週刊2分でわかるNYダウ

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2017/02/20 08:56政治混乱を無視する株式マーケット

「連日の高値更新」

ワシントンが混乱しています。フリン大統領補佐官の辞任をきっかけにしたトランプ政権とロシアの特殊な関係をめぐる疑惑。ニューヨーク・タイムズやCNNなどを「アメリカ国民の敵」だとしてエスカレートするトランプ大統領のメディア批判。共和党が過半数を持つ議会は、トランプ政権の擁護に忙しく、税制改正の法案づくりどころではなくなっています

こうした中、ニューヨーク株式相場が上昇を続けています。ワシントンの混乱をよそに高値を更新しました。

ダウは先週1週間で1.75%上昇、最高値を更新しました。S&P500は1.51%高、ナスダックは1.82%上昇し、それぞれ高値で1週間を終えました。時価総額が最大のアップルも最高値を更新しました。

経済指標は全体的に堅調。大型M&Aのニュースが相場を押し上げました。どれほど政治が混乱しても、株式マーケットは、減税、規制緩和、インフラ投資の具体策を忍耐強く待つ構えのように見えます。

「企業決算に注目」

20日月曜日、アメリカはプレジデンツ・デー(大統領の日)で祝日。ニューヨーク株式市場は休場です。

短い週ですが、今週は、マーケット全体に影響する可能性がある企業決算の発表が目白押しです。

21日は小売最大のウォルマート、デパート大手のメイシーズ、ダウの構成銘柄であるホームデポが決算を発表します。22日はテスラ、23日はアパレル大手のGAPと高級デパートのノードストローム、24日には小売大手のJCペニーが四半期決算を発表します。

アメリカの経済指標はやや薄め。21日のマークイット購買担当者景況指数(PMI)と24日のミシガン大学の消費者信頼感指数が材料になる可能性があります。22日公表のFOMCの議事録、FRBのパウエル理事らの講演も注目されています。

トランプ大統領は今週、裁判所がストップをかけたイスラム圏7カ国の人の入国一時禁止に替わる新たな移民に関する大統領令に署名する予定です。主要メディアが報じたドラフトによりますと、イスラム圏の他にメキシコの不法移民に関する政策も加えられる可能性があります。移民政策以外に、マーケットが期待している経済政策に関する大統領の発言があれば、相場に大きく影響する可能性がありそうです。

「2つの顔」

バロンズの最新号の表紙と巻頭記事は「トランプ大統領の2つの物語」でした。トランプ大統領が良い部分と非常に悪い部分の2つの顔を併せ持っているという内容です。

去年11月8日のアメリカの大統領選以降、ニューヨーク株式相場は、減税、大型のインフラ投資など投資家や企業の期待を生む「良い顔」を背景に大幅に上昇しました。

しかし、就任後、移民や貿易などでの保護主義色を強めました。投資家が懸念する「悪い顔」で、相場の上値を抑えました。娘のイヴァンカさんのブランドを擁護する利益相反、公私混同の動き、ロシアとの特殊な関係も、政権の行方を疑問視させる悪い部分でした。

ニューヨーク株式相場は当面、減税などの景気刺激策への期待から大きく売り込まれる可能性は低いとみられますが、トランプ大統領の「悪い顔」に揺り動かされる展開が続きそうです。

これほど政治の影響を受ける株式相場は、ニクソンとレーガン政権以来だと思います。引き続きトランプ大統領のツィート、発言に注目です。


 [February 20, 2017 NY 037] 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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