週刊2分でわかるNYダウ

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2017/03/13 10:06今週は波乱も、「ハッピーアワー」に注目

「下げる」

ニューヨーク株式相場は先週、過去7週間で初めて下げました。週間ベースでダウは0.49%下落。S&P500は0.44%安、ナスダックは0.15%安く取引を終えました。

先週、医療保険制度改革(オバマケア)の代替案を下院共和党が公表、トランプ大統領が6カ国の入国を一時禁止する新たな移民政策に関する大統領に署名しました。週の最後には、FRBの利上げ観測を後押しする雇用統計が発表されました。

オバマケアに代わる「トランプケア」には反論が相次ぎ、移民をめぐる大統領令には複数の州政府が差し止め請求に動きました。雇用統計は予想を上回りましたが、非常に強いわけではなく、労働市場の脆弱な部分も示しました。ニューヨーク原油相場が節目の50米ドルを割り込んで下落したことも株式相場の軟化に寄与しました。

「FRBの利上げペース」

今週の最大の材料は15日のFRBが金融政策を決める会合(FOMC)です。FRB高官が利上げを相次いで示唆、経済指標が堅調なことから、0.25%の利上げを決めると予想されています。シカゴの短期金利先物が示唆する利上げ確率は91%まで上昇しています。

利上げが相場にほぼ織り込まれているため、利上げ決定自体は材料にならないとみられます。ただ、利上げペースについては見方が分かれています。

ゴールドマンサックスをはじめ多くの金融機関のエコノミストは、今週を含め年内3回の利上げを予想しています。一方で、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのアナリストは年内4回の利上げがあるとみています。会合後に発表される声明のトーン、同時に公表されるFRBの経済見通し、そしてイエレン議長の記者会見が年内利上げペースを占う上での材料になることは明らか。株式相場に大きく影響する可能性があります。

今週、もう一つ材料になりそうなのがトランプ政権の新会計年度の予算案です。トランプ大統領が16日に議会に提出する見通しです。これに関連したトランプ大統領の発言、議会の反応にも注目が集まりそうです。

今週はまた、海外要因もニューヨーク株式相場に影響する可能性があります。15日のオランダの議会選挙に加え、イギリスのメイ首相がEUに離脱を正式に通告する可能性があります。状況次第では、投資家心理を冷やすかもしれません。

いずれにせよ、今週は、株式相場、米国債相場、そして米ドル相場が大きく変動する可能性があります。特に週後半に動きがありそうです。また、下げが止まらない原油相場の動向も引き続き株式相場に影響しそうです。エネルギー関連株はS&P500指数の6.4%しか占めませんが、景気との連動性が高いだけに、投資家心理を動かします。

「最後の1時間」

アメリカ東部時間の午後3時からマーケットが閉まる午後4時までの1時間は、「ハッピーアワー」とウォール街で呼ばれています。このところ、ダウなどの主要な株式指数が取引終了前の1時間でマイナス圏からプラス圏に転じることが頻繁にあります。特に最近目立ちます。

バロンズは、「ハッピーアワー」の動きは、ETFとインデックス型投資ファンドの影響だと解説しました。他のファンドと異なり、取引終了前にベンチマーク合わせる調整が必要となるため、まとまった買いを入れることが多いとしています。JPモルガンの調べでは、ニューヨーク証券取引所の取引の37%が最後の30分に集中しています。最後の最後まで目が離せない。マイナス方向に調整が必要な際はどうなるのか、とバロンズが記事を結んでいます。

 
[March 13, 2017 NY 040] 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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