週刊2分でわかるNYダウ

NYダウ平均株価の情報をタイムリーに、より分かりやすくお伝えするレポート

2017/05/08 08:45動かない相場が意味するもの

「S&Pとナスダックが最高値」

先週のニューヨーク株式相場は1週間を通して小動きでした。ただ、多くの投資家のベンチマークになっているS&P500とテクノロジー株の比率が多いナスダックがそれぞれ最高値を更新しました。

ダウは週間ベースで66.43ドル、0.32%上昇しました。S&P500は0.63%高、ナスダックは0.88%高で取引を終えました。ダウの上昇率が低かったのは、著名な投資家ウォーレン・バフェット氏が保有株の3分の1を売却したIBMが急落した影響が大きい。

個別には、時価総額が世界最大のアップルが最高値を更新しました。決算では、主力のiPhoneの売り上げが予想外に減少しましたが、影響は一時的でした。

連邦議会が9月末までの予算案を可決、政府機関の閉鎖が回避されました。オバマケアの修正法案を下院が賛成多数で可決、トランプ政権に追い風となったことが好感されました。ただ、オバマケアの修正案については、共和党内の反対が根強く、上院が可決するかどうかは予断を許しません。

「小売とスナップチャット」

7日に実施された注目されたフランス大統領の決選投票は、親EUのエマニュエル・マクロン氏が勝ちました。反EUや移民排斥を訴えたルペン氏が敗れ、保護主義化への懸念が後退しました。

相場に織り込み済みとの見方もありますが、あらためてポジティブなムードが広がる可能性があります。

今週も有力企業の決算発表が相次ぎます。週前半から半ばにかけてディズニー、タイム、そしてニューズ・コープのメディア大手3社が決算を発表します。

今週、もっとも注目を集めているのは小売大手各社の決算です。JCペニー、メーシーズ、コールズ、ホールフーズがそれぞれ四半期決算を発表します。12日金曜日には、アメリカ商務省が小売売上高を発表します。消費がやや弱含んでいる兆しがあり、相場全体に影響しそうです。

10日発表のスナップチャットの決算も注目されています。株式公開後の初めての決算発表です。ユーザー数と広告収入の伸びが焦点です。

「歴史的な低ボラティリティ」

去年11月のアメリカの大統領選以降に急ピッチで上昇したニューヨーク株式相場が動かなくなりました。上昇してもすぐに売られ、下落すると買い戻される。ダウの上昇幅、もしくは下落幅が1桁台という取引日が目立って増えました。

CBOEのボラティリティ指数、いわゆるVIXは、目先の株価の動向のバロメーターですが、先週は2007年2月以来の低水準に低下しました。また、S&P500の1カ月の変動率は1988年以来の低水準です。

ボラティリティの低下はブル(強気)相場を示すものとされますが、あまりにも低い場合は警戒感が広がる傾向があります。株価が動かないと上昇益が得られません。資金が他の金融商品に流出する可能性もあります。

株価が高すぎるとの指摘も一部であります。全体のボラティリティが低下する中で、割安の銘柄、動く可能性がある銘柄を探すのが難しくなりつつあります。


[May 08, 2017 NY 048] 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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