岡村友哉の日経225ここだけの話

岡村友哉がお届けする一週間の予想レンジと市況情報。

2018/01/15 16:10日経225を読むうえでのキーマンは今年も「日銀」

 

日経225 現物指数 終値23653.82円(1月12日)
安値 23588.07円(1月12日)/高値 23952.61円(1月9日)

(日経225 日足チャート 25日線付)
期間:2017/1/1~2017/1/12


(先週の振り返り)

「バブルへGO!」な匂いを漂わせていた日経225ですが、先週は週間で60円ほど下落。アクセルを全開に踏んでいたところでしたが・・・そこにブレーキをかけたのは、我らが日本株の最大の買い手「日銀」でした。日銀を理由に米ドル/円が週間で2円も下落。とはいえ、大きめの円高に振れた割には、日経225の下げ幅は60円ほどで・・・株の下げのブレーキをかけたのも「日銀」でした。

5日発表の米雇用統計が市場予想より悪くても、現地ブローカーは「年内の利上げ回数の修正は不要」との論調が目立ち、米ドル/円は113円台前半まで円安進行。米株の主要指数も過去最高値を更新、さらには前週の余熱もあるなか、日経225は週明け9日(火)も当然のように好スタートを切ります。勢い余って、現物開始前に日経225先物は24000円にもワンタッチ。ただ、その勢いに水を差したのが、朝10時10分の日銀による長期国債買い入れオペの通知でした。

残存期間10年超25年以下の国債買入れを2000億円→1900億円へ100億円減額、25年超を900億円→800億円に100億円減額。そもそも昨年から国債買い入れのペースは落ちていて、国債保有残高自体は増えているといっても、絶対額が大きくなっていますから、残高の変化率(増加率)は低下していました。これを市場は「ステルス・テーパリング」と名付けていましたが、年明け早々の買い入れオペ減額通知を、市場参加者の一部が「ステルス・テーパリングじゃないか?2018年は出口意識の年なのではないか?」と勝手に解釈したようです。まあ、これを短期筋が売りの口実にした、というところかもしれません。「債券先物売り→金利上昇→日米金利差縮小観測で米ドル/円下落→円高で日経225先物売り」の流れで上げ幅を縮めます。

10日(水)も米国の主要指数は連日で最高値を更新。とはいえ、東京時間が始まると連日で米ドル/円が下落します。これに連れ安し、日経225は今年初めて前場マイナスで終了。ただ、米長期金利が2.554%と節目の2.5%を超えたこともあり、無条件でTOPIX型のメガバンクや保険株が買われます。結果的にTOPIXは前場プラスで引けたため、レートチェック的に日銀ETF買いは見送られるパターン。実際、ETF買いは入らず、この日は今年初の下落(日経225で61円安)となりました。

11日(木)も続落、この日も軟調な理由は「円高」でした。この日は日銀以外の売りネタも影響。一部外資系通信社が、「中国が外貨準備を見直し、米国債の購入を減額、もしくは停止することを検討している」と報道したことが米ドル売り要因になったようです。この日も円高を理由に日経225は軟調。TOPIXも今年初めて前場マイナスとなり、後場は今年初の日銀ETF買いも確実視されていました。日銀ETF買いの効果か、大引けにかけて下げ幅を縮小。実際、日銀はETF735億円を買っていました。

週末12日(金)も、さらに進んだ「円高」で日経225は軟調でした。前日のNYダウが205ドルの大幅高、主要指数がいずれも強く上がったことで、夜間の日経225先物は上がっていました。朝一番でも日経225先物は23760円を付けるも、そこをピークに失速してマイナスへ。前場のTOPIXが0.5%安だったこともあり、後場は連日で日銀ETF買いが発動。それでも、終わってみれば56円安と3日続落になりました。下落幅としては「この程度か」という程度ではありますが、実態的にはかなり「強い売り」だった印象の1日です。まず、この日はオプション・ミニ先物のSQで、SQの関連注文は日経225型で「約460億円買い越し」だったようです。この分のプラス要因をつぶして下げたことがひとつ。また、この日は前日決算発表したファーストリテイリング(日経225のウエイト最大株)が好決算で大幅高、ファストリ株の6%高で、1銘柄で日経225を104円押し上げていた・・・にも関わらずそのプラス要因もつぶしてマイナス着地になったこと。あとは、日銀の735億円買い越し要因もあったわけで、それで56円安というのは結構売られた1日(おそらく売り手は外国人)といえそうです。

(今週の見通し)

先週は少し下げました。そのきっかけは円高で、その引き金は「日銀」でした。週初9日のオペ減額を受け、海外メディアでも海外投資家が日銀の出口を気にしていると伝えているところが多かったですね。とはいえ、それで少し下げても、今度はETF買いで下げを食い止めるのも「日銀」。まさに日銀の自作自演、今年も日経225を読むうえでの最大のキーマンは「日銀」といえそうですね。

オペ通知額が「たかだか100億円減額だったくらいで気にし過ぎだ」という論調は正しいと思います。それで10年債利回りが上がったため、「このまま0.1%を超えたら、指値オペを行うのではないか?」といった話題も出ていました(昨年2回0,1%を超えたところで指値オペ実施)。米長期金利が2.5%を超え、金利に視線が集まるなか、日本でも金利に目が向きがちだったところもあるでしょう。とはいえ、ステルス・テーパリングというには過剰反応かもしれませんね。

ただ、気にし過ぎと多くの市場参加者は分かっていながら、米ドル/円の売り要因として強く出ていることは事実です。それだけ「日銀」の金融政策に関心は高いということ。日銀が出口をほのめかすことを、マーケットはこう捉えるのか・・・、ということを学習できたのは収穫のように思います。当然のように入ってくるETF買いについても同じ。総裁人事、そして新体制で始まる4月以降、今の日経225や海外株を見ても、明らかに“6兆円も”買う必要性は落ちています。こっちもどうなるかわからない・・・主役が「日銀」なだけに今年のリスクといえそうですね。

今週も、週初15日がキング牧師記念日で米国市場は休場となるなど、引き続き手掛かり材料は少なそう。フローは少し落ちるでしょうから、先週に続いて「円高」が進み投機筋の日経225先物売りが持ち込まれた場合の抵抗力は弱そう。水準的には、日本の製造企業の想定為替レートに多い米ドル/円で110円が分水嶺でしょうか。ちなみに、アベトレード(円売り/株買い)という言葉が生まれた2013年以降、先週までは週間ベースで数えると262週ありました。市場はNYダウ(米国株)の上昇は当然リスクオンと見ますが、米ドル/円についても上昇する状態をリスクオンと判定します。

その米国株と米ドル/円は(NYダウが上がれば米ドル/円も上がるという風に)同じ方向に動くことが多いです。数えてみますと、262週のうち、同じ方向に動いたのが170週、逆方向に動いたのが92週。で、足元は?というと、思いっきり逆方向(NYダウが上がるのに米ドル/円は下がっている)です。しかも、先週でいえば、NYダウが週間で2%(507ドル)上げたのに対し、米ドル/円は1.8%も下がっています。これだけ逆相関となっているのは、2016年3月第2週以来(NYダウが2.3%上昇し、米ドル/円が2.0%下落)。この週の日経225はどうだったか?といえば、週間で214円安(1.26%安)となっており、いくら強いNYダウに引っ張られるといっても、円高でその分は打ち消されて下落しています。少々下げても、その尻拭いを日銀がしますので、売りで儲かるイメージはありませんが、今週は想定レンジを23300円~24100円に、今後1カ月のレンジを23000円~24400円とします。

(おしまい)

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