岡村友哉の日経225ここだけの話

岡村友哉がお届けする一週間の予想レンジと市況情報。

2018/05/14 16:39米国株の好地合いは持続、日経225も戻りを試す動きか

日経225 現物指数 終値22758.48円(5月11日)
安値 22350.91円(5月7日)/高値 22769.16円(5月11日)

(日経225 日足チャート 25日線付)
期間:2017/1/1~2018/5/11

(先週の振り返り)

相当に地合い環境は良くなっていますね。日本は決算発表シーズン真っただ中、ということもあって、個別株に対する慎重姿勢が全体の上値を重くした部分もありますが、日経225はすこぶる堅調。これで週間でも7週連続上昇になりました。7週連続の上昇は、昨年9月第2週~11月第1週の9週連続上昇以来。このときといえば、日経225が歴代最長となる16連騰を達成した時期です。これ、どう考えても、売ってはダメな地合いなわけで・・・。

GW明けの7日(月)は、買い優勢で22500円台に乗せてスタート。連休中に米ドル/円の上昇は一服しましたが、前週末にNYダウが332ドル高となるなど、米国株の上昇(とりわけアップルの大幅上昇)が朗報でした。ただ、東京時間の9時開始直後から急にトーンダウン。日経225先物売り/円買いの同時進行で、一時22350円(これが先週の安値)まで下落します。米中貿易摩擦の懸念が理由だとか、イベント(FOMCや雇用統計)通過で手仕舞いだとか言われていましたが・・・。ただ、前場のTOPIXが0.41%の下落となり、日銀のステルス・テーパリング疑惑も浮上していたETF買いが今月初めて発動。ひさびさの登板ながら、ブランクを感じさせない投球(?)で、後場は下げ幅縮小(結局この日は5円安)。

7日の夜、トランプ米大統領はイラン核合意からの離脱に関する判断を、日本時間の9日未明に発表するとツイッターで表明。イラン合意から離脱し、経済制裁が発動した場合は中東情勢リスクが高まります。イランの原油供給が減少するとの見方でWTI原油先物は上昇。終値で3年5カ月ぶりとなる70ドル台に乗せました。原油高によるコストプッシュ型のインフレは、コスト面で景気の下押し要因になります。ただ、この日の米国株が上昇したように、マーケットでは原油価格の上昇を株買い要因とする傾向が出ていました。例えば、原油高で産油国の政府系ファンドがリスク資産を買う、といった思惑が先に働くためです。8日(火)の日経225も、地政学的リスクには目をつぶる格好で、リスクオン寄りの展開に。前日比41円高、終値ベースでも22500円台を回復しました。

トランプ米大統領が、イランの核合意からの離脱を正式表明。経済制裁の発動後、イランがどう動くのか?中東の地政学リスクの高まりを無視するわけにはいかないものの・・・9日(水)も日経225は大きな崩れにはならず。前場のTOPIXが0.47%安だったことで、日銀ETF買いも発動しました。それよりも、この日市場の関心は、異例となる場中(13時25分)の決算発表を予定していたトヨタ自動車株に集中していました。そのトヨタですが、市場予想を上回るガイダンス、さらに自社株買い枠(3000億円)設定を発表したことで大幅に上昇。ただ、トヨタの「好決算→株価上昇」が、日経225など全体の押し上げにつながる、というような幻想的な世界にはならず・・・。買いがトヨタに集中する一方、日経225は逆に下げ幅を拡大(日経225のウエイトがそもそも低いため関係ない)。99円安で取引を終えました。

10日(木)も、良好な外部環境に背中を押され、日経225は堅調でした。原油が上昇すると、米長期金利が上がります(再び3%台乗せ)。長期金利が上がると、実質金利が押し上がるため米ドル/円も上昇(一時110円乗せ)。また、期待インフレ率が高まるため、リスク資産の株も選好されます。こういうのは、単にいいとこ取りではあるのですが、ボラティリティ低下でリスク許容度も上がってきたなか、日経225にとって好都合の環境となっています。前日の下げ分を取り返す88円高に。

強い米国株に引っ張られる地合いは週末まで継続しました。10日に発表された米4月のCPI上昇率が市場予想を下回ったことで、米長期金利は低下。米国ではハイテク株が強く、アップルは8連騰で190ドルに乗せました。11日(金)は、5月のミニSQ。SQに関連する注文は1000億円弱と少なかったものの、日経225型は200億円強の買い越しだったと観測されており、寄り付きからSQ要因の押し上げもありました。今週の高値を更新する22573円で寄りつくと、買い戻しを誘う形で上げ幅を拡大。完全に外部環境の好転を理由に上げている相場ですので、週明けの日経225についても、確率的には「ギャップアップ>ギャップダウン」を考える必要があります。そのため、週末の手仕舞いも、売り方のポジション手仕舞い(=買い戻し)が中心になりやすく、大引けまで好地合いは継続。ほぼ高値引けで、4月18日以来の「前日比1%以上の上昇」につながりました。


(今週の見通し)

先週末も米国株の好地合いは持続しています。今回の戻り相場のシンボルストック、米アップルこそ9日ぶりの反落となりましたが、NYダウは先週末で7連騰。7連騰は今年初です。ボラティリティも低下を続けていて、VIX指数は7日連続で低下(先週末終値は12.65)。激昂したボラティリティが鎮まったこと・・・これが今回の戻り相場が持続している理由です。

そのなかにあって、日経225も戻りを試す動きを続けています。先週末には、2月の急落以降の高値を更新。この3カ月の高値にあるということで、売り方と買い方でどちらが不利か?となると、間違いなく売り方ですよね。つまり、需給環境もいいということです。これも、下がりにくい理由になっています。

それ以外に日本固有の評価すべき側面は無いのか?といえば、そうでもありません。外国人売りで崩れていた3月にかけて、日本では「ガイダンスリスク」が相当意識されていましたよね。円高の影響を輸出企業が食らうことで、日経225の予想EPSも低下するだろう・・・と。

実際、5月9日の予想EPS1722.44円に対して、トヨタの決算発表翌日の5月10日には「1659.08円」に低下しました。トヨタの今期純利益予想が前期比で3740億円減益だったこと、あとはソフトバンクGが同7390億円減益になることが理由です。ただ、トヨタについても、想定為替レートを105円に置いていることが減益理由であって、米ドル/円が109円台で推移している現状は悲観する向きも消えています。

ソフトバンクGにいたっては、会社側が業績予想を出しておらず、日経予想の今期純利益3000億円予想(前期実績は1兆390億円)を採用したことが理由。ここまで大幅減益にはならないのでは?と市場は見ており、数字自体が眉唾モノ。全体で見ると、既にガイダンスを示した日経225採用の3月決算銘柄155銘柄のうち、3分の2の100銘柄が増益予想になっています。そこまで悪くない・・・ガイダンスリスクも警戒し過ぎた面がアンワインド理由ともいえます。

日経225のショートポジションを持っている投資家、売りを仕掛けたい投資家にとって、売りで攻めるための口実(ネタ)が無くなっている状態。2月の急落時の真空地帯に入ってきたことで、戻り売り圧力が大きいとも言えないことを考慮し、今週の想定レンジは22500円~23100円に、今後1カ月のレンジを21900円~23600円とします。

(おしまい)

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