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2016/11/21 14:38これまでとは違う株高とハミルトン

「ドル高・金利上昇・株高」

アメリカの大統領選でドナルド・トランプ氏が勝利して以降、米ドル高と金利の上昇が進みました。先週のマーケットでもその基調が続きました。

先週ダウは0.11%高と小幅ながら上昇、1万8867ドルで取引を終えました。S&P500は0.81%高、ナスダックは1.61%上昇しました。その前の週と比べ、ダウよりS&Pとナスダックの上昇率が高かったのは、出遅れていた小型株やテクノロジー株が買い戻されたからです。ラッセル2000は11日連続で上昇しました。

Barron’sは、米ドル相場が高くなり、金利が上昇する局面では、これまで株式相場が下落する例がほとんどだったが、今回は違うと指摘しました。これは、トランプ次期政権の景気刺激策への期待感を背景に、経済が堅調に成長し、米ドル高のリスクを相殺するとの思惑があるからだと指摘されています。債券市場から株式市場へ資金がシフトしているとの指摘もあります。

「感謝祭ウィーク」

今週24日木曜日はサンクスギビング・デー(感謝祭)でアメリカは連邦祝日。ニューヨーク株式市場が休場になります。宗教色や政治色がない感謝祭は、アメリカで最も好まれる祝日の1つ。里帰り、もしくは遠く離れた親族や友人を訪ねる人が多く、1週間を通して休みになる学校もあります。マーケット参加者が減り、薄商いになる可能性があります。

CNBCは、来週もトランプ次期政権への期待を背景にした米ドル高・金利上昇がテーマになりそうだと伝えました。最高値圏にある株式については、急ピッチで上昇したセクターへの買いが一服するかどうかが注目されるとしています。一方、Forbesは、「チャート上は株売りのシグナルが出ておらず、上昇がしばらく続く可能性がある」とする専門家のコラムを掲載しました。

今週月曜日、FRBのフィッシャー副議長が講演を予定しています。火曜日は中古住宅販売件数、水曜日は耐久財受注とミシガン大学消費者信頼感指数、それにFOMC議事録が材料になる可能性があります。感謝祭明けの金曜日は、サービス業のPMIが発表されます。

「100年債の可能性」

ニューヨークのブロードウェイで、ミュージカル「ハミルトン」がヒットしています。アメリカ合衆国の初代財務長官、アレクサンダー・ハミルトンをテーマにしたものです。10米ドル紙幣に描かれたあの人です。

人種差別などの批判も少なくないのですが、中央銀行の設立や米ドル硬貨の発行などハミルトンの功績は多いとされています。財政の基礎もつくりました。1791年に議会に提出した「Report on Manufactures(製造業に関する報告書)」が産業の発展に繋がったとの歴史的解釈もあります。

Barron’sの最新号の表紙と巻頭記事は、100年債についてでした。トランプ次期大統領は、勝利演説で、全米の道路、橋、空港、病院などを整備する大規模なインフラ投資をする考えを示しました。減税も公約しています。当然、財源の確保が必要になりますが、低金利の環境を活かして、100年債を発行してはどうかというものでした。独立戦争に絡む借金を画期的にまとめ財源を確保したハミルトンを財務長官に持ったジョージ・ワシントン初代大統領を、トランプ次期大統領が羨ましく思っているのではないかとしています。

米国債の中で最も長いのは30年債です。一方、アイルランド、ベルギー、メキシコなどでは100年債、また、スペインやイタリアは50年債を発行しています。

18日夜、ミュージカル「ハミルトン」の舞台が終了後、キャストの1人が会場にマイク・ペンス次期副大統領がいることに気づきました。舞台挨拶で「新政権はすべてのアメリカ人のために働いてほしい」とペンス氏に訴えました。ハミルトンにあやかり「国家100年の計」を示してほしいということでしょうか。
 
[November 21, 2016 NY 025]

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Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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