岡村友哉の日経225ここだけの話

岡村友哉がお届けする一週間の予想レンジと市況情報。

2018/03/19 10:35「森友問題」に警戒…まだ悪材料として周知されていないだけ!?

日経225 現物指数 終値21676.51円(3月16日)
安値 21555.49円(3月15日)/高値 21971.16円(3月12日)

(日経225 日足チャート 25日線付)
期間:2017/1/1~2018/3/16

(先週の振り返り)

週間の上下値幅は日経225先物で450円、値幅としては1月第1週以来の狭さでした。完全にレンジ相場になっていますね。21000円台前半は買い、22000円より上は売り・・・年初と比べて目線をかなり下げたレンジで取引されています。ただ、逆にいえば、トランプリスク、森友問題、円高進行、ネガティブ材料が多い割に、よくこの位置で止まれているな~という印象も強い一週間でした。
 
週初12日(月)の日経225は、前週末の米国株大幅高(NYダウで440ドル高)を受け、大幅高でスタートします。雇用者数が強く伸びた一方で、心配されていた時間当たり賃金はやや鈍化。株に好都合な形で経済指標が出たことに加え、トランプ大統領が北朝鮮からの首脳会談の提案を受け入れると表明したことで、地政学リスクも後退。完全に外部環境改善のおかげですが、一時500円高となりました。ただ、(毎度のことですが)高く始まった東京時間は上げ幅縮小タイムに・・・。

この日から先週末まで、日本国内は、財務省による決裁文書の書き換え問題(以下、森友問題)で持ち切りでした。麻生財務相の辞任に発展するような事態になるのでは?といった政局リスクの浮上。これが、東京時間の日経225の重石になり、東京時間の売買手控え要因(売買高低下要因)になり得たといえそうです。ただ、森友問題のモヤモヤに伴う東京市場の薄商いが、逆に下値を堅くした側面も否めないのですが・・・。なお、この日の13時過ぎに麻生財務相が記者会見し、進退については「特に考えていない」と発言。この発言を受け、手前でショートしていた向きが買い戻したのか、大引けにかけて再度上昇へ。

13日(火)は、前日の米国株が反落で返ってきたほか、米ドル/円も円高気味と、外部環境はイマイチ。ただ、海外勢の売りが一巡してきた影響か、薄く広く小型株などは買われて日経225も割としっかり。市場参加者からは、「森友問題を海外勢がどの程度気にしているのか?それだけですね」との声も聞かれました。昨年3月もそうですが、日本国内で騒ぐほど、タイムリーに森友問題を海外勢が意識して動くわけでも無さそう(そもそも、森友問題を理解している海外投資家が多いとも思えない)。安倍首相が退陣となるような事態になれば当然売ってくるでしょうが、そうした認識で海外勢が動き出すまでタイムラグが生じやすい話題です。この日も森友問題を意識しているのかしていないのか、マーケットからはイマイチ読み取れず・・・。薄商いのなか、海外勢の買い戻しが押し上げに寄与し、日経225は高値引けに。ザラ場中の値動きとしては、3月で最良ともいえる一日になりました。

14日(水)も、森友問題、そしてトランプリスクそれぞれに対し、消化不良といった一日に。トランプリスクでいえば、先週のコーン氏辞任に続き、ティラーソン国務長官が更迭されると伝わると米国株が反落。米朝首脳会談の交渉役になるはずだったティラーソン氏の解任を受け、裸の王様化が止まらないトランプ大統領への不信感が強まります。さらには中国に対し、対中貿易赤字の削減計画を提出するなど、保護主義政策への懸念もまた台頭。いずれもトランプ大統領の暴走が原因ながら、前日強かった日経225は反落となります。そのせいで、前場のTOPIXは0.57%安となりましたので、トランプ大統領の尻拭い的な意味合いを持つ日銀ETF買いが後場入りました。この735億円が、前日に続いて薄商いだったこともあり、後場に効力を発揮。翌15日(木)も同様で、板がスカスカ状態のなか、前場に下げたことに伴う後場の日銀ETF買いは効果抜群。この日は前日比で小幅ながらプラス圏に押し上げました。

まともに買っているのは日銀くらいで、海外勢は買い戻し、個人投資家は戻り売り・・・その構図が見えつつあるなか、週末16日(金)も方向感に乏しいなか始まり、薄商い商状は変わらず。午前10時過ぎにマクマスター米大統領補佐官の解任が一部で報じられると、米ドル/円は106円を割れ、時間外の米国指数先物が小幅安に。ここで日経225も崩れましたが、TOPIXについては前場0.1%安で終了します。この下落率で日銀ETF買いが入る確率は非常に低いことから、「今日はETF買い無し」を見込んで売りで入る短期筋などもいたものと見られます。


(今週の見通し)

先週、米国株の恐怖指数といわれるVIX指数の25日移動平均が、3月に入って初めて20を下回りました。VIXを見る限りは、“適温相場”と呼ばれていた状態に戻りつつあり、「ボラティティの上昇を受けて株のウエイトを落とす機関投資家の売り」という解釈は通用しなくなっています。海外投資家の売りも落ち着いてきていて、これは先週の日経225がナンダカンダありながら「207円高」と週間上昇したことにも表れているはず。3月のメジャーSQを通過し、流動性が低下しやすいタイミングで買い戻しが入り始めている・・・これが底堅さを示し始めた最大の理由でしょう。

ただ、これまで何度も指摘してきたように、2月に個人投資家の逆張り買いが入り過ぎた影響で、東京時間の戻り売り圧力は強いといえます。最近の日経225のローソクを見てもらえばわかりますが、外部環境が良く寄り付きから強くぶつかった日は確実に東京時間に跳ね返されています。逆に午前中弱く、日銀ETF買いが後場に入るような日は東京時間に持ち直します。この繰り返し・・・によって、結果的にレンジ相場に見える、というのが需給的な解説になると思います。

これから期末でもある3月末までを見据えると、国内の金融機関による株の益出し売りも一巡し、どちらかといえば押し上げ効果に期待できる需給要因が控えています。GPIFなどが配当落ち分を埋めるためにTOPIX先物を買う“配当再投資”が控えるほか、3月配当の権利を取ろうとする個人投資家などが売りを手控えることも考えられます。何も無ければ、どちらかといえば上がりやすいようなタイミングです。

ただ、何も無くはなかった・・・G20を前に、約10年にわたって行われてきた米中経済対話を打ち切るとの報道も流れています。トランプ大統領による保護主義政策が米ドル/円の下落要因としてより意識される状況になっています。今週は20~21日に米FOMCもあり、今年の政策金利予想(ドット・プロット)が年4回利上げへ上方修正されるとのコンセンサスも作られつつあります。年4回利上げとなれば、米国株の下落要因となる可能性もあります。日本株を反発させる頼みの綱である「外部環境の改善」、これも期待が後退しています。

そこに圧し掛かる「内憂」。森友問題を受け、先週末に複数のメディアが実施した世論調査では、安倍内閣の支持率が急降下しています(不支持率は急上昇)。朝日新聞世論調査の支持率31%は、第2次安倍政権発足以来の最低になっているとのこと。支持率低下を海外投資家が売りの口実(株安要因)にする可能性がある・・・これも買い手控え要因になります。3月期末にかけて需給は改善しそうななか、買いを手控える強い理由が存在する・・・確実に流動性は低下したままの状態と見込めるなか、支持率も低下していることがどう作用するのか?ここが焦点になりそう。

昨年、森友学園の問題が初めて国内で注目されたときは、海外投資家に知れ渡るまで3週間程度のタイムラグがありました(英FT紙が「Abexit」と表現し、安倍首相の退陣は日本の株価に20%の下落リスクがあると指摘)。今回も、悪材料の割に株価が底堅いというよりは、「まだ売り材料として周知されていないのだろう」くらいに保守的に見ておくのが無難でしょう。今週の想定レンジは20900円~21900円に、今後1カ月のレンジを20600円~22200円とします。

(おしまい)

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