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2017/05/22 09:38政治に揺れる相場と企業決算

「動いた相場」

ニューヨーク株式相場が動きました。膠着状態が続いていましたが、ようやく動意づきました。

先週17日水曜日。歴史的な低水準が続いていた恐怖指数VIXが急上昇しました。ニューヨーク・タイムズが前日の夕方に、トランプ大統領がFBIのロシア疑惑の捜査を妨害しようとした証拠となる「コミーメモ」の存在をスクープ。「トランプ大統領が弾劾裁判にかけられる」「経済政策が遅れる」との懸念が高まりました。

ダウは372ドルと、8カ月ぶりの下げ幅を記録。S&P500は1.8%安、テクノロジー株の比率が高いナスダックの下落率は2.5%を超えました。世界の株式相場も急落、同時株安を招きました。

しかし、ニューヨーク株式相場は週末にかけて上昇に転じ、下げ幅の多くを消しました。ダウは週間ベースで0.44%安、S&P500は0.38%安でした。ナスダックは前週比0.61%安で取引を終えました。

株式相場を支えたのは企業決算でした。小売世界最大のウォルマート、アパレル大手のギャップが予想を上回る決算を発表。農業機械大手のディーア、ソフトウェア開発のオートデスクなども強い決算を発表しました。

「決算」

今週の株式マーケットでは、比較的堅調なアメリカ経済のファンダメンタルズや、好調な企業決算に注目した買いが増えるとの期待があります。週半ばに公表されるFRB会合の議事録も注目されています。先週末時点で、先物市場が示唆するFRBによる6月利上げの確率は約70%です。

ワシントンの動きも引き続き相場に影響しそうです。ロシア疑惑をめぐる新たな報道があれば、ネガティブに反応すると指摘されています。トランプ大統領は、9日間という異例に長い初外遊中ですが、外交で波乱があるかどうかにも注目が集まっています。

決算では、高級宝飾品のティファニー、安売りのビッグロッツ、DIY大手のロウズの発表が注目されそうです。

「週末の政治報道」

ニューヨーク株式市場が政治に敏感になっています。

トランプ大統領をめぐる週末の報道は、初外遊先となったサウジアラビアでの一連の動き。21日には、イスラム教徒が多数を占める55カ国の首脳を招いた会議で演説、ケーブルテレビの各ニュースチャンネルが中継しました。テロ対策での連携を訴える演説でしたが、MSNBCの調査では約90%が「テロ対策の効果がないだろう」と答えました。

北朝鮮が21日、弾道ミサイル1発を日本海に発射しました。約500キロ飛行し、日本海に落下しました。この1週間で2回目のミサイル発射。北朝鮮問題について、ティラーソン国務長官はフォックスニュースのインタビューの中で、新たな経済的、外交的制裁に取り組んだばかりで、目先、軍事的な圧力を強化する考えがないことを明らかにしました。

トランプ政権のロシア疑惑に関するスクープを連発しているワシントン・ポストは、ホワイトハウスの国家安全保障担当のマクマスター補佐官が、FBIのコミー前長官の解任に関し、トランプ大統領がロシアのラブロフ外相と会談した際に話題になったことを否定しなかったと報じました。会談の中で、トランプ大統領は「解任してホッとした」と話していたと先に伝えられました。

一方、ロシア疑惑報道の先頭にたつニューヨーク・タイムズの週末のトップ記事は中国に関するものでした。2010年から2012年にかけて、中国政府がアメリカの諜報機関CIAの捜査員18人を殺害もしくは逮捕していたことが明らかになったと伝えました。過去何十年間で最悪の事態で、問題は未解決のままだとしています。外遊中のトランプ大統領にも報道が伝えられたとみられ、米中関係が再び注目を集める可能性があります。


[May 22, 2017 NY 050] 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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