。

最初の仕事は、対ロ関係になりそうです。トランプ大統領が対ロ制裁を強化する法案に署名する方向。これに対抗して、ロシアのプーチン大統領は30日、モスクワなどロシア全土に駐在を認める外交官や政府関係者の上限を455人に制限する方針を示しました。755人のアメリカ人外交官らがロシアを離れることになります。米ロ関係が一段と悪化することが確実です。

夏後半は、減税、予算問題が議題になるとみられています。トランプ大統領の政策実行能力に懐疑的な見方が広がる中、内政、外交でケリー新首席補佐官がどう仕切るか。ウォール街が注視しています。

雇用統計、アップルの決算と並び、ワシントンの動きも株価に影響そうです。


[July 31, 2017 NY 060]

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

バックナンバー

  • 2018/10/15 09:31急落後はどう動くか。モメンタム株は戻るか「週間下落率4%」ニューヨーク株式相場が先週、大きく動きました。主要な株価指数であるダウが10日の取引で800ポイント超下落。世界同時株安の発端となりました。翌…
  • 2018/10/09 10:39米国債利回りにらむ相場「ダウ上昇も上値重い」週明け8日のニューヨーク株式マーケットは、コロンブスデーで薄商いの中、売りが先行しました。中国経済の減速懸念から人民元と上海株式相場が下落…
  • 2018/10/01 09:59ウォール街が予想する米中間選挙「対中関税とFRB」ニューヨーク株式マーケットでは先週、貿易問題と金融政策が2大テーマでした。トランプ政権は24日に中国からの輸入品目2000億米ドル相当に10…
  • 2018/09/25 10:12貿易問題と司法副長官めぐる不透明感「中国関連株が軟調」週明け24日のニューヨーク株式相場は下落しました。下げの背景は2つ。米中貿易戦争への懸念。そして、ローゼンスタイン司法副長官の解任騒動が株価…
  • 2018/09/18 10:34米中貿易戦争が重い「ナスダックの下げ大きい」ニューヨーク株式相場は今週、安く始まりました。トランプ大統領が中国に対する制裁を近く発表することを示唆したことが影響しました。「中国の…

「週刊2分でわかるNYダウ」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

株価指数CFDをご検討の方へ マネースクエアはあなたの資産運用のパートナーとして、革新的なアイデアを提供し続けます。
各種取引ツール M2J株価指数CFDでご利用いただく取引ツールについてご案内します。 各種トレードツール
ページトップへ