岡村友哉の日経225ここだけの話

岡村友哉がお届けする一週間の予想レンジと市況情報。

2018/05/28 13:08今週の最大の焦点は31日(木)に控える需給イベント

日経225 現物指数 終値22450.79円(5月26日)
安値 22318.15円(5月26日)/高値 23050.39円(5月21日)

(日経225 日足チャート 25日線付)
期間:2017/1/1~2018/5/25

(先週の振り返り)

「マーケットが無駄に活気付かない」を前提としてきましたが、2カ月ぶりに活気付き、想定していたレンジの下限を割り込んでしまいました。米ドル/円、日経225とも突然逆流を始め、日経225は週間では9週ぶりに下落。ゆっくり上げて、素早く下げる・・・日経225は、いつもこれです。週初23000円台に乗せましたが、結局、日経225の終値23000円台は1日天下でした。

週初21日(月)は、米ドル/円の上昇を追い風に好発進となりました。イタリア国内の政局不透明感からイタリア株が売られ、イタリアの10年債利回りが2.2%台に上昇。リスク回避の資産は、イタリアやスペイン、ポルトガルからドイツ、フランスなど安全な方へ資金移動します。同じようにユーロ売りで、それに対する資金流入先として米ドルが選好されます。この流れで生まれた米ドル高基調が日経225には支援材料に。この日の日経225は節目の23000円台を奪回、一時23050円(結局これが週間高値になりましたが・・・)を付けます。薄商いのなか、緩やかな先物買い(おそらく外国人)による堅調地合いが続きます。

22日(火)・・・この日が今年最小の値幅でした。日経225の上下値幅は78円、東京時間は完全なる静寂(今思えばこれが布石だった?)。前日夜のNYダウは298ドル高。米中貿易戦争は当面保留するとムニューシン財務長官が発言したことなどが好感されたようです。日経225もしっかりで始まりましたが、上げた分を溶かしたのは後場。日経225売りで下げたというより、日経225高ウエイト株のユニー・ファミマ株が、理由なく後場急落したため(直近で株価が大きく上がっていた反動のような動き)。この1銘柄の下落分だけで、この日の下落幅42円は説明できました。

豹変したのが23日(水)。前日にイタリア国債が下げ止まり、ユーロ売りも一服。その裏返しで米ドルは売られ、米長期金利も上昇一服。また、トランプ米大統領が米朝首脳会談の開催延期の可能性を示唆したこともあり、朝から防衛関連株が買い優勢に。日経225は寄り付き100円弱の下落でスタートします。この時点ではその程度の下げで済むかと思われていましたが、きっかけを作ったのは10時過ぎに突然やってきた日経225先物売り。価格より約定させることを優先しているような売り方でガンガン下値を叩きます。ここ最近のゆったりした動きに慣れていただけに、ひさびさの売り崩しが大きなインパクトに。ひさびさに300円を超える値幅となり、日経225は前日比270円安。前日に今年最高の12.7倍台に乗せていたNT倍率も低下し、これまでの戻り相場の逆流が起きました。

公表された5月開催分のFOMC議事要旨では、次回6月での利上げを示唆したものの、全体的には想定されていたよりハト派的な内容でした。米長期金利は時間外で節目の3%を割れ、米ドル/円もあっさり110円割れ。24日(木)も前日同様、軟調なスタートになります。さらにこの日は、トランプ米大統領が自動車に対する関税引き上げを検討(2.5%→25%)していると報じられたことで、トヨタ自動車などの自動車株に強い圧力もかかります。トヨタなど自動車株は多くの機関投資家が保有していますから、輸入関税の話に対するヘッジ売りで指数先物が売られた面もあったかもしれません。ただ、結局この日も前日比252円安と終日では大きな下げに。しかも、下げ幅を広げる場面は、前日同様、先物売り主導。さらに、この日も前日同様、10時過ぎに約定優先の売りが入り崩れました。

ベア地合いへの反転、先週における陰の極みは、夜間取引の安値22080円でした。トランプ米大統領が米朝首脳会談は「いまは不適切」として中止する考えを表明。これを受けた初期反応でNYダウは一時280ドル安、日経225先物も連れ安しました。ただ、NYダウは結局75ドル安まで下げ幅を縮小。地政学リスクが蒸し返されたとはいえ、若干織り込み済みの気配も漂わせつつ25日(金)の取引が始まります。東京時間では、現物市場が始まった直後に22318円を付けますが、これが日中安値に。連日で10時過ぎの先物売りで崩れたため、この日も警戒されましたが・・・10時過ぎの先物売りが来ないことを確認すると安心感からか買いが集まる場面もありました。なお、前場のTOPIXは0.21%安で、日銀ETF買いも発動。結局、23日から3日連続日銀ETF買いの手を借りる格好に。

(今週の見通し)

静かな地合いにさざ波が立ったのは、米朝首脳会談見送り表明(地政学リスク↑)と自動車の輸入関税引き上げ(貿易摩擦リスク↑)報道がきっかけ。いずれもトランプ米大統領発で、いわゆるトランプリスク↑で日経225は売られ、米ドル/円は下げました。米朝首脳会談については、週末27日にトランプ大統領がツイッターで「北朝鮮には経済が発展するポテンシャルがあると信じている」などとつぶやき、見送り表明から一転、開催されるのでは?との見方にまた傾いています。トランプ政権のチームが設営準備で北朝鮮側と協議するため、シンガポールに向かうとも発表されています。ただ、これも6月12日まではっきりしません。

自動車の輸入関税引き上げについては、トランプ大統領が先週商務省に、自動車の輸入増加が安全保障上の脅威になっていないかについて調査を要請しました。この調査自体が数カ月かかると言われていますので、日本の自動車株を積極的に買えないモヤモヤが当面残ります(自動車株が軟調ではTOPIXの上値が重い)。今週も、この2つの蒸し返されたリスクに関して、トランプ大統領の言動に振り回される形になりそう。先週22日(火)まで低ボラで薄商いの戻り相場を続けてきましたが、攪乱要因が生じ、ボラが復活し、日経225先物の商いが増加。放っておけばジワジワ上がるという地合いでは無くなりました。

トランプが今週はどう動くか?こんなことは予想してもほとんど意味が無いので排除すると、今週の最大の焦点は31日(木)に控える需給イベントといえます。この日の大引け(終値)で、MSCIの定期見直しに伴うリバランスが行われます。今回、MSCI Japan指数の時価総額がグローバル全体では減少になります。新規採用銘柄(サイバー、小林製薬、東京センチュリー、SGHD)は買われ、除外銘柄(ミクシィ、九州FG、八十二)は売られ、その他FIF(組入れ係数)変更や株数変更分を全てリバランスすると、日本株から「3000億円~3600億円」の資金流出要因になるというもの。

売り越し額としてはかなり大きく(日銀ETF買い4発~5発相当)、この需給イベントを目がけたプレポジション(例えばサイバーや小林製薬などを買い、ミクシィや九州FGなどを売る)が組まれた形跡はかなり濃く出ています。このプレポジションを組むと、それだけで日経225など日本株全体は売りになります。おそらく、先週水曜日、ヘッジファンドによる突然の先物売りで崩れた理由にも、この影響は大きいものと見られます。ただ、このポジションは、5月31日を目がけて組まれています。イベントドリブンであるとすれば、実際にパッシブファンドの売りが入るところで、手持ちの売りポジションの買い戻しをぶつけるものと想定されます。31日まで気になるネガティブ要因ながら、31日の手前、もしくはリバランスが発生する大引けで強いリバーサルがかかる可能性もありそう。先に売られた可能性は高いため下値は限定的と考え、今週の想定レンジは22100円~22900円に、今後1カ月のレンジを21900円~23100円とします。

(おしまい)

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