週刊2分でわかるNYダウ

NYダウ平均株価の情報をタイムリーに、より分かりやすくお伝えするレポート

2017/06/05 08:37「ダウ3万」説、弱気派が超強気に

「GDPナウ」

ニューヨーク株式市場を代表する3つの株価指数が先週、最高値を連日更新しました。

ダウは週間ベースで0.60%高。S&P500は0.96%上昇、ナスダックは1.54%値を上げ、それぞれ過去最高値をつけました。株価が上昇した銘柄数は、下がった銘柄数と比べて記録的に多い。いわゆる典型的なブル(強気)相場です。

減税、大型インフラ投資、規制緩和などへの期待を背景にした「トランプラリー」が終わったとされています。ロシア疑惑をめぐるトランプ政権に不利な情報が相次ぎ、経済政策の実行が危ぶまれています。もしくは大幅に遅れるとの懸念があります。それでも株価が崩れない。注目された5月の雇用統計が弱くても株価指数は最高値を更新しました。

投資会社ライホールドの投資責任者はバロンズに対し、「株高は一種のミステリーだ。好材料を期待しているようにみえる」とコメントしました。問題は、好材料とは何かだとしています。

株価を支えている要素の一つが「GDPナウ」。アトランタ地区連銀がリアルタイムに経済成長を予測することを目的に公表するものです。ISM製造業景況指数、小売売上高、耐久財受注、個人所得と支出、貿易統計、住宅着工件数の6つのデータが発表されるごとに予想値が公表されます。
    
GDPナウは、第2四半期の成長率を3.4%と予想しています。3%を超す成長になれば、企業の業績が伸びると期待されています。今後は、GDPナウに敏感になると指摘されています。

「ロンドンとアップル」

今週は材料が豊富です。

週明けは、少なくも7人が犠牲になったロンドンのテロ事件を受け、マーケットがどう反応するかが注目です。イギリスでは8日に総選挙が実施されます。投資家はメイ首相が率いる保守党の勝利を期待していますが、テロがどう影響するか。ロンドンだけではなく、ニューヨーク株式相場にも影響するとみられています。

その他の注目は、アップルの開発者会議。5日から1週間続きます。新しいOSやキーボード、そして新型のiPadとMacbookが発表されるとの噂があります。

8日には、ヤフーの株主が通信最大手のベライゾンへの売却を決める投票をします。承認されると予想されていますが、いずれにせよ通信株全体に影響しそうです。

同じ8日には、ムニューシン財務長官が債務上限について下院と協議する予定。さらに、コンピュータ大手のデルが四半期決算を発表します。

「シラー教授」

ノーベル経済学賞を受賞したエール大学のロバート・シラー教授が先週、ウォール街の注目を集めました。

シラー教授はベア(弱気)派として知られていますが、ダウが今後2、3年で50%上昇し、3万に達するだろうとする最新の分析を明らかにしました。超強気見通し。

シラー教授はかつて、早くからアメリカの住宅バブルを指摘、非常に悪い結果をもたらすと警告していました。予想通りにバブルが崩壊、世界的な金融危機を招きました。下がらない株価を不安視していたウォール街関係者が大きく注目しました。


[June 05, 2017 NY 052] 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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