週刊2分でわかるNYダウ

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2016/12/19 14:472017年相場に慎重ながらも楽観

「FOMCにまちまちの反応」

11月8日のアメリカ大統領選後に急ピッチで上昇したニューヨーク株式相場が一服しました。先週のニューヨーク株式市場は、FOMCのややタカ派的なトーンの声明とイエレン議長の会見にまちまちの反応を示しました。それまでは、ドナルド・トランプ次期政権への期待から金利、米ドルと並んで株式相場が上昇しました。FOMC後に金利上昇と米ドル高は継続しましたが、株式トレーダーは神経質な反応を示しました。

FOMC直後、S&P500が0.8%下げました。週間ベースでは、S&P500は0.06%下げました。ナスダックも0.13%安。ただ、ダウは0.44%高と小幅ながら高く1週間の取引を終えました。

1年前、FRBが約10年ぶりに利上げした際、ニューヨーク株式市場の主要株価指数は揃って上昇しました。利上げが予想通りだったため、影響は限定的でした。ただ、翌日、翌々日は大きく下落しました。今回の利上げも予想通りでしたが、2017年に3回の追加利上げをするとの見通しは予想外で、相場に影響しました。

「クリスマス前」

クリスマスを週末に控えた今週のニューヨーク株式市場は、売買高が細る可能性があります。特に週後半は、長い休みに入る投資家が多く、薄商いになるとみられます。

今週発表される経済指標では、21日の中古住宅販売件数、22日の耐久財受注と個人所得、23日発表の新築住宅販売件数とミシガン大消費者信頼感指数が材料になる可能性があります。また、19日(日本時間20日)には、FRBのイエレン議長がボルティモアで雇用市場について講演します。ただ、質疑応答は予定されていません。

「サンタ・トランプ・ラリー」と呼ばれる上昇相場が、今週、再開するかが注目です。ただ、CNBCのコメンテーターのジム・クレイマー氏は、先週金曜日に慎重な業績見通しを示したハネウェルが大幅に下落したことを指摘、今週も軟調になる可能性があると警鐘を鳴らしました。今週は、フェデックス、ナイキ、ゼネラル・ミルズ、マイクロン、アクセンチュアなどが業績に関する発表を予定しています。市場全体の心理に影響しそうです。

「5%上昇の見通し」

バロンズは、毎年9月と12月に、ウォール街を代表するストラテジスト10人の新年の見通しをアンケート調査しています。9月の調査時点では、慎重な見方が圧倒的多数でした。しかし、大統領選後の12月の調査では楽観的な見通しが増えました。

ニューヨーク株式相場の代表的な指数であるS&P500が、選挙後に5.5%上昇しました。年初からの上昇率は約11%。来年の上昇を先取りしたとの指摘もありますが、全体的に上昇基調が継続するとの見方が優勢です。上昇率の中間予想は5%程度。慎重ながらも楽観的な見通しです。

最も強気なのがプルデンシャルのジョン・プラヴィーン氏。GDPが3.0%成長、金融株と産業株が牽引し、S&P500が2575pまで上昇すると予想しました。

最も慎重だったのはゴールドマン・サックスのデービッド・コスティン氏。GDPの伸び率は2.2%にとどまると予想、S&P500の年末目標は2300pとしています。来年中にS&P500が2400pに達するとみるが、その後に下げに転じると予想しました。財政赤字の拡大が影響する可能性があるとしています。

ところで、バロンズの最新号の巻頭記事は、「トランプ次期大統領の保護主義的な通商政策は最悪だ」という内容でした。トランプ氏の公約の中で、株式市場が最も好んでいるのは法人税の減税ですが、逆に最も心配しているのは通商政策です。バロンズは、貿易の制限が世界のサプライチェーンに影響、世界の製造業に打撃となる可能性があると解説しました。
 
 [December 19, 2016 NY 029] 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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