週刊2分でわかるNYダウ

NYダウ平均株価の情報をタイムリーに、より分かりやすくお伝えするレポート

2016/12/12 15:31ダウ20000ドルが見えた

「最高値」

ニューヨーク株式相場は先週、最高値を更新しました。「トランプ・ラリー」が再開、金曜日に買いが加速しました。

3つの主要株価指数はいずれも過去最高値を更新しました。ダウは先週3.1%上昇し1万9756ドルで取引を終えました。S&P500は3.1%高、ナスダックは3.6%上昇しました。

11月8日のアメリカ大統領選後、セクター、銘柄によって勝者と敗者が分かれる傾向にありました。しかし、先週は入れ替えが進みました。金利上昇を背景に金融株への買いが先行しましたが、乗り遅れていたテクロノジー株への買いも入りました。幅広い銘柄がトランプ・ラリーに乗った格好です。

「イタリア銀とFOMC」

今週の最大の注目は、13日に始まるFRBが金融政策を決めるFOMCです。2日間の日程で、14日の米東部時間の午後2時に声明とFRBの見通しが発表され、30分後にイエレン議長が記者会見を開きます。いずれも株価に大きく影響する可能性があります。

特に、FOMC声明とイエレン議長のトーン、タカ派的かハト派的かに注目です。また、来年の利上げペースを占う上でFRBの見通しが株価の方向を決める可能性があります。

個別には、13日に3M、14日のGE、15日にオラクルとアドビがアナリストとのミーティングを予定しています。業績見通しが、個別にはもちろん、セクター全体に影響するかもしれません。

海外ではイタリアが注目。多額の不良債権を抱えるイタリア第3位の銀行、モンテ・パスキ銀行の動向がニューヨークにも影響する可能性があります。4日の国民投票を受けレンツィ首相が辞任しました。週末に、外相だったジェンティローニ氏が後任に指名されました。早急に組閣に取り組む構えですが、モンテ・パスキをどう扱うかに注目が集まっています。CNBCのコメンテーターのジム・クレイマー氏は、イタリア発でマーケットに激震が走る可能性があると警鐘を鳴らしました。

「あと243.15」

ニューヨーク株式市場には3つの代表指数があります。ダウとS&P500とナスダックです。マーケット関係者が最も重視するのはS&P500。ファンドマネジャーらがベンチマークにしています。ただ、最も歴史があるダウは、マーケット関係者だけではなく、幅広い層がニューヨーク株式相場を象徴するものと考えています。

ダウという名称は、通信社のダウ・ジョーンズが由来です。1882年に、チャールズ・ダウ、エドワーズ・ジョーンズ、チャールズ・バーグストレッサーの3人が設立したダウ・ジョーンズは、当初、ウォール街に手書きの経済ニュース・レターを配布していました。1889年にはウォール・ストリート・ジャーナルを創刊しました。

1896年5月26日に、現在につながる株価指数が初めて公開されました。当初は12銘柄。現在のダウの構成銘柄で残っているのはGEだけです。エジソンはやはり偉大です。1928年には30銘柄に増やされましたが、その際に採用された1社が現在もダウの構成銘柄であるエクソン・モービル。最も歴史が浅い構成銘柄は2015年に採用されたアップルです。

そのダウが20000ドルの大台に迫っています。大統領選後は、ゴールドマン・サックス、JPモルガン・チェース、アメリカン・エキスプレス、トラベラーズの金融4社の上昇が大きく寄与しました。大台まであと243.15ドル。近く達成する可能性があります。

バロンズの最新号の巻頭記事は「ダウ20000に備えよ」でした。30のブルーチップ(優良銘柄)で構成されるダウは、S&P500とナスダックのパフォーマンスを上回っていますが、今後もその状況が続きそうだと解説しました。トランプ次期大統領の政策で、アメリカを代表する企業が最も恩恵を受けやすいと見られているからです。
 
[December 12, 2016 NY 028] 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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