岡村友哉の日経225ここだけの話

岡村友哉がお届けする一週間の予想レンジと市況情報。

2018/05/01 17:11ボラティリティの低位安定が続き、手掛かり難のままGW週に突入

日経225 現物指数 終値22467.87円(4月27日)
安値 22065.52円(4月23日)/高値 22495.56円(4月27日)

(日経225 日足チャート 25日線付)
期間:2017/1/1~2018/4/27

(先週の振り返り)

外部環境面のコンディションが良く・・・戻りを試した日経225。先週から国内企業の決算発表シーズンが本格化しました。“ガイダンスリスク”がこれまで警戒されてきましたが、こちらは警戒するに値するほど濃淡くっきり。決算通過で急上昇した銘柄、急落した銘柄・・・ただ、それをひっくるめて日経225は週間で305円上昇しました。ひとえに、想像以上に進んだ米ドル/円上昇に助けられたといえそうです。

前週末、原油の急ピッチな上昇もあって、インフレ率の上昇を織り込む形で米長期金利が上昇(一旦ピークを打ったと見られた2月の2.94%を超えて2.96%に)。米ドル/円も108円の手前まで上昇していました。また、北朝鮮が核実験や大陸間弾道ミサイルの発射実験中止を表明したことも追い風。でしたが・・・、週初23日(月)の日経225は小安く推移します(前日比74円安)。日経225を取り巻く環境は改善方向ながら、そのプラス分を打ち消したのは、構成銘柄の東京エレクトロンなどハイテク株が軟調だったこと。台湾のTSMCの売上見通し悪化から、米アップルのiPhoneの需要鈍化が市場で気にされ始めました。米モルガンがiPhoneの出荷台数予想を引き上げたこともあり、アップルの株価が大幅安。指数を取り巻く環境は改善方向でも、決算発表シーズンを前に“アイフォーン・リスク”が台頭・・・そんな週明けとなります。

24日(火)は、3日ぶりに反発(前日比190円高)。前日夜の米国株は引き続き軟調ながら、心配の種となっているハイテク株の下げが小幅にとどまったほか、FANG銘柄の中で引け後に決算発表したアルファベットが時間外で4%高と好反応になったことも追い風に。米長期金利が2.99%まで続伸し、米ドル/円も109円目前に急伸。金利高に反応して金融株の買い(買い戻し)が継続したほか、円安で輸出株もしっかりでした。

日経225が異様な底堅さを発揮したのが25日(水)。前日のNYダウが、一時600ドル超える下落場面を作る大幅安に。米長期金利が4年3カ月ぶりに3%台乗せ、2年債利回りも2.5%台乗せで、米国株は金利上昇の洗礼を浴びる格好となります。ひさびさの米国株急落に無傷でいられるわけもなく、夜間の日経225先物終値は(前日の日中終値比)210円安の22070円でした。ただ、東京時間が始まると、強めのディフェンシブ株買いで指数は支えられる格好に。また、市場が冷静さを保てたのは、ボラティリティがさほど上がっていなかった点が大きそう。「金利高/株安」の組み合わせは2月以来ですが、2月の急落時と異なり、上がったといっても昨晩のVIXは18程度でした。米系証券経由の先物買い(戻し?)も観測され、NYダウ400ドル超下げの翌日ながら、この日は62円安に踏みとどまります。

26日(木)は、米ドル/円の上昇継続、NYダウの6日ぶりの反発など外部環境の支援もあり反発。決算発表したフェイスブックやクアルコム、インテルなどハイテク株が、時間外で揃って上昇していたことを受けて、同日夜の米国株上昇まで先取れる格好に。また、国内の決算発表では、前日に発表した日経225採用の値がさ株東京エレクトロンが大奮闘。アナリスト予想を上回る強い期初計画を出したうえ、今期の大幅増配も発表したことで一時10%を超える急騰になります。この1銘柄で日経225を60円押し上げたこともあって、前日比104円高、2万2300円台で取引を終えます。

外部環境好転の後押しは続きます。米長期金利の上昇に一服感が出たこともあり、前日のNYダウが238ドル高と大きめの上昇(VIXは16.24へ大きく低下)。決算発表したFANGの一角アマゾン・ドットコムが時間外で大幅上昇していることも追い風に。東京時間に入ると、世界中が注目した歴史的イベントである南北首脳会談が無事実現。朝鮮半島の地政学リスクが落ち着いたこともプラス材料。国内の決算発表では、前日に発表した日経225高ウエイト株ファナックが急落し(ガイダンスへの失望で9%安)、1銘柄で日経225を90円押し下げます。ただ、これも同じく決算発表銘柄から京セラが12.6%高で日経225を58円押し上げるなど、明暗それぞれで相殺し合う格好に。

南北首脳会談と個別株の激しい動きに視線を奪われ、完全に存在が霞んでいたのが日銀会合でした。黒田総裁2期目、そしてリフレ派の若田部副総裁就任後で初の会合でしたが、12時過ぎに出た結果は金融政策の「現状維持」。結果判明直後も日経225先物は全く出来高が増えていませんでしたので、全く注目されていないと断言できそうです。全く出来高が増えないということは、日銀会合でイベントドリブンをしている市場参加者が皆無ということ(事前に日経225の売りや買いを作っておいて、結果が出たところで反対売買する=日銀プレー)。なお、4月の展望リポートで「2019年頃」としていた物価目標の達成時期を削除しました。これはサプライズでしたが、株の参加者は「金融緩和の長期化」的に都合良く解釈していた様子で・・・週間高値をこの日の午後更新し、日経225先物については22510円の高値引けで終えました。


(今週の見通し)

ボラティリティの低位安定が続いています。この3連休中も、NYダウは2営業日分で160ドル程度下げましたが、VIX指数は15ポイント台と低水準。南北首脳会談による朝鮮半島情勢の改善を受けた米ドル/円の上昇もあり、日経225も落ち着いた展開が予想されます。今週は2営業日だけ、しかも1日に米アップルの決算発表があり、2日にはFOMC、4日に雇用統計があります。ボラティリティの低位安定は今だけだろう?と思われるかもしれませんが、2月の急落時のようなボラティリティの急上昇発のベア相場入りを心配する必要もなくなってきました。

というのも、2月の急落前まで、1年以上かけて醸成された適温相場は、ボラティリティにまつわるポジションが関係していました。以前にも紹介しましたが、長い時間をかけたボラティリティ低位安定相場により、ボラティリティ(VIX)をショートする“セルボラ”という戦略が流行していました。投機筋のVIX先物のポジションが開示されますが、CMEのVIX先物については、2017年の年初~今年2月にかけて常時10万枚前後の売り越しとなっていました。

VIXを売る戦略が流行っていたところで起きたVIX上昇で、VIXショートの買い戻し(=VIX上昇要因)がVIXを急騰に向かわせ、これが米国株の下落をより大きくした側面があります。そのVIX先物については、2月の急落直後にショートポジションが解消され、現状は10万枚弱のロング超過が続いています。この状況では、株価が下落してVIXが上がっても、VIX先物のポジション解消を通じてVIXがさらに上がる可能性は極めて低いといえます。

2月の急落による教訓で、デリバティブ発の指数乱高下の可能性が低下しています。この過程で、日経225も同じように買い戻され、ボラティリティが低下し、指数もジワジワと上がってきました。こうした動きが一巡したなかにあって、手掛かり難のままGW週に突入しているわけです。これでは大きく動きそうにもありません。

国内要因では、国内企業の決算発表に注目が集まります。1日の東京市場では、ソニーが決算失望で売られましたが、そもそも日経225ウエイトが低いため指数への影響は軽微。日経225のウエイト上位株では、ファストリやファナックは決算発表を終えていますので、残すは10日予定のソフトバンクグループ程度。ただ、心配されたガイダンスリスクについても、決算発表タイミングで都合良く米ドル/円は109円台を回復し、為替サイドから不安が後退するラッキーな展開にもなっています。売買が少ないことで、今週付ける値段に意味は無さそうですが、想定レンジは22300円~22700円に、今後1カ月のレンジを21500円~23500円とします。

(おしまい)

※当レポートは、投資や運用等の助言を行うものではありません。また、お客様に特定の商品をお勧めするものでもありません。

※当レポートに記載する売買戦略はテクニカル指標その他を基に客観的に判断しているものであり、相場の行方を決定付けるものではありません。最終的な投資判断はご自身の意思判断によりお取引いただきますようお願いいたします。

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