週刊2分でわかるNYダウ

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2017/04/10 08:55トランプ外交とFRBの両にらみ

「上下に振れた相場」

ニューヨーク株式市場を代表する株式指数ダウは、先週1週間で0.03%下落しました。S&P500は前週比で0.30%安、ナスダックは0.57%下げました。週間ベースで横ばいからやや弱め。そこに行くまで指数が上下に振れました。

先週初めは、自動車株が引っ張る形で売られました。自動車各メーカーの3月の新車販売台数がいずれも弱かったことが背景です。火曜日に反発しましたが、翌水曜日に再び売られました。FRBの金融政策を決める会合(FOMC)の議事録で、バランスシートの縮小を年内に開始することを検討していることがわかった影響が大きい。ライアン下院議長が減税法案の作業を急がないことを示唆したことも株価にネガティブでした。アメリカ東部時間6日木曜日の夜のトランプ政権によるシリア攻撃、さらには強弱感が入り混じった雇用統計、結果が良くみえない米中首脳会談も絡んで、株式相場が上下に振れました。

「イースター前」

今週のニューヨーク株式相場は売買高が細る見通しです。10日からユダヤ教の重要イベントであるパソバが始まります。14日はイースター・サンデー前の「グッド・フライデー」でニューヨーク株式市場が休場になります。議会は2週間の休会。全米の学校の多くが春休みもしくは「イースター休暇」になります。先週末のロサンゼルスの空港は、家族連れで大混雑していました。

アメリカの経済指標は軽めです。最も注目されるのは14日発表の小売売上高と消費者物価指数ですが、休場のため、翌週に反映されます。

FRBのイエレン議長が10日午後に発言する機会がありますが、教育に関するイベントに出席するもので、金融政策への言及がない可能性があります。

ニュースが多かった前週と比べて材料が少なく、参加者も少ないため、相場がこう着する可能性があります。いずれにせよ、FRBの政策やトランプ政権をめぐる観測、思惑が今週の最大の材料と言えます。

「雲に隠れた米中首脳会談」

アメリカのトランプ大統領と中国の習近平国家主席による初めての首脳会談が終わりました。フロリダで先週6日夜と7日の1日半のサミット。外交、安全保障、貿易、北朝鮮問題など幅広い分野で意見を交換したとされていますが、具体的な成果が見えません。

トランプ政権がシリアのアサド政権の空軍基地を攻撃したことが、ただでさえ難しい外交をさらに複雑にした可能性があります。習近平主席がトランプ大統領に理解を示したと伝えられた一方、中国外務省はシリア攻撃を非難する声明を発表しました。米中両政府は今後100日で両国間の課題を話し合う計画です。安全保障や貿易もしくは通貨問題など。2つの経済大国の間の問題がマーケットに影響するのはこれからと言えます。

今週の注目は、中国からロシアに移ります。アメリカのティラーソン国務長官が初めてモスクワを訪問します。シリア攻撃に関する記者会見の中で、ティラーソン国長長官がロシアに強硬な姿勢を示したこともあり、「厳しい訪問」になる可能性があります。これに絡んだトランプ大統領のツイートにも注目です。地政学リスクが、ニューヨーク株式相場に影響そうです。


[April 10, 2017 NY 044]

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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