週刊2分でわかるNYダウ

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2017/07/03 09:01縮小する株式市場と下半期相場

「金融政策が影響」

ニューヨーク株式マーケットの上半期は、最後の最後でやや陰りがみえました。

バロンズは、今年最初の25週間でS&P500が8.9%上昇、夢のようだったと伝えました。しかし26週目の先週、冷水がぶっかけられ、現実に戻ったとしています。冷水をかけたのは世界の中央銀行だと。

ダウは45ドル下落(0.21%安)。S&P500は0.61%下げました。テクノロジー株の寄与度が高いナスダックは1.99%安と低調でした。ナスダックは、ボラティリティが高くなりつつあることを示す結果になりました。

相場に揺さぶりをかけたのはヨーロッパとカナダの中央銀行でした。ECBのドラギ総裁が量的緩和(QE)の縮小を開始することを示唆。ほぼ同じタイミングで、イングランド銀行のカーニー総裁をはじめとする幹部が年末にも利上げに転じる可能性を示唆しました。カナダの中央銀行のポロズ総裁も続きました。タカ派的なトーンで発言、早ければ今月の会合で利上げする可能性があるとの観測が広がりました。

一方、FRBのイエレン議長はロンドンの講演で金融危機の再現はないとの認識を示しました。他のFRB幹部も追加利上げの方向にあることをあらためて主張しました。

8年続くブル(強気)相場を支えたのは世界の中央銀行による金融緩和策でした。英語でeasy money(イージーマネー)と言いますが、大量の資金がマーケットに流れました。しかし、その時代が終わり始めていることを示したのが先週でした。

「雇用統計」

今週のニューヨーク株式マーケットは、4日火曜日が独立記念日で休場となるため、週前半は薄商いになることが予想されます。

週後半、7日金曜日に発表される6月の雇用統計が注目を集めています。いつも注目される非農業部門の雇用者数や失業率ではなく、賃金の伸びに関心が集まっています。

時間あたり賃金が前年比で2.6%上昇するというのが中間予想ですが、外れると相場に大きく影響する可能性があると指摘されています。賃金が上昇すると消費が増え、インフレ率の上昇要因になります。FRBがインフレ率上昇に自信を示す中で、いつになく賃金の伸びが注目されています。

カタール問題という地政学リスクも今週の材料になる可能性があります。サウジアラビアなど中東5カ国が国交を断絶、提示した13項目の要求への回答が1日に期限を迎えました。カタール政府が要求を拒絶する方針を示しました。サウジアラビアを支持するアメリカ、そして、カタールを支持するロシアの関係が注目されます。

さらに今週は、米ドルと米国債利回りの動きも株式相場に影響しそうです。ヨーロッパの中央銀行が金融引き締め方向にある中、米ドルが対ユーロ、対ポンドで下落基調にあります。米ドルが一段安になると相場に影響する可能性があります。 米国債利回りについては、銀行株が敏感に反応することが予想されます。

「半分になった上場企業」

バロンズに興味に深い記事がありました。アメリカの上場企業の数が1996年以降で半分になったというものです。

それによりますと、世界の上場企業数は1996年に1万853でしたが、去年末までに5985に減りました。45%の減少。アメリカでは過去20年間で上場企業数が7322から3671に半減しました。

企業の資金調達の手段が増えたことが背景にあります。ベンチャーキャピタルやプライベートエクィティなどの投資額が過去最大規模に増えていますが、投資した企業が新規株式公開しなくても出口戦略を描けるようになったことが大きい。このため、複雑な規制に縛られる株式公開を目指さず、未公開のまま成長する企業が増えていますし、そこに投資するファンドも増えています。配車サービスのウーバーがその典型的な例だと思います。

上場を目指す企業が少なくなる、株式を未公開化する動きが加速する。この傾向はさらに強まりそうです。


[July 3, 2017 NY 056] 

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Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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