岡村友哉の日経225ここだけの話

岡村友哉がお届けする一週間の予想レンジと市況情報。

2018/04/02 13:03新たな売りネタが出てこなければ…リバウンド継続?

日経225 現物指数 終値21454.30円(3月30日)
安値 20347.49円(3月26日)/高値 21512.80円(3月30日)

(日経225 日足チャート 25日線付)
期間:2017/1/1~2018/3/30


 

(先週の振り返り)

先週は、週間で836円の大幅上昇。大幅上昇どころか、下落を予想して先週挙げさせていただいた予想レンジ(19900円~20700円)は、過去83回の本コラム中でも最大の大ハズレになってしまいました。敗者の弁をご笑覧いただければと思います。なお、年度末3月30日の日経225の終値は21454円。2017年度は、前年度末と比べて2445円と大幅上昇でした。

週初26日(月)は、大シケのムードを保ったまま始まります。前週末も米国株が大幅続落で、夜間の日経225先物終値は20140円。現物の日経225も、開始直後に年初来安値の20347円まで下落します(ただ、ここをボトムにまさか先週だけで1000円以上もリバウンドするとは・・・。)東京時間に妙な強さを示した理由として、開始直後からトヨタやファナックなど主力の一角が強含み始めたこともあり、「公的年金の買いが入っているのではないか」との声も出ていました。また、前場のTOPIXが0.74%安だったため日銀ETF買いも入り、終盤にかけ下げ幅を縮める展開に。

この日の夜の米国株は急反発、NYダウは669ドル高と過去3番目の上昇幅を記録します。米中貿易戦争の懸念を緩ませる各種報道が買い戻しの手掛かりになった様子。これを受けて、27日(火)の日経225はギャップアップで始まると、ここから大引けまで一本調子で上げ幅を広げていきます。この日、市場参加者が関心を寄せていたのは、9時半から始まる佐川前国税庁長官の証人喚問。この場で、佐川氏が文書書き換えについて「官房や官邸からの指示は無い」「理財局の中で対応した」と強調。また、安倍総理や総理夫人からの指示は「ございませんでした」と否定したことを受け、明らかに「日経225先物買い/円売り」で反応し始めます。それだけ、証人喚問の手前まで、政局リスクをネタにして売りで攻めていた短期筋が多かったということでしょう。

また、27日は3月末決算銘柄の配当権利付き最終売買日。このタイミングで毎年、配当の再投資と呼ばれる年2回の特殊な巨額買い需要が発生します。配当込みTOPIXをベンチマークにする公的年金や、TOPIXや日経225など連動型のETFが、配当落ち分(運用資産の約1%)に相当する分だけ先物を買うというオペレーション(配当が実際振り込まれる6月まで、指数との連動性を保つため、先に先物を買っておきます)。この配当の再投資に伴うTOPIX先物買いは、現物市場の大引け(15時)直前、ラスト2分で集中的に入ってくることも知られています。実際、この日もラスト2分でTOPIX先物は9759枚の大商いとなり、上げ幅をグイグイ拡大しながら高値引けに。先物手口を見ると、買いの上位は野村(+3061枚)、みずほ(+2129枚)、大和(+2018枚)といずれも日系で、配当の再投資に伴う買いの分と推測される手口。一方で、売りの上位はメリルリンチ日本(-4195枚)、ソシエテ(-2813枚)、BNPパリバ(-1647枚)でした(=配当の再投資の買いに外国人が売りをぶつける構図)。

28日(水)は配当の権利落ち日。配当落ち影響度は158.33円で、現物の日経225はこの分は理屈的に下がる日ですが・・・朝方は一時500円を超える下げ幅になります。前日の米国株が、また豹変。ナスダック総合指数が約3%の大幅安となるなど、米ハイテク株が軒並み大幅安。これに連れ安して大きく下げて始まりますが・・・この日も後場に配当の再投資の残り分があったと観測され、TOPIX先物が出来高を膨らませながら大引けにかけて強い動きに。また、この日は日銀ETF買いも入りましたので、配当再投資+日銀ETF買いという、相場感と全く関係ない特殊な買いで高値引け。

29日(木)は、四半期末というタイミングで、ポートフォリオの調整に伴うものか、米ドル/円が大きく上昇(107円手前まで)。6月初めにも日朝首脳会談の開催があり得るとの報道もあり、北朝鮮リスクの後退もやや買い手掛かりか。前日までのような配当再投資に関連した露骨な特殊買いは消えたものの、商いが減るなかで、閑散に売り無し・買い戻しアリ的な地合いは週末まで続きます。2017年度の年度末最終日となる30日(金)も、この日の夜の米市場がお休みということもあって海外勢のフローが少なく超閑散ムード。そのなかで、閑散に買い戻しアリ的な動きに。


(今週の見通し)

内憂外患(森友問題と貿易摩擦懸念)が消滅したとは言えないものの、マーケットがこれを売りネタにするには旬を過ぎた感があります。内憂の森友問題は、佐川氏の証人喚問を通過し、週末の世論調査でも内閣支持率に底入れ感が出てきたところ。

また、週初2日に出た日銀短観の2018年度の大企業・製造業想定為替レートが注目されましたが、実勢レートが106円台のなか、慎重さの欠片も感じさせない「109.66円」でした。ただ、これも先月、QUICKが調べた上場企業の18年度の想定為替レートでも「110円前後」の回答が多く、調査期間中に進んだ円高をイマイチ織り込んでいないことも想定線。これが、5月に相次ぐ3月決算企業の19年3月期見通しに対する期待比での下振れリスクになります(=ガイダンスリスク)。

ただ、このガイダンスリスクについても、3月までに散々織り込みにかかっていたこともあって、目新しい売りネタではありません。外患の米中貿易紛争のネタも、VIXの低下が示している通りで、マーケットでの関心が薄れていることが垣間見えます。日経225については、25日線の位置する21500円辺りで落ち着きどころを見付けつつあります。ここからの展開は、材料より需給を考えることが重要でしょう。

需給という点では、今週より新年度に入ります。新年度4月といえば、需給の話で真っ先に挙がるのが、「国内機関投資家の益出し売り」です。地銀などの日本の運用者が、新年度の運用に余裕をもたせるため、ある程度の利益を先に確定させておくという毎年恒例の需給要因です。この影響で、アベノミクス相場が始まった2013年以降、新年度スタートとともに崩れることが多いのも事実。2016年は、新年度の4月から7日続落しました。昨年も4月第1週は下落しましたが、初日含んで6営業日連続で「陰線(始値>終値)」でした。東京時間に国内の機関投資家の売り圧力が強い・・・そして、3月まで逆張り買いを続けた個人投資家の戻り売りも売り手として浮上しそう。

一方で、先週も薄商いのなか、かなり先物買い戻しで上がった感じがあったように、海外勢の先物売り分の買い戻しのタイミングとしても「四半期替わり」ということで注目。過去最強クラスの先物売りが持ち込まれたのが3月までですが、その結果、裁定売り残(安い先物を買う/高い現物を売る)が史上初の1兆円越え(1兆945億円)となりました。外国人による先物の買い戻しが今後進めば、裁定売りの“解消買い”が入ります。これが日経225採用の高ウエイト株押し上げにつながる公算が大きく、2月と3月に2段階で低下したNT倍率が上昇傾向になるかどうかに注目でしょう。

まとめますと、4月は季節柄、国内の機関投資家が売り手になる公算が大きく、個人投資家は日経225が上昇するなら戻り売り側。一方で、買い手側には先月までの売りの主役だった海外勢の買い戻し、そして何も考えず下がったら買う日銀のETF買い、そして自社株買いの構図となります。これ、完全に指数が上昇する局面の組み合わせなんですよね。市場が悲観に傾く新たな売りネタが出てこなければ・・・が前提になりますが、とりあえず22000円近辺目掛けたリバウンド継続を想定し、今週の想定レンジは21100円~22000円に、今後1カ月のレンジを20400円~22800円とします。

(おしまい)
 

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