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2017/02/06 09:06トランプが揺さぶる相場、迷う投資家

「2万台に戻す」

ニューヨーク株式市場がトランプ大統領に揺さぶられています。

ダウは先週月曜と火曜の2日間で合わせて約230ドル下げました。トランプ大統領がイスラム圏7カ国の入国を一時停止したことによる混乱への懸念が株価を押し下げました。
しかし、金曜日。トランプ大統領が金融規制の緩和を表明したことが好感されて株式が買い戻されました。ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェースなど金融株が急上昇、相場全体の上げをけん引しました。

ダウは週間ベースで0.11%安。S&P500は0.12%高、ナスダックは0.11%で取引を終えました。ほぼ横ばい。トランプ大統領に揺さぶられた相場がリセットされた形です。

FRBが金融政策を決めるFOMCが政策金利を据え置き、次回3月の会合での追加利上げに関するヒントを示さなかったこと、そして、強弱感が入り混じった1月の雇用統計も相場に影響しました。ただ、投資家の関心は圧倒的にトランプ政権の動向にあることは明白でした。

「迷う投資家」

バロンズ誌は、多くの投資家が「次の株式相場の動きは上昇だ」と考えているようだと伝えました。同時に「次の下落局面もすぐそこに控えている」とみているとするモルガン・スタンレーの株式ストラテジストのコメントを紹介しました。

今週は、S&P500に採用されている企業のうち75社が四半期決算を発表します。6日発表の玩具大手ハズブロ、7日のディズニーとGM、8日のタイムワーナーとホールフーズ、9日発表のコカコーラなどの決算が注目です。

アメリカの経済指標の発表は薄め。10日発表の消費者信頼感指数が最も注目されます。

6日に予定されているフィラデルフィア連銀のハーカー総裁の講演、9日のセントルイス地区連銀のブラード総裁とシカゴ地区連銀のエバンス総裁の講演も材料になる可能性があります。

CNBCは、当面のニューヨーク株式相場について、トランプ大統領が投資家の懸念を生むツィートをしなければ、「トランプラリー」が続きそうだと伝えました。先週金曜日の上昇でテクニカル的な抵抗線を上回ったことで、株価が最高値を更新するとの指摘もあります。

今週末には日米首脳会談が予定されていますが、トランプ大統領の発言が株式相場に影響する可能性があります。通商政策で保護主義色が一段強まれば、相場が大きく振れるかもしれません。

「米ドル安論」

バロンズ誌の最新号に興味深い記事がありました。2017年は米ドル相場が下落しそうだとの記事です。

去年11月のアメリカの大統領選の後、トランプ大統領のもとでの減税、大型のインフラ投資、規制緩和などへの期待からニューヨーク株式相場が大幅に上昇しました。国債利回りが上昇、米ドル高が進みました。しかし、トランプ大統領が公約している雇用の創出と製造業の復活を実現するためには、米ドル高が障害になるとバロンズが指摘しました。トランプ大統領が新設した国家通商会議のトップが、「製造業がGDPの20%を占めるドイツ型経済を目指している」ことを示唆しているとしています。アメリカの製造業はGDPの約12%です。

トランプ大統領はすでに、中国、日本、ドイツ、メキシコなどが通貨安で輸出を有利にしているとして、米ドル高をけん制しています。「アメリカ第一主義」の公約を実現するために、米ドル政策を積極的に見直す可能性があるとバロンズが解説しました。購買力平価で米ドルは対ユーロで20%近く割高、対円では30%超も割高になっているとの指摘もあるとしています。

米ドル相場は目先、変動が大きくなる可能性があるとみる専門家が少なくありません。ニューヨーク株式相場にも影響しそうです。


 [February 06, 2017 NY 035]

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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