週刊2分でわかるNYダウ

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2017/06/12 09:16FANGとFAAMG

「アップル急落」

先週のニューヨーク株式マーケットは材料が豊富でした。FBIのコミー前長官の議会証言、イギリスの議会選挙、そしてECB理事会。中東情勢の外交危機を受けて原油相場が大きく振れました。しかし、いずれも株式相場へ与えた影響は限定的でした。

9日金曜日に変化の兆しがありました。時価総額最大のアップルが突然売られました。相場上昇をけん引してきたフェイスブック、アマゾン、ネットフリックス、グーグルの頭文字をとったFANGが軒並み売られました。

何があったのか。アップルのクックCEOが、MITの卒業式での記念講演で、コンピュータのように考える人間になってはいけないと警鐘を鳴らしことが影響したとの指摘がありました。しかし、アップル株が急落するほどの内容ではない。

ゴールドマン・サックスのアナリストのレポートが影響したとの見方もあります。FANGではなく、FAAMG(フェイスブック、アマゾン、アップル、マイクロソフト、グーグル)の下落リスクがあるとするレポートです。さらに、シトロン・リサーチが、半導体のエヌビディアの投資に慎重な見方を示したこともIT関連株の売りを誘ったとの指摘もあります。

金融株やエネルギー関連株は堅調でした。このため、ダウは週間ベースで0.31%上昇しました。S&P500は下げましたが、下落率は0.30%にとどまりました。テクノロジーもしくはIT関連株の比率が高いナスダックは9日だけで1.8%下落、週間ベースでも1.55%安でした。

ウォール街の投資家には「2000年ドットコム・バブル」がトラウマになっています。人気が集中、バリュエーションが高すぎる。懸念が一気に表面化したのが9日の相場でした。

「FOMC」

今週の最大の注目は、14日のFRBの金融政策を決める会合(FOMC)です。0.25%の追加利上げを決めるとの予想がコンセンサス。しかし、その後の利上げペースやバランスシートの縮小については見方が分かれています。このところ、やや弱めの経済指標の発表が相次いでいることもあり、声明で示される景気認識、そして会合後のイエレン議長の記者会見が株式相場に影響しそうです。特に、FRBがインフレ率をどう見通しているのかが注目です。

金利の上昇は銀行に恩恵になるとみられています。金融引き締めの方向が示されれば、銀行を含めた金融株が買われるとの見方があります。

トランプ政権のロシア疑惑も引き続き材料になる可能性があります。今週は13日にセッションズ司法長官が上院の委員会で証言します。去年、ロシアの駐米大使らと会談していて、渦中の人物でもあります。トランプ大統領に辞意を表明したとも伝えられています。

FANGもしくはFAAMGの動向もマーケット全体に影響しそうです。9日の展開は一時的か。それとも2000年のようになるのか。見極める展開が予想されます。

「FANGに替わるもの」

ニューヨーク株式マーケットに上場している銘柄は、11のセクターに分類するのが一般的です。S&Pが業種別に分けたもの。ただ、これとは別に、FANGもしくはFAAMGが独自のセクターを作っているとの指摘もあります。

FANG とFAAMGは過去6カ月間にわたり堅調に推移しました。高くなりすぎたので、次のセクターに買いが移るかどうかが、今後の相場の行方を決める可能性があると指摘されています。

バロンズは、置き去りにされたエネルギー株、通信株、そして金融株の中で、FANGや FAAMGのような銘柄を見つける時かもしれないとするコラムを掲載しました。


[June 12, 2017 NY 053] 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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