週刊2分でわかるNYダウ

NYダウ平均株価の情報をタイムリーに、より分かりやすくお伝えするレポート

2017/03/06 09:30勢いが止まらない

「2万1000超え」

ダウが先週、2万1000ドル台に乗せました。週間ベースで0.88%上昇しました。

月曜日と火曜日は狭いレンジで推移しました。そして、水曜日に大幅に上昇しました。先週の動きは、この1日に凝縮されていると言えます。

株価を押し上げたのは、トランプ大統領の議会での施政方針演説でした。マーケットが期待した減税やインフラ投資の具体策については言及しませんでしたが、過激さが抑えられ、全体的に前向きな内容でした。娘のイヴァンカさんがアドバイスしたと伝えられました。「アメリカの大統領らしい演説だった」と、批判的な報道が多い主要メディアが演説を評価しました。

アメリカ国内の経済指標が引き続き堅調なこと、中国の指標も悪くなかったことも株価押し上げ要因になりました。若い層に人気のソーシャルメディアのスナップチャットの親会社が株式公開、商いを伴って高い株価がつき成功したことも投資家心理の改善に寄与しました。

イエレン議長をはじめFRBの金融政策を決めるメンバーが相次いで講演しましたが、メッセージは一つ。「3月利上げ」を強く示唆しました。金利上昇は、企業負担が増えるため、株価にネガティブになることが多いのですが、「不透明感が消えた」ことをむしろ好感しているようにみえます。

先週は、S&P500とナスダックも上昇しました。4週連続の上昇。バロンズによりますと、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチのストラテジストが、S&P500の目標を従来の2350から2400に引き上げました。中堅のステフェルは、2400から2500へ上方修正しました。
 
「雇用統計」

今週は、FRBが金融政策を決めるFOMCを翌週半ばに控え、FRB当局者による政策に関する発言が禁止されるブラックアウト期間に入ります。FRB当局者の発言がないため、経済指標への注目度が増すことが予想されます。

CNBCの人気コメンテーターのジム・クレマー氏は、金曜日に発表される雇用統計が株式相場に大きく影響しそうだとコメントしました。

金融株が3月利上げ観測を背景に大幅に上昇、株式相場全体をけん引しました。クレマー氏は、雇用統計が弱い場合、3月利上げ期待が後退、金融株を中心に株式相場が大幅に下がる可能性があるとみています。10日に予定されているユナイテッド・テクノロジーズのアナリスト・ミーティングも相場全体に影響するかもしれないとコメントしました。

また、ドイツ銀行が近く、日本円に換算して1兆円規模の増資計画を発表する可能性があります。経営再建のための経費削減などが不十分だったからです。ドイツ銀の動きもニューヨーク株式市場の心理に影響する可能性があります。

「トランプ大統領」

トランプ大統領の発言、行動も引き続き株式相場に影響しそうです。トランプ大統領は先週末、選挙期間中にオバマ前大統領の指示でトランプ陣営の通話が盗聴されていたと主張しました。証拠は示されていません。根拠がない主張に民主党が強く反発していて、この問題がさらに発展する可能性があります。ロシアとの関係をめぐるセッションズ司法長官の問題もまだ続きそうです。

一方、ニューヨーク・タイムズは、今週以降、トランプ大統領が90以上の規制の撤廃や見直しに動きそうだと報じました。トランプ大統領は各政府機関に規制を点検する「タスクフォース」を新設する大統領令に署名しましたが、銃規制や鉱山など幅広い分野の規制緩和に早期に着手する可能性があります。株価に大きく影響する可能性があります。


 [March 06, 2017 NY 039] 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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