週刊2分でわかるNYダウ

NYダウ平均株価の情報をタイムリーに、より分かりやすくお伝えするレポート

2017/01/16 09:41迷う株式マーケット

「3つが欠けていた」

去年11月8日のアメリカの大統領選以降、トランプ次期政権の経済政策への期待から株価が急ピッチで上昇しました。2017年もこのまま上昇が続くのではないか。誰もがそう考えました。しかし、新年第2週目に早くもブレーキがかかりました。

ダウは前週比で0.39%下落、19885ドルで取引を終えました。JPモルガン・チェースとバンク・オブ・アメリカの大手2行が予想を上回る決算を発表したことで指数への寄与度が高い銀行株が上昇しましたが、それでもS&P500は0.1%下げました。ただ、フェイスブックやアマゾンなどテクノロジー株が堅調で、ナスダックが0.96%上昇、最高値を更新しました。

先週発表されたアメリカの経済指標はまずまずでした。FRBが今年3回利上げするとの見方にも変化がありません。ただ、トランプ次期政権に大きく期待した投資家が「ひとまず様子見」に変わったことを先週の相場が物語っています。

きっかけは11日のトランプ次期大統領の記者会見でした。トランプ氏が公式会見を開くのは去年7月以来で初めて。大きな期待が寄せられました。

トランプ氏は会見で、ロシアのハッキング問題からメディア、そして医薬品価格の問題まで幅広い分野について発言しました。しかし、肝心の3つの要素が欠けていました。減税とインフラ投資、そして財政出動の3つです。大統領選直後の勝利演説で強調した経済政策にトランプ氏がふれず、期待が失望に変わりました。会見前は会見待ちで動かず、会見後は様子見ムードが強まり、積極的な買いが控えられました。方向感がありませんでした。

「注目は就任演説」

今週は材料が豊富です。最大の注目は20日のトランプ第45代大統領の就任演説。会見で欠けていた3つの要素にどう言及するかが、その後の株価の方向を決める可能性があります。

月曜日16日は、マーティン・ルーサー・キング・ジュニア・デーで休場ですが、それ以降、FRB幹部の講演が続きます。17日にはニューヨーク連銀のダドリー総裁とサンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁が講演を予定しています。翌18日にはイエレンFRB議長の講演が注目されます。19日には、ボストン地区連銀のローゼングレン総裁が講演します。

19日のECB理事会とドラギ総裁の会見を受けたユーロ/米ドル相場の動きも株式相場に影響する可能性があります。

スイスのダボスでは世界の要人が参加する世界経済フォーラムがはじまります。中国の習近平国家主席が初めて出席。トランプ次期政権の対中強硬発言に関する発言があれば、相場に影響することが予想されます。マーケットには、米中間の貿易戦争への懸念が強くあります。

今週発表される決算では、17日のモルガン・スタンレーとCSX、18日発表のシティグループ、ゴールドマン・サックス、ネットフリックスや、19日のアメリカン・エキスプレス、そして20日のGEなどが注目です。

「前半高く、後半安いとの見方」

バロンズが1月9日、ニューヨークのハーバード・クラブでウォール街の有力な9人のストラテジストを招いて恒例のラウンドテーブル討論会を開きました。

強弱感はありますが、全体的に、株価は今年前半に上昇、後半は下落するというのが平均的な見方でした。年間では株価が5%下がるという弱気派と6〜7%上昇するとの強気派に分かれました。去年末は圧倒的に強気な見方が多かったのですが、やや慎重な見方に変わってきたようです。
 
[January 16, 2016 NY 032]

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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