週刊2分でわかるNYダウ

NYダウ平均株価の情報をタイムリーに、より分かりやすくお伝えするレポート

2016/12/05 10:15ダウ20000ドルに向かうか

「疲労感」

アメリカの大統領選で共和党のドナルド・トランプ氏が勝利して以降、ニューヨーク株式相場は3週連続で上昇しました。しかし、先週はやや一服しました。ファンドマネジャーらがベンチマークにしている株価指数S&P500は、週間ベースで0.97%下落しました。

30のブルーチップ(優良銘柄)で構成されるダウは0.10%(18ドル)の上昇、ほぼ横ばい。ナスダックは2.65%安で1週間を終えました。

Barron’sは、急ピッチに上昇したため、疲労感が出ているとする投資家の見方を紹介しました。一方で、セクターのローテーションが進んでいるとも解説しました。テクノロジー株が売られる半面、金融と素材株が上昇。また、PER(株価収益率)が10倍以下の割安株が大幅に上昇する一方、20倍超のテクノロジー株は上値が重いとしています。

「イタリアに注目」

今週前半のニューヨーク株式市場は、イタリア国民投票の結果の影響を受けそうです。上院の権限を縮小するための憲法改正の是非を問うものですが、否決された場合、レンツィ首相が辞任する意向です。イタリアの銀行株の多くは年初から約50%下落しましたが、国民投票の結果次第では、さらに不安定になることも予想されます。ニューヨーク市場の金融株にも影響しそうです。

アメリカの経済指標は薄め。個別には、コストコ(小売大手)などが決算を発表します。

FOMCを翌週に控え、月曜日に予定されているニューヨーク連銀のダドリー総裁、シカゴ地区連銀のエバンス総裁、そしてセントルイス地区連銀のブラード総裁の講演が材料になる可能性があります。

OPEC総会後に大幅上昇した原油価格の動向も引き続き株式市場全体に影響するとの指摘もあります。

「ダウ20000ドル」

アメリカのビジネス・スクールで、評価と人気がともにナンバーワンなのはペンシルバニア大学のウォートン・スクール(Wharton School)です。トランプ次期大統領と長女のイヴァンカさんも卒業生です。

そのウォートン・スクールのジェレミー・シーゲル教授は、今年の早い段階で、ダウが年末までに1万9000ドル台に上昇すると予想しました。弱気予想が多かった中で、シーゲル教授の超強気予想は注目を集めました。シーゲル教授はいま、ダウが年末までに2万ドルに達する可能性があると見ています。

CNBCに出演したシーゲル教授は、トランプ次期政権への期待を背景にした上昇はまだ初期段階にあり、12月に5%上昇する可能性があると述べました。ダウは2万ドル、S&P500は2300pまで上昇するかもしれないとしています。

CNBCはまた、クレディスイスのストラテジストが、トランプ・ラリーが2017年半ばまで続き、S&P500がいまの水準から7%上昇すると予想していると伝えました。顧客向けメモでコメントしたもの。トランプ次期政権の政策でインフレ率が上昇、株価を押し上げると分析しています。S&P500が2350pまで上昇する可能性があると予想しました。

ただ、クレディスイスは2017年下半期に相場がやや下げる可能性があると見ています。ゴールドマン・サックスも同様の見通しを示しています。
 
 [December 05, 2016 NY 027] 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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