岡村友哉の日経225ここだけの話

岡村友哉がお届けする一週間の予想レンジと市況情報。

2018/04/16 13:02目先は2万2000円台の奪回を試しそう

日経225 現物指数 終値21778.74円(4月13日)
安値 21517.77円(4月9日)/高値 21933.99円(4月10日)

(日経225 日足チャート 25日線付)
期間:2017/1/1~2018/4/13

(先週の振り返り)

ナンダカンダありながら、3週連続で日経225は上昇。上値は重くても、下値も驚異的に堅いぞ!・・・これは誰もが認めるところになってきたところ。ただ、繰り返しになりますが、上値は重い・・・結局、株式市場の参加者は、1週間通じて“マネックス株に全員集合!”状態でした。

週初9日(月)は、前週末のNYダウがまたしても大幅安(前日比572ドル安)となったことを受けて安く始まります。ただ、時間外取引の動きを見ながら、最近の東京時間は「今晩のNYダウは上がりそう/下がりそう」の先読みタイムとなっています。この時の572ドル安も、大半は先に織り込み先に日経225は下げていた分、ダメージは軽微。むしろ、8日にトランプ米大統領がツイッターで、中国の習近平国家主席を「常に友人だ」と表現し、米中貿易摩擦の問題を和らげようとする姿勢を示したことで、懸念後退からリスクオンムードに。時間外の米国株指数先物も上昇しており、先読みタイムの東京時間は、ローソク足で「陽線」を引く強い動きになります(前日比110円高)。この日まで、日経225のローソク足は「陰線→陽線→陰線→陽線・・・」と交互に示現。いわゆる“鯨幕”と呼ばれる相場付きで、多くの市場参加者が「上がるか下がるか判断に迷っている」ことを表しています。

前日に米国株の上昇を先読みして上がっていた日経225。その夜のNYダウは、大幅高した後で失速し、結局は小幅高でした。もう少し上がることを想定して先回っていた日経225は、前日やり過ぎた分を溶かす形で朝方は下落します。この日から、市場の警戒ネタは米中貿易戦争懸念からシリア情勢へ中心軸がシフト。シリアの化学兵器使用疑惑を巡り、国連安保理が緊急会合を開催。米国がシリアへの報復を示唆(トランプ米大統領は「48時間以内に大きな決断を下す」と閣議で発言)したほか、アサド政権を支援しているとしてロシアも非難。ロシアの株価指数RTS指数が前日に急落(11%安)していました。

トランプ米大統領がシリアに対して、どういった軍事行動を起こすのか?・・・1年前にシリアに空爆した前例があるだけに、この問題のヘッドラインが流れるリスクで市場は様子見気分を強める状況。そのなかにあって、この日ヘッドラインで飛び込んできたのは、米中貿易戦争懸念を大きく後退させるヘッドライン。米中貿易摩擦が激化して以降、初の公の場で習近平国家主席が発言(ボアオで開催されたアジアフォーラムの講演にて)。「中国市場を外資にさらに開放する」「自動車などの関税を下げて、輸入を拡大する方針」と述べたことを受け、米中で繰り広げてきた出来レースもそろそろ終焉・・・を嗅ぎ取った短期筋が、米ドル/円買い、日経225先物買いに動きます。このネタでショートを積み上げていた短期筋も相当多かったのか、売り方の踏みも巻き込む格好で、今週の高値21933円まで上昇(終値は116円高の21794円)。なお、前場のTOPIXは0.17%安でしたが、日銀のETF買いは見送られていました。

11日(水)は小幅高でスタートするも、すぐにマイナスに転じるとそのまま反落で終了。習近平国家主席の発言を引き金に貿易戦争懸念が後退したためか、これまでのポジションの巻き戻しがメインに。ヘッジファンドがこれまで作ったロングショートは「内需ディフェンシブ買い/輸出株売り」が多かったとみられ、その巻き戻しで内需ディフェンシブが弱く、輸出株が強い物色の変化は見られました。ただ、こうしたロングショートのアンワインドは、何かを買い戻して何かを売るため、資金の流出入は伴いません。指数が大きく上下しないのも、そのためです。

12日(木)も市場参加者はシリア情勢を気にしつつ、売り買いとも手控える様子見姿勢が主流となっているためか、薄商いで指数はあまり大きく動かず。前日にトランプ米大統領がツイッターで「ミサイルが来る。準備するがいい、ロシアよ」とシリアへの軍事行動をほのめかし、ロシアも挑発。ただ、こうしたトランプ大統領の場当たり的発言に、イチイチ反応する不毛さを多くの市場参加者が悟ったのでしょう。米ドル/円も日経225も大して動かず・・・。なお、この日の前場のTOPIXは前日比0.21%安ながら、日銀ETF買いは入りませんでした。「前場0.2%以上の下落で発動」の条件に何か変化があったのでしょうか?

その後、トランプ米大統領が「シリア攻撃の時期は言っていない」「すぐかもしれないし、そうでないかもしれない」とツイート。また、TPPへの復帰を条件付きで検討することを示唆したとも伝わり、13日(金)の日経225には追い風となります。米ドル/円も上昇方向で反応しており、日経225は10日に付けた4月高値21933円に接近。ただ、場当たり的なトランプ大統領の発言は買い転換の決め手にはならず、結局は上げ幅を縮小。前日に決算発表した日経225ウエイトトップのファーストリテイリングも、ほぼ寄り付き天井の形となって上げ幅を縮小。輸出企業の決算発表トップバッターとして注目される安川電機も、悪くないガイダンスを示しながらほぼ寄り付き天井でマイナスに。決算銘柄への反応がイマイチだったことも買い手控えにつながったといえそうです。

 

(今週の見通し)

 週末13日に、米軍がシリアのアサド政権に対して攻撃を実施。1年前のシリア攻撃は空軍施設などに59発のトマホークを撃ち込みましたが、今回は化学兵器関連の施設に105発を撃ち込んだとのこと。攻撃後にトランプ米大統領は「1回限りの措置」と演説で発言していますので、シリア攻撃への不透明感を警戒したリスクオフムードも一旦は後退しそう。世界の市場で最初に開いた16日の東京市場も、日経225は小幅ながら反発でスタート。時間外の米国株指数先物も反発しており、目先的にはアク抜けとなりそうです。

米中貿易戦争懸念についても、習近平国家主席が大人の対応をしたということで一旦は収束。とはいえ、先週末に米メディアが伝えたところによれば、トランプ大統領に解任されたFBI前長官のコミー氏が、著書でトランプを「マフィアのボス」と表現し、「あらゆることにウソをつく」と記したとのことです。米国の大統領がトランプであること=トランプリスク、これは市場の常識ですから、「そろそろリスクオンに転じそう!」と決め打ちするのは無理がありそう。

ウソをつくという疑念でいえば、野党からの追求を受けている安倍政権の動向にも思いを馳せたいところ。先週末に各メディアが行った世論調査では、内閣支持率が低下。13~15日に実施されたNNNの世論調査では、支持率が3月より3.6ポイント低下した26.7%、不支持率は0.4ポイント増えて53.4%でした。国内の政治情勢にも不透明感が残るなか、安倍総理は今週訪米し、17日~18日に日米首脳会談が開かれます。先週はTPPに条件付きで復帰してもいいとの考えを示したトランプ大統領ですが、コミー氏の発言も気にしておくとすれば、また騙されないように安倍総理にも期待したいところ。

ウソをついているのではないか?のモヤモヤが何かと燻るなか、市場はアンワインド優勢な流れが見えてきています。これは単純に、手前で売りを作っていた分の売りポジションの圧縮。そのため、日本株でいえば、日経225先物売りの買い戻しが金額的には大きくなり、NT倍率が12.6倍に上昇していることによく表れています。買い戻しで上がりそう・・・この相場感が多くの市場参加者に働いていると思われます。目先は、3月以降丸1カ月半にわたって乗せていない2万2000円台の奪回を試しそう。

ただ、2月の急落以降、終値ベースで4回乗せていた2万2000円台は、滞在日数が最長で3営業日と非常に短いのも特徴。2万2000円台での戻り売り圧力が強そうなイメージは根深く、短期的に上昇しても、順張りで買いに追随する参加者も少なそう。上昇の原動力は、その大半が手前での売り方と想定。その動きを示すNT倍率は、今年の高値が12.69倍で現在が12.60倍。NT拡大を伴いながら日経225がリバーサルを続ける余地も徐々に小さくなっています。今週の想定レンジは21500円~22300円に、今後1カ月のレンジを20900円~22700円とします。

(おしまい)
 

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