岡村友哉の日経225ここだけの話

岡村友哉がお届けする一週間の予想レンジと市況情報。

2018/03/26 11:37日経225は昨年選挙前の水準までリセット…今後は?

日経225 現物指数 終値20617.86円(3月23日)
安値 20559.61円(3月23日)/高値 21659.04円(3月19日)

(日経225 日足チャート 25日線付)
期間:2017/1/1~2018/3/23


(先週の振り返り)

週末の世論調査で安倍内閣の支持率が大きく低下。週明け19日(月)は、内憂外患でいえば内憂(森友文書問題に伴う政局リスク)の部分を嫌い、日経225も前日比200円近く下げた1日でした。この日は、取引時間中に、参院予算委員会で森友問題に関する集中審議が予定されていました。この手の話題は、外国人投資家より、圧倒的に日本の投資家のほうが詳しいですよね(連日メディアで嫌というほど取り上げているため)。政局に発展するリスクは心理面でも「株安」にバイアスがかかる話ですので、日本の個人投資家などは買いを手控えやすくなります。

この日は朝から下げていましたが、最近の下落局面の買い手は逆張りの個人投資家です。その個人が買いを手控えすると、崩れやすいのが今の日経225。そして日経225以上に影響を受けるのが、個人投資家がメインプレーヤーの東証マザーズ市場。マザーズ指数がズルズル下げて一時4%安する場面もありましたので、ここからも個人投資家はかなり森友問題を嫌っていることが透けてみえます。

先週の重要イベントとして注目されていたのはFOMCで、日本は祝日前ということもあって20日(火)は様子見ムードか?と思われていたところが・・・別のネガティブ材料がまたしても米国から飛んできます。週明け19日のNYダウが335ドル安で返ってきたことを受け、寄り付きから200円近く値を切り下げてスタート。米国株が下げた最大の理由がハイテク株の下落・・・とりわけ時価総額4位のフェイスブック株が急落(6.7%安)したことが引き金でした。

2016年の大統領選挙の際、トランプ側についた政策コンサルティング会社がフェイスブック上のユーザー5000万人超の情報を本人の同意なしに利用。米議会が調査に乗り出すとしたうえ、共和・民主両党の上院議員がフェイスブックのザッカーバーグCEOの証人喚問を要請したと伝わるなど、フェイスブックに対する懸念が高値圏に戻していた米ハイテク株の一斉利食い売りにつながります。これ自体、日本企業と一切関係ない話ですが、米国株の総崩れに無傷でいられる国ではない日本株・・・。薄商いの中で連日投入される日銀ETF買いで後場は持ち直すも、この日も続落。

日本が休みだった21日のFOMCでは、ドットチャートによる今年の利上げ見通しは3回で据え置かれ、2019年は2回から3回に増加。FOMCの手前で今年の利上げ回数が4回に増えるとの見方が多かっただけに、想像していたほどタカ派では無かったと市場では解釈されていたようです。また、米通商代表部が中国による知的財産権の侵害を認定したことも保護主義の強まりとして意識され、米ドル/円がまたしても106円割れ。円高進行を通じて日経225にネガティブと見られましたが(CMEの日経225先物の清算値は21140円)・・・この日は謎の強さを見せます。日経225は上げ幅を広げ、前場をプラスで折り返し。

ただ、TOPIXは前場0.08%安と、強さが目立っていたのは日経225だけ(NT倍率上昇)。そのなかにあって、後場も堅調さを維持して、日経225はほぼ高値引けで終了。謎の強さの正体を、「GPIFの買いでは?」とか「海外勢のバスケット買い観測がある」…とか噂されていましたが、実際は別要因が大きかった様子。前場のTOPIXが0.08%安と、最近1年間の買い入れ基準(0.2%以上の下落)を満たしていませんでした。それにも関わらず、日銀がETF買いを入れていました(これが驚き!)。意外なタイミングでの日銀砲でしたが、なぜ急に?との憶測が生まれるわけで・・・森友問題で安倍政権がピンチなだけに、「日銀による忖度のETF買いか?」なんて声も。なお、先週上がったのはこの日だけでした。

前日の忖度(?)ETF買いによる無駄な上昇が、この日の下げを大きくした?・・・週末23日(金)に、まさかの2月6日級(日経225は1071円安、4.7%安)の急落が発生します。そのきっかけは、前回同様、米国株の急落でした。前日のNYダウが724ドル安となり、米ドル/円も105円割れ。トランプ大統領が、知的財産権の侵害を理由に、中国製品に高い課税率を課す制裁措置を正式発表。米中の貿易紛争への懸念から、リスク回避(株売り/債券買い/円買い)が加速します。日経225先物は寄り付きギャップで680円も下落します。取引時間中には、中国側の米国からの輸入品にする報復課税措置を発表。売りの主体は外国人でしょうが、国内機関投資家の売りヘッジ、2月に逆張りで買った個人投資家の投げ売りなどを巻き込みながら、東京時間に下げ幅をさらに拡大します。理由は「米中貿易摩擦」とされながら、当事者のNYダウが2.9%安、上海総合指数は3.6%安・・・で、日経225は4.5%安。世界同時株安の場面で、世界で一番下がる日経225、これだけは健在でした。なお、先物の売り手口筆頭はクレディスイス(日経225先物を4256枚売り越し、TOPIX先物を3426枚売り越し)で、この業者1社だけで金額ベースで1300億円強の大幅売り越し。この日も4日連続の日銀ETF買いは入りましたが、歯が立たず・・・。


(今週の見通し)

内憂外患(森友問題と貿易摩擦懸念)がマーケットに居座るなか、日経225は大台2万円を割れてしまうのか?正念場の週になりそうです。先週末のNYダウは連日の大幅な下落(424ドル安)で、週明けの日経225も安値更新が確実。米ドル/円も104円台に落ち込んでいます。

改めて、今の価格は今回の市場の焦点を見事に反映しているといえます。まず日経225。先週末に安値で20559円まで下落、これ昨年の10月3日以来の水準です。この当時のこと、覚えていますか?10月3日の前日、10月2日から始まったこと・・・それは、日経225として過去最長の連騰記録「16連騰」です。16連騰の起点は10月2日、終点は10月24日。終点の10月24日といえば、その直前10月22日に衆議院選挙があり、自民党の圧勝を確認したタイミングです。つまり、今の値段は選挙前に(しかも16連騰の入り口まで)戻ったということ。再び森友問題による政局リスクが市場で懸念されているなか、綺麗にリセットボタンが押された形になっています。株式市場もやり直しです。

米ドル/円も先週末に104円台ミドル付近まで下落しました。こちらは、水準としては約1年4カ月前、2016年11月9日以来。この日といえば、米大統領選のまさに開票日でしたよね。こちらも見事なUターンとなっておりまして、あの当時「トランプ大統領なんて悪夢だ(=トランプリスク)」と日本で恐れられていましたが、その解釈自体は正解だったようです。

「リセットしました。では、ここからは?」となると、日経225でいえば昨年10月と違って総選挙が予定されているわけでもないこと、米ドル/円でいえば米国第一主義を掲げたトランプ大統領への減税期待など、当時の買いストーリーは出尽くした後であること―などを踏まえれば、同じ値段とはいえ、同じ買い妙味があるとは到底思えないことに注意。

それを市場が分かっているからこそ、先週末の急落時の商いがイマイチ盛り上がらなかったのでしょう。日経225の下落率は先週が4.5%、今年最大の2月6日が4.7%。同じような下落率にもかかわらず、東証1部の売買代金は先週末が3.6兆円、2月6日は5.6兆円です。日経225先物の出来高も、先週末が9.3万枚、2月6日が15.4万枚。同じ急落でも今回の売買エネルギーのほうがはるかに小さいのは・・・①売りが少ない(セリングクライマックス感が無い)、②買いが少ない(2月の急落時に逆張り買いした個人が含み損になり、買い意欲が急激に萎えた)、③理由が割とはっきりしている(2月の突然の急落は最初理由がわからなかった)などが挙げられると思います。
 
とりわけ、③の理由が割とはっきりしていることが気掛かりで、2月の急落時ほどVIX指数が跳ね上がっていませんよね。これは原因不明でパニックになった2月に比べると、今回は不透明感が小さい(=売りヘッジが少ない)ため。理由が見えてきた段階で、急激に買い戻しが入る(=リバウンド)イメージを持ちづらいともいえます。今週といえば、27日14時から、文書書き換え問題で佐川氏の証人喚問が予定されています。このタイミングが日本企業の3月配当権利付最終売買日で、GPIFなどが配当再投資のTOPIX先物買い(4000~5000億円級)を入れることも予想されます。下支え役となりそうな需給要因も控えていますが、一方で、リバウンドを狙うほどアク抜けしたと判断する根拠もありません。日経225でいえば、配当落ちで28日に理屈上は約160円自然と下がります。これらを考慮し、今週の想定レンジは19900円~20700円に、今後1カ月のレンジを19600円~21000円とします。

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