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2017/02/27 08:45気になる減税の行方とバフェット氏の手紙

「11日続伸」

堅調に推移するニューヨーク株式市場を代表する株価指数ダウ。先週最後の取引日、24日の取引終了ベルが鳴る10分前まで11日ぶりに下落すると誰もが思いました。しかし、最後の2分間で戻し、かろうじて11日続伸を達成しました。

ダウは先週1週間で0.96%上昇しました。S&P500は0.69%高、ナスダックの上昇率は0.12%と小幅でしたが、週間ベースで上昇しました。

ダウは11日連続で最高値を更新しましたが、楽観的な投資家は少なかったようです。期待しているトランプ政権の減税の行方が不透明だからです。

トランプ大統領は去年の選挙戦キャンペーン中から法人税を大幅に引き下げると公約、同時にメキシコを念頭に「国境税」を新たに導入すると主張しました。方針は就任後も変わらず、最近では法人税に加えて中間層の個人所得税の引き下げも含めた「目を見張るような税制改正」を実施すると明言しました。

しかし、具体策がなかなか出てこない。そればかりか、「国境税」をめぐりホワイトハウスと下院の間で意見の相違があると伝えられました。法人税と個人所得税の引き下げ分を補う国境税の協議が難航している。このままでは、政府の税収が減り財政が悪化してしまう。こんな懸念が生まれました。

ムニューシン財務長官は先週、就任後初めて主要メディア各社のインタビューに答えました。この中で、8月に夏休みで議会が閉会するまでに税制改正がまとまるとの見通しを示しました。しかし、ウォール街は「楽観的すぎる」として、ムニューシン財務長官の発言を言葉通り受け止めませんでした。バロンズによりますと、バンク・オブ・アメリカの調査では、議会が8月の夏休みまでに税制改正案を決めると答えたウォール街関係者はわずか23%しかいませんでした。

忍耐強かったウォール街関係者の間で、トランプ大統領の経済政策に対する疑問が生まれはじめた1週間。トランプ政権の財政政策が不透明だとしてFRBによる3月利上げ観測もやや後退しました。

「施政方針演説」

今週の最大の注目は28日火曜日に上下両院合同会議で予定されているトランプ大統領の初めての施政方針演説です。

減税についてどこまで具体的に話すか。インフラ投資に関して具体的な考えを示すか。トランプ大統領の演説が、その後の株式相場の方向を決めることになると指摘されています。演説の内容次第で株価が5%程度動くとの見方もあります。株価だけではなく、債券相場、米ドル相場などにも大きく影響することが予想されます。

「ヘッジファンド批判」

アメリカの著名な投資家ウォーレン・バフェット氏が25日、2017年のバークシャー・ハザウェイの株主総会に向けて「株主への手紙」を公表しました。

手紙の中でバフェット氏は、アメリカ経済にあらためて強気な姿勢を示しました。奇跡的な成功だとしています。注目されたトランプ大統領に関する直接的な言及はありませんでした。

今年の手紙の中で大きな紙幅を割いたのは、ヘッジファンドに対する批判でした。多額の報酬を受けとるヘッジファンドの運用成績が、マーケットの動きと連動するインデックス・ファンドより劣っていると指摘しました。その上で、過去10年で1000億米ドル以上も無駄になっていると厳しく批判しました。

バフェット氏の手紙は例年、バークシャー・ハザウェイの株主だけではなく、ウォール街関係者の全員が読むとされています。週明け27日のニューヨーク株式相場に影響することも予想されます。ヘッジファンドがどう反応するか。


[February 27, 2017 NY 038]

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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